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キャラ説明 デッキタイプ カードリスト協力カードリスト キャラ説明 PC98版2作目『東方封魔録 〜 the Story of Eastern Wonderland.』にて初登場し、それ以降は『東方文花帖 〜 Shoot the Bullet.』以外のすべての作品に自機キャラクターやボスとして登場。 人間であり、魔法を使う程度の能力を持つ。 金髪で黒っぽい服に白いエプロンを着ているのが主な特徴で、星弾とレーザー弾を多用する。 特に彼女の代名詞でもある極太レーザー《恋符「マスタースパーク」?》の威力は原作でも非常に高く、「弾幕は火力」という魔理沙自身の信条を良く表している。 男勝りの口調や実直でサッパリとした性格に惹かれるファンも多い。 デッキタイプ 恋符「マスタースパーク」?、星符「ドラゴンメテオ」?、魔砲「ファイナルスパーク」?等の攻撃値が高いスペルで相手を捻じ伏せる戦い方が得意。 また、高速詠唱?や魔力結晶?等のサポートを組み合わせる事で比較的早くから大ダメージを叩き込む事ができる。 但し主力スペルの殆どが集中であり、平均的な命中も低い為に高速移動や回避に長けたキャラを相手にすると劣勢に持ち込まれる事が多い。 よって魔理沙を主軸とするデッキには必ずと言っていい程ピンポイント?が3枚積まれるのである。 カードリスト リーダーカード 名前 体力 回避 決死 属性 普通の黒魔術師 霧雨魔理沙? 20 3 4 人間 魔法使い スペルカード Lv 呪力 名前 攻撃 迎撃 命中 性質 基本能力 1 1 魔符「スターダストレヴァリエ」? 2 1 3 集中 高速移動(1) 1 2 魔符「ミルキーウェイ」? 2 2 3 拡散 1 2 光符「アースライトレイ」」? 3 0 2 集中 1 2 恋符「ノンディレクショナルレーザー」? 4 3 4 拡散 2 4 魔空「アステロイドベルト」? 3 1 5 拡散 防壁(1) 2 4 恋符「マスタースパーク」? 4 2 4 集中 貫通 3 5 星符「ドラゴンメテオ」? 5 1 4 集中 3 6 魔砲「ファイナルスパーク」? 5 2 5 集中 貫通 防壁(1) 2 4 光撃「シュート・ザ・ムーン」? 4 1 4 通常 低速移動(1) サポートカード Lv 呪力 名前 配置 1 1 イリュージョンレーザー? スペル 3 3 ミニ八卦炉? リーダー 2 2 オーレリーズソーラーシステム? スペル 1 2 コールドインフェルノ? スペル イベントカード Lv 呪力 名前 使用 1 2 問答無用? 充填 2 3 拝借? 充填 2 4 疾風怒涛? 戦闘 2 5 高速詠唱? 充填 3 3 魔力結晶? 充填 1 3 蒐集? 充填 協力カードリスト サポートカード Lv 呪力 名前 配置 協力者 1/1 4 責任転嫁? リーダー アリス? 1/1 3 空っぽの賽銭箱? リーダー 霊夢? 2/2 5 妖怪退治? リーダー 霊夢? 1/1/1 2 ぐうたら? リーダー 霊夢? 萃香? 1/1 3 蹂躙する魔力? リーダー フランドール イベントカード Lv 呪力 名前 使用 協力者 2/2 4 マリス砲? 戦闘 アリス? 2/2 4 ダブルレーザー? 戦闘 パチュリー? 1/1/1 6 トリニティレイ? 戦闘 アリス? パチュリー?
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■魔理沙2 空はどんよりと曇り、一向に晴れる気配が無い。 耳をすませば約十八回目のため息が聞こえる。 「本当に嫌になるぜ……」 そう言って、十九回目のため息をつくのは霧雨魔理沙。 「仕方ないさ、ここの天気はどこぞのメイドの胸並に変わりやすいから……」 現在いる場所は魔法の森にある霧雨邸。今日は山の幸狩りをしにここに出向いたわけだが…… あいにくと森に入って霧雨邸についた直後にどかっと雨が降ってきた。……まさしくどこかのメイド長のスペルのように。 今は雨もやみ、多少霧が掛かる程度だがそれでも帰れない。 何故かって?魔法の森は迷いの森だからさ。道を間違えれば即食物連鎖最下段。そんな生きるか死ぬかのこの森に霧が掛かっている。 つまり要約するなら。『鬼畜兵器ぶっちぎりの即死弾幕を毛玉とかが常時連発してるような感じ』。一歩進めば即死。アーユーオーケイ? 「これじゃあ山の幸も取れないな。ああ、一度は食べてみたいぜナスキノコ……」 「それはきのこじゃない気がするが」 「いやいや魔理沙。ナスキノコは実在するんだぜ?その胞子を吸ってしまうと大変な事になる恐ろしいきのこなんだ」 「……ふーん」 何気にジト目で見られ、あわてて言いつくろう。 「いやふーんじゃ無いって。実際にその胞子のせいで何十人もの人が倒れたんだから」 「……って、それは凄くないか!?」 「だろ。だけど、そのきのこはいっぺん食べたら病み付きになるんだと」 ようやく魔理沙が話にのってくれてほっとする。顔つきも変わり、こちらに近づいてきた。 「病み付きって。まさかマジックマッシュルームの類じゃないだろうな?」 「いや、ただただうまいだけらしい。でな、さっきの胞子の話なんだけど……」 ここでいったん溜めを作り、魔理沙の顔をじっと見た。 「ナスキノコの胞子は……」 「胞子は……?」 「吸った者の……」 「吸った者の……?」 ごくり、と喉がなる。 「吸った者の書く文に誤字を発生させるんだ!!」 どーんっ!っと。ワンピースのように。もしくはキバヤシさんのように。 勢いをつけて叫んだが、魔理沙は反応をしない。 「…………はぁ?」 「馬鹿野郎『はぁ』じゃない!誤字だぞ誤字!ひたすらに時間かけて書いた文章が誤字だらけになるんだぞ!? 恐ろしくて恐ろしくて夜も眠れないじゃないか!」 何故か呆れ顔をしてこちらを見る魔理沙。 何気に視線が『ああ、とうとうこいつの頭も霊夢以下になったか』と語っている。誰が淫乱巫女より下だって? 「……あー。ていうか質問いいか?さっき何十人もの人が倒れたって言ったけどあれはどういう事だ?」 まったく繋がらんとぶつくさつぶやく魔理沙。 「…………ふっ。そんなの簡単さ。 かつて、このナスキノコの胞子をたっぷり吸い込んでしまった人間がいてな。その人の書く文章は万人受けとまでは行かないがかなり好評だった。 そこで、その人はとある長編の文章を書く羽目になったんだが。それはそれは大変だったそうだ。 その人が一章を書き上げるごとに誤字チェックをしなくてはいけない。しかも特殊な言い回しも使う事があるのでそれで詰まる事もしばしば。 ……そして、その文章が書き終わったときには何十もの屍が出来上がってた。 ――と言うわけだ」 「はぁ……」 もう、どうでもいいですといった顔で魔理沙は聞いていた。 「もうその話はやめにしようぜ。……でだ。これからどうするんだ?」 ……その言葉を聞いて思い出す。そういえばまだ外は霧だった。 狩りに出かけられないと言う事は家にも帰れない。となれば…… 「どうするも何も、ここにいるしか無いだろ。……まさかこんな中で家に帰れとか言うつもりか?」 「まさか。どこかのメイドじゃないんだからそこまで冷酷にはなれないぜ。」 はっはっは、と笑い、もう一度こちらを向く。 「まあ、お前は獣じゃないと私は信じてるぜ。」 「冗談。誰がお前みたいなの襲うかよ。」 冗談とも本気ともつかない言葉に軽口で返す。……後々後悔するとも知らずに。 * 「何でこんな事に……」 時間は過ぎて霧雨邸の寝室。なんというかとんでもない状況だった。 まず、こちらの会話を聞いていただきたい。 『あー、ベッドは一つしかないから添い寝な?』 ぶほっ 『な、なんだってー!?』 『私はキバヤシじゃないぜ?』 『い、いや添い寝って……』 『一人だと寒くてな。まあ湯たんぽの変わりだと思えば』 『何その人権無視発言、じゃなくて。普通は男は床で……』 『床で寝られるか?こんな散らかってる場所じゃあ寝られないだろ』 『……片付けない本人が何言うか』 そんな感じで、でかいベッドに二人で寝ることに。 ちなみに決め台詞は『どうせ私を襲わないんだろ?』でした…… でも、でもですよ?いくらそうだといっても……寝れんのよ。実際。 気配がすると起きるようになってるせいか一向に眠気がやってこない。 というか、やっぱり魔理沙だって女なわけだし……そういうのはいかんと思ったりしますがどうですか!? …………っと、いかんいかん、錯乱してた。 隣では静かに寝ている魔理沙。……もうちょっと品が無いのかと思ってたけど、意外に…… 「……んにゅ~……」 あれ、体制を変えてこちらに寝返って………… え、今、もしかして、魔理沙に抱きつかれてる? 「ん~……」 顔が間近に見えるよ。……物凄く幸せそうな顔をしている。 ちょっとね、これはね。もうね、襲えと。そうとしか聞こえないでしょう。 腕を魔理沙の背中に回し……ふと気づく。 「ちっちゃいな、こいつ……」 背中に回した両手どうしが有る程度触れそうなくらいだ。 いつもの暴れっぷりからは想像もつかないくらい、魔理沙が小さく思えた。 なんとなく小さな背中を撫でてやる。……気づかないうちにもう『襲え』とかそういうものは吹き飛んでいた。 「無理してるんだな、お前……」 こんなに幼いのに、頑張っている。血を吐くような努力をしているんだ。 何故か、いつもの魔理沙とは違う本当の『きりさめまりさ』という少女に会えた気がした。 背中から手を離し、頭を撫でてやる。……こういうのを愛しいって言うんだろうな。 「お前が望むなら、いつまでもお前を守ってやりたいよ。なあ、魔理沙……」 283 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「おい、いるか?」 無遠慮に扉が開かれ、魔理沙が姿を表す 「魔理沙…ノックぐらいしろって何回言わせるんだ」 「おお? 男の癖に細かい奴だな」 どうでもいいぜ、とでも言わんばかりにずかずかと上がり込む魔理沙 「…女の癖に大雑把な奴だ」 「そんなことよりどうだ? 土産ならある」 魔理沙が差し出したのは数本の酒瓶 「気が利くな。どうせ夕飯でも集りに来たんだと思ったよ」 「酷いぜ。今日は飲みに来たんだがな」束の間の憮然とした表情 「だが、美味い飯があれば尚更酒が美味くなるってものだぜ?」 「…はいはい、そう来ると思ってたよ」 急ピッチで酒を呷る魔理沙。流石に心配になる 「おい、少し飲みすぎじゃないか」 「あー? 美味いんだから気にするな」 酔うと絡むのかと勝手に想像していたが、当の本人はにこにこと笑っている だけである。魔理沙の意外な一面を垣間見たような気がした 「なぁ……私の事……好きか?」 魔理沙は杯を置くと、頬杖を突きながら問い掛けてくる。とろんとした、どこか 眠そうな甘い声 あまりに突然な言葉に思わず酒を吹き出しそうになる 魔理沙はそんな俺を見ながら笑みを絶やさない。普段は見せない表情をとて も可愛いと思った 「お前はどうなんだ?」 「んー、私か? 勿論好きだぜ」 どくん、と心臓が高鳴るのを感じた 「…俺もだよ、魔理沙」 「んー、そっかそっか…へへっ」 魔理沙は大層ご満悦な様子で、最後の一杯を空ける 食卓の片づけが終る頃には、魔理沙はすっかり夢の世界へと入っていた 「全く…これじゃ風邪引くだろうに」 魔理沙の身体を抱える。全く起きる様子は無い 布団に寝かせ、毛布と掛け布団をそっと乗せる 「おやすみ……魔理沙」 魔理沙が小さく頷く、そんな気がした。良い夢を見ているのだろうか ならば、自分も良い夢を見ることにしよう 願わくば、可愛い少女と同じ夢を 428 ─────────────────────────────────────────────────────────── 俺「雪が降ったんだとよ」 魔理沙「ほー」 俺「珍しくもなんともねーな」 魔理沙「珍しくもなんともないぜ」 魔理沙「雪降ったんだな」 俺「ほー」 魔理沙「珍しくもなんともないな」 俺「珍しくもなんともないぜ」 魔理沙「おお、雪だ」 俺「だから外行きたいなら初めからそう言え」 魔理沙「そんな子供っぽい事言えるか」 俺「あーもー知らんぶる」 魔理沙「だから雪降ってるって」 俺「ああそうかい行けばいいんだろ行けば」 魔理沙「初めからそう言えば良かったろうに」 俺「それはお前だ」 3スレ目 42 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「待ってくれ、魔理沙!」 駄目だ、追いつけそうにない。 「駄目なら駄目と言ってくれればいいじゃないか!」 どんどん小さくなっていく魔理沙の後姿。 「頼む!答えを聞かせてくれ!」 箒に またがっているわけでもないのに 「こんな…中途半端な状態じゃ…俺…」 走り去る魔理沙は速すぎた。 「諦めも……つかないじゃないか………」 人間の出せる速さとは思えなかった。 「魔理沙ぁ!!」 そのとき魔理沙は………動きを止めた!俺は最後の力を振り絞り、魔理沙の元へ駆け寄った。 「はぁ…はぁ…」 地面にひざまずき、首を垂れる俺。激しく息切れを起こし、しばらくは立ち上がれそうもない。 なんてカッコ悪い姿だろうか。情けない。答えなんて分かってるはずなのに。わざわざ追いかける 必要なんて、なかったはずなのに……自嘲しながら、ふと地面に映る魔理沙の影に目をやれば、 魔理沙が俺に向けて手を差し出していることが分かった。 「魔理沙………」 俺は顔を上げた。 /~ ̄~⌒\ ,-_、 <. ;;i .... ( (__  ̄ノ;;;; .... `¬´ ∑>lコ<了――ヽ__ <" ̄ ̄ ̄`―――" `> ~r--;;..____,.,;t" ~ (~~~l i i (ソ)~~ ( . l ・ ・ l () ( l " l ○ l "l ;) ( . ヽ tェェェェI / ;;) ( .. ヽ ヾェェ// ;;) ヽ ; ; ; ; ;|`---"|; ; ; ; ;ノ ,ヘヾ^^^^ソノヽ i;; \r┬r‐/`ヽ, |;;; |_,|_,|_にノ γ⌒) |;;;; 人 ,.__,,,,ノ´ |;;;;;/ ´/ ( A`)? BAD END(人違いに注意しよう。正直スマンかった。) 3スレ目 289 ─────────────────────────────────────────────────────────── ……頭の中で、何度もプランを立て直す。 ――――そう、まずはできるだけ何気ない動作で挨拶だ。「こんにちは。いい天気ね」。違う違う。これじゃアリスだ。 「どこまでいくんだ。お前の足じゃこの森を抜けるまでに日が暮れるぜ」思いっきり余計なお世話だ。 箒の後ろを叩いてクールに「乗らないか」。ウホッ! いい魔法少女…………だめだ、私。今日はおかしいぜ―――― 「ああもう。なんでこんなに私が悩まなくちゃいけないんだ」 たかが、あいつ一人に声をかけようとしているだけなのに。 そう、私が上空から見ていることも知らずに、のんびりと森の中の一本道を歩いているあいつ。 今日ここを通るのは知っていた。何回も上空から確かめたからな。 どこに行くのかも知っている。あのワーハクタクのいる里に行くんだ。 だから、その………道が狭いし暗いし危ないからな。 い、一緒に行ってやってもかまわないって、思ったんだ。わ、私だって鬼じゃないから、な。 あいつが放っておいて妖怪に襲われたら、その、悲しいっていうか、寝覚めが悪いっていうか。 なにも、おかしなことじゃないのに。 どうしてこんなに、あいつに声をかけようとすると胸が苦しくなるんだろう。 本当にいつもの私、霧雨魔理沙らしくないぜ。 私に気づかないで、どんどん向こうに行ってしまうあいつ。 ええい、どうにでもなれ。私は頭の中で考えた計画なんか全部捨てて急降下した。 超低空飛行で、あいつの後ろから声をかける。 「よっ、ようっ!」 なにがようっ! だよ。少しは女の子らしく出来ないのか私は。みっともなく上ずった自分の声に、今すぐ逃げ出したくなる。 でも、あいつが振り返った。 魔理沙、と名前を呼ばれてしまった。 それだけで、胸が高鳴る。私って単純だな。 箒から降りて着地する。 「ひ、久しぶりだなっ! こっこんなところで会うなんて、あー、えーと、き、奇遇だよなっ!」 心臓がどきどきして、今まで色々考えていたことなんて全部思い出せない。 そうだね、とあいつは少し驚いた顔で、でも笑ってくれた。 その笑顔が、力になる。 「え~とだ。その……そう、どこまで行くんだ?………………あ、やっぱり…じゃなくてそうだったんだ! あのワーハクタクのいる里までかあ。初めて知ったぜ。 ………結構、遠いよな…………いや、た、大変だなーなんて思って、思っちゃって。別に、それだけ…………」 うわーうわーもう自分でも何言ってるのかわかんないぜ。 めちゃくちゃ恥ずかしくて顔が真っ赤になる。 あいつは笑顔のまま無言。くそ~、なんで私が気を回さなくちゃいけないんだよ。 「だから……だからな……別に恩を売ってるわけじゃないぜ。いらないんだったらかまわないから………ああ、たいしたことじゃない……その……そのな………」 その先が思いつかず、私は目をつぶってただ箒を突き出した。 「乗れ! 送ってやるっ!」 ……………… …………… ………… ……… …… … かっこ悪いなあ、私。どんなふうにあいつには見えているだろう。さぞかし間抜けに見えてるだろうなあ。 沈黙が怖くなって、私は恐る恐る目を開けた。 あいつの手が、箒をそっとつかんでいた。 ありがとう、と声がした。 にっこりと笑うあいつ。 その一言で、今までの緊張が全部解けたような気がした。 「いいのか…………?」 あいつはうなずいた。 やった。全然私が考えていたのとは違ったけれど、でもうまくいったんだ。 もの凄くかっこ悪いところを見せたけれど、あいつを誘えたんだ。 「よぉし、じゃあ一つ、里まで一気に送ってやるかっ!」 内心で飛び上がりたいくらいに嬉しいことを隠して、私は箒を横倒しにしてそれにまたがった。 「ほら、後ろ。………何だよ、箒に乗るのって初めてか?」 あいつはそうだとうなずいた。 「しっかりつかまれよ…………ってソコに手を入れるなぁ!…………く、くすぐったいぜ………そう、落ちたりしないから柄につかまれって………そうだ、そう」 あーびっくりした。つかまれって言ったらいきなり腋から手を回したからな。ったく、自転車の二人乗りとはわけが違うぜ。 ひたすら謝っているけど、普通以上にびっくりしたことをあいつに気づかれちゃっただろうか。 ううん、気にするな私。今は誘えたことを楽しめ。 「行くぞ、出発!」 私の掛け声と共に、箒は二人を乗せて宙に浮き上がった。 ぐんぐんと高度を上げてから、次いで一直線に猛スピードですっ飛ばす。 私は、あいつの気配を背中に感じられるのが嬉しくて、いつもよりもさらに速く里までの空を飛ばしていった。 …………里についてから、あまりのスピードで箒から降りたあいつが腰を抜かしていたのは、また別の話だぜ。 女の子な魔理沙がメイン。相手に一切しゃべらせませんでした。 霊夢にだって置き換え可能を目指して。霊夢は飛べるけどね。 3スレ目 309-310 ─────────────────────────────────────────────────────────── 魔理沙は自分から恋するタイプである事に賛成。 「はっはー、突然ぎょうぎょうしく何の話かと思えば。 要はするにあれだ、とどのつまりこれからもよろしくなって事だろ? ああ、もちろんこっちからもよろしく・・・・・・だぜ!」 なーんてちょっと照れながらニカっと笑ってくれるのが俺の理想魔砲使い。 3スレ目 311 ─────────────────────────────────────────────────────────── 319 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/23(月) 23 46 31 [ FX31OM5U ] デフォルトでそうだとは知らなかった俺を笑ってくれorz あと恋夜抄とは、我らが黒ストの神である偽狼さんがクーリエで描いた絵のこと。 ttp //coolier.sytes.net 8080/oekaki_03/data/kaei_003275.png 魔理沙(黒スト着用済み。スカートをたくし上げてみせて) 「ほら、ほら。なんか私っていつもと違わないか?違うだろ?……え、どこがだって?………鈍いぜ、お前」 320 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/24(火) 01 02 28 [ 4SPonXH2 ] >たくし上げて > た く し 上 げ て > た く し 上 げ て ヽ(*´д`)ノ 3スレ目 319-320 ─────────────────────────────────────────────────────────── 377 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/12(日) 21 18 06 [ XhkQP0H2 ] 魔理沙のふあふあの頭をなでなでしてやりたい。 そんで照れた魔理沙に「………バカ」って言われたい。 378 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/12(日) 21 42 09 [ noOTZ5wg ] ふあふあ 「……おい」 「んー」 ふあふあ 「おいってば」 「んー」 ふあふあ 「鬱陶しいからやめてくれ」 「んー」 ふあふあ 「はあ……好きにしろ」 「んー」 ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ ゴメン 照れさせることも出来なかったし「……バカ」も言わせられなかった 379 名前: 魔理沙可愛いよ魔理沙 投稿日: 2006/02/13(月) 06 45 39 [ OFUdhxOk ] 寒い。暖房じゃ全然足りん。レティ頑張りすぎだろ。仕方ない、こんな時は…… ――おーい、魔理沙ー。ちょっとこっち来てくれ。 「んー? ってうわっ!」 呼ばれてやってきた魔理沙を、正面からギュッと抱きしめる。あー、あったけー。 「な、なんだ? どうした!? 頭でも打ったのか!?」 ――いや、寒くってさ。 「……お前は寒かったら誰彼構わずいきなり抱きしめるのか?」 ――いや、魔理沙だけ。魔理沙かーいいし、あったかいし、やーらかいし、いーにおいだし。 「~~~っ!?」 バフ、という効果音と共に、魔理沙の顔がトマトばりに赤くなった。 魔理沙は直球に弱い。 しかも紙装甲。それこそパラメーターを全部攻撃に回してるんじゃないか、と思わせるくらい。 そんな内面は誰より乙女な彼女の頭を優しく撫でる。 「んうっ」、っとくすぐったそうに目を細める魔理沙が可愛くて、ついつい撫で続けてしまう。 ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ 「くすぐったい」 ――俺は気持ちいい。魔理沙は? ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ 「くすぐったい」 ――俺は気持ちいい。魔理沙は? ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ 「くすぐったい」 ――俺は気持ちいい。魔理沙は? ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ 「……分かった。正直に言う。私も気持ちいい。けどいくらなんでも恥ずかしい。放してくれ」 ――知ってる。けど断る。それに、ほんとに嫌なら振りほどけばいいだろ? そんなに強く抱きしめてるわけでもないし。 「……バカ」 掻き消えそうな声で呟いた後、魔理沙は俯いてしまった。 暖炉のパチパチという音をBGMに、まったりとした空気が流れる。もう暫くこうしていよう…… 3スレ目 377-379 ─────────────────────────────────────────────────────────── 魔理沙が家にやってきた。 「寄らせてもらったぜ。………今、暇か?」 ⇒はい いいえ 「そうか。………実は、恥ずかしいけどちょっと魔法の実験で行き詰ってるんだ。この魔法、結構難しいんだぜ。 いろいろ必要なものがあるんだ。吸血鬼の血に、幽霊の髪の毛。それに兎の後ろ足とか、いろいろ。 それでな、仕上げに……き、キスが必要なんだ。これがないと、魔法が完成しないんだぜ。 別に嫌だったら帰るから。私だって、お前とならキスくらいいいかなーって思ったりして。どうなんだよ。協力……してくれる?」 ⇒1 よし、ひとつ協力してやるよ 2 そんなこと言わなくても、キスならいつだってかまわないさ 3 君には霖之助がいるじゃないか。彼に頼んだら? 終わってから顔を赤くして…… 「舌まで入れてくれなんて、頼んでないぜ……」 魔理沙の言っている魔法については、たぶんでたらめってことで。 相手が霊夢だと想像してもそれはそれで。 3スレ目 472 ─────────────────────────────────────────────────────────── 今回は魔理沙×自分。妄想だけを頼りに頑張ってみた。 643で書いたものより短いのは気の所為。 照れる魔理沙はとても可愛い、とか言ってみるテスト。 ----------------------------------------------------------------------------------------- 月に照らされた夜の森に、二つの足音が響いている。 「なぁ、魔理沙」 一つは青年…俺のもの。 「あー、どうした」 もう一つは少女のものだ。 「なぁ、このキノコ何に使うんだ?」 「あー、魔法」 俺の手の中には籠。その中にはいくつかのキノコが入っている。 「魔法…って、どんな?」 「魔法薬だ。効果は…お前に飲ませれば解る」 「訳の判らんモノを俺に飲ませないでくれ…」 冗談を交わしながら二人は歩く。行く先は魔理沙の家だ。 「そういえば、なんで今日は一緒に来たんだ?いつもは家で実験してるだろ」 「…それ…は…その…」 「?」 魔理沙は顔を背けて、蚊の鳴くような声で言った。 「たまには…その…○○と……いっしょ…に……」 「…?」 「いっしょに…あるい…て…?うあぁ?!」 べっちーん。 突然、魔理沙が転んだ。それはもう盛大に。 「ま、魔理沙っ!大丈夫か?」 「い、いててててて…脚を…挫いたみたい…だ」 「歩けるか?」 「こ、この程度…痛っ!!」 「お、おい無理するな」 どうやら、脚を痛めたようだ。 ここから魔理沙の家までまだ距離がある。歩くのは無理だろう。 そうすると、アレしかない。 嫌ではない。むしろ色々と嬉しいのだが…とても恥ずかしい。 …この場合は仕方ないだろう。 俺は魔理沙に背を向けてしゃがみこむ。 「……?」 「その…掴まれよ。背負ってやる」 魔理沙の顔が赤くなる。 その表情が、とても可愛らしく思えた。 少しの間。 「…いい…の…?」 申し訳なさそうな顔で訊いてくる。 「お前歩けないだろ。いいから」 「…うん、ありがとう…」 そういって、少し躊躇しながら、肩に手を回す。 それを確認して、俺は立ち上がった。 「よ…っと」 …軽い。こんなにも軽いとは予想外だ。 「重い」 それが精一杯の照れ隠しだった。 「…ドラゴンメテ…」 「悪い、冗談だ。すまん」 魔理沙の脚を抱えて、ゆっくりと歩き出す。 肩に回された腕は、白くてか細い。 背中には、魔理沙の胸のふくらみまでもが感じられる。 後ろから、小さく細い息が聞こえてくる。 正直、とてもドキドキしていた。 「…○○の背中…意外と広いんだな…」 「…魔理沙も…結構…小さいな…」 「……////」 「……////」 照れくさくて、お互い何も言えなくなる。 ただ、魔理沙の身体の温もりを感じていたくて。 ゆっくりと、ゆっくりと、歩いていく。 -------------------------------------------------------------------------------------- 二人は魔理沙の家に到着した。 「よっと」 魔理沙を背中から下ろす。 「あ、ありがとう。…助かった」 少し俯きながら、真っ赤な顔をした魔理沙は言った。 …なんて可愛いのだろう。 「…そうだ○○、なにか礼をしないとな。なにか欲しいものとか、あるか?」 その問いに、俺はこう答えた。 「俺は…俺は、魔理沙に一緒に居て欲しい」 「…ぇ」 魔理沙が驚きに目を見開く。 その綺麗な琥珀色の瞳を見つめながら、さらに言った。 「俺は、…魔理沙が好きだから」 自分でも驚くほど、自然に告白していた。 魔理沙は、まだ驚きに硬直している。 …魔理沙は俺のことをどう思ってるんだろう。 それを訊ねようとした時だった。 魔理沙の顔が突然に迫ってきて… それを判断するより早く、唇と唇が触れた。 「んッ…」 俺は、何も考えられなかった。頭が真っ白になっていた。 …魔理沙が、唇を離すまでに、どれだけの時間がたったのかは判らない。 先に口を開いたのは、魔理沙だった。 「その…これは………お礼、だ…」 魔理沙は言葉を続けた。 「私も…○○が…」 一呼吸の間。 「○○が、好きだから。…だから、これからも…」 … 「これからも、よろしく…な」 嬉しかった。 何を考えるよりも早く、俺は魔理沙を抱きしめた。 「…魔理沙、大好きだ」 「うん。…嬉しい」 そのまま俺たちは、しばらく抱き合っていた。 「…今日はすっかり遅くなったな、○○」 「ああ…もう真夜中だ」 「…その…夜雀なんかに襲われると危ないから…その…」 「…?」 「…今日は、私の家に…泊まったら…どうだ…?」 -------------------------------------------------------------------------------------- 幻想郷の夜が明ける。 妖怪の時間は終わり、人間が目を覚ます。 朝日の届かない薄暗い森を、二つの人影が横切る。 俺と魔理沙は手をつないで。 昨日、道端に置き忘れたキノコを取りに。 二人で、歩いてゆく。 --------------------------------------------------------------------------------------- あとがきという名の弁解。 えーSS書くのは二回目だったりした。 相変わらず文章が異常。今は反省している。 それ以前に魔理沙の性格が安定していない罠。 3スレ目 651(うpろだ0003) ─────────────────────────────────────────────────────────── 「師匠……」 「ん、何だ?」 「好きですよ」 「そういうことは、私の符を避けてから言うもんだぜ」 ………… …… 「なあ」 「何ですか?」 「腹減ったから、何か軽く作ってくれ」 「なら、煎餅でいいですね」 ………… ぱりぱり…… 「なあ○○」 「おかわりはありませんよ」 「たまには『魔理沙』って呼んでくれないか?」 「恥ずかしいから嫌です」 ぱりぱり………… ずずず………… 「まあ、何だ。その……嫌いじゃないからな。お前のことも」 「だから煎餅は切らしてますって」 「じゃあ茶のおかわりをくれ」 「いつもの出枯らしでよければ」 ずずず…… ずずず…… 「いいですけどね、二人っきりなら別に」 「煎餅か?」 「焼きませんよ、魔理沙」 ………… …… 「なあもう一回」 「やっぱり恥ずかしいから止めときます」 「いいだろ別に、減るもんじゃないし」 「減らなくても大事にするのが節約です」 3スレ目 782 ─────────────────────────────────────────────────────────── 手作り弁当 ~制作編~ 21 00 「さて、張り切って作るとするか…」 22 00 「なかなか味が安定しないな…。これではとても食べさせる訳にはいかないぜ……」 23 00 「しまった!試作で材料を使い切ってしまった!紅魔館の食料庫から拝借するか……」 24 00 「ぐぁ……。また味付けが濃くなってしまった……。このレシピ本当に合っているのか?」 25 00 「なんとなく形が見えて来たか…。手製の弁当というのも奥が深いものだな……」 26 00 「よし、明日の弁当はこれで決定だな。まずは仕込みからだ……」 27 00 「……はっ!?意識が飛んでいたな……」 28 00 「……完成……もうすぐ夜明けか……もう寝よう…おやすm……zzzzz」 12 34 「うぉっ!すげー!この弁当マジで魔理沙の手作りなのか!?」 「コレくらい朝飯前だ。無駄口叩いてないで、さっさと食べたらどうだ?」 「……!?こ、これはっ!?うひはぁーーっ!!超うっめーーー!すげー!神様仏様魔理沙様ありがとーーう!!」 「当たり前だ。恐れ入ったか?私の料理の腕をナメてもらっては困る。……明日も作ってやらない事もないぞ?」 負けず嫌いの魔理沙なら、これくらいはやってそうだ… 3スレ目 961 ─────────────────────────────────────────────────────────── 季節はもう梅雨なのか、外は窓をすべて閉め切ってもわかるほどの土砂降り。 既に効果音がザーザーとかではなく、ドドドドドドな感じだ。 そんなことと関係あるのか無いのか、俺は玄関先にいて、目の前には全身びしょ濡れの魔理沙。 「よぉ魔理沙。どうしたよ」 「あー……まぁ何だ。恒例の図書館突撃をしたんだがな?その帰りにこう……あー見ればわかるだろ!朝は快晴だったのに帰りにどしゃぶりとかわかるか!」 湿った金髪を手でかきながら言う。 「説明をしようとしたはいいけどいろいろ面倒くさくなって打ち切った上に逆切れとは流石魔理沙だな」 「……それは褒めてるのか?それとも貶してるのか?間違いなく後者だよな?今更訂正は聞かんからな?オーケー其処を動くなよ?」 腰を低く据え、構えるはかめh……マスタースパークの姿勢。 目がマジです目が。本気と書いてマジと読む。 「今の私は相当に機嫌が悪いからなぁ……覚悟しろな?」 「いやいや魔理沙?ここでぶっ放したら家が吹きと―――」 「問答無用だ!マスタァァァァスパアアァ―――」 「ぎゃああぁああ!」 「……くしゅ!」 ん? 「この……くしゅ!動く……くしゅ!マス……くしゅ!」 えーとこれは…… 「……魔理沙、大丈夫か?」 聞くまでもない気がしたが聞く。 そりゃあ全身びしょ濡れで長い間いたらこうなるわなぁ…… だと言うのに 「こ、このぐらいダイジョ……くしゅ!」 あーあー意地張ってるのか知らんが強がってまぁ…… ガジガジと頭をかいて溜息を一つ。 当たり前のことを言うつもりなのに覚悟がいるのは何でだろうね? 「あーもう無理すんなよ。風邪引くだろうがそれじゃぁ。風呂でも入ってけ」 「あ、ああ。ま、まぁ最初からそのつもりだったんだけどな」 はははははと空笑い。 と、顔が少し赤い。 「オマエもう風邪引いてるんじゃないだろうな?」 「……へ?何でだ?」 「いやだって顔が―――」 とペタペタと顔を触り、ピタっと硬直するは魔理沙。 「……魔理沙?」 「な、なんでもない!なぁんでもない!」 顔やら手やらをブンブン振り回して極大否定。 さらに顔が赤くなってるのは気の所為かね? 「と、兎に角風邪はまだ引いてないか……くしゅ!」 「あー……なんでもいいから先に風呂入れ」 「ん……そうする……」 さて、と言うわけで今魔理沙がうちの風呂に入っているわけだが →A.魔理沙と一緒に風呂に入る B.おとなしく出てくるのを待つ C.せっかくだから俺はこの紅い扉を選ぶぜ! とりあえずネチョは無いでしょ多分w 備考:とりあえず 全 部 だ 4スレ目 70 ─────────────────────────────────────────────────────────── 親父が旅先からいきなり荷物を送ってきた 八卦路といってこの中は常に燃えてるそうだ 俺は興味本位で穴を覗き込んだ そしたらいきなり八卦炉が光り出し中から金髪の少女が現れたのだ! 「よう、お前が私の新しい主って奴か。冴えないさそうな奴だな しかし呼び出された以上は仕方ない。派手に守ってやるからよろしく頼むぜ」 ,j;;;;;j,. ---一、 ` ―--‐、_ l;;;;;; {;;;;;;ゝ T辷iフ i f 辷jァ !i;;;;; ヾ;;;ハ ノ . !lリ;;r゙ そんなふうなことを考えていた時期が `Z;i 〈.,_..,. ノ;;;;;;;; 俺にもありました ,;ぇハ、 、_,.ー-、_ ,. ,f゙ Y;;f ~ 戈ヽ `二´ r ´ . `! 4スレ目 166 ─────────────────────────────────────────────────────────── 香霖堂にて 店内には、すでに先客がいた。 「お、いいところに来たな、お二人さん」 魔理沙が早速話しかけてくる。 この娘はいつも、どこか少年のような笑みを浮かべている。 「いいこと、ね。日をあらためて出直すわ」 そう言うや否や、急いで帰ろうとしているのが咲夜。 店に来る途中で偶然一緒になったのだ。 「ちょ、おい待てって。宴会だよ宴会」 あわてて引き止める魔理沙を無視して歩き出す咲夜。 ああ、さすがに踏んでる修羅場の数が違う。 少しでも疑わしいものは決して信用しない。 随分と言えば随分な対応だが、魔理沙の場合にはこれもやむを得ぬ事かもしれない。 彼女が如何に迷惑な人間かは幻想郷でも有名だ。 だが、それでもこれはやりすぎだろう。 「まぁ、話しぐらい聞いていこうよ。それに、ここに買出しに来るために午前中急いで仕事したんだろ?」 僕が魔理沙の援護に回ると、ようやく立ち止まってこちらを振り返り、肩をすくめる。 話しを続けろということらしい。 僕と魔理沙がなんとなく目を合わせてため息をついていると、それまで会話に入ってこなかった霊夢が。 「人徳ね、魔理沙?」 くすくすと笑いながら茶化す。 魔理沙が少しふてくされながら説明してくれたことをまとめると、大体このようなところになる。 三日後の晩に博麗神社で宴会を行う。正確な時間は決めていないが日が暮れるところには飲み始める。酒とつまみは持参。 「って、それだけ?」 思わず声を上げてしまった僕をみんなが不思議そうな顔で眺めてくる。 「それ以外に何か必要なことがあるのかしら?」 真顔でそう返してくる咲夜の言葉を受け、先ほどの魔理沙の説明を吟味してみる。 会場の位置、日程、そして持参品。 一見問題がなさそうだが、やはりどこか変だ。でも、ここでそんなことにこだわっても仕方がない。 「いや、特には見当たらない」 そういった僕のどこがおかしかったのか。 その場にいた三人の少女達が一斉に笑い始める。 幻想に生きる連中に笑われるなんてなんとも心外なことだと思いながらも、そう悪い気はしなかった。 「それにしても」 ひとしきり笑った後、霊夢が話しを変えるように言う。 「こうも宴会が続くと、色々と大変なのよね」 実際、苦労しているのだろう。博麗神社は彼女一人でもっているようなものなのだから。 普段から一人で管理しなければならない上、何かあるたびに集合場所にされるのだ。 気がつくとこう言っていた。 「じゃあ、手伝うよ。準備とか、片付けとか」 幽霊でも見たような顔をしている霊夢の顔を見て、少しくじけそうになりながらも念を押す。 「いいだろう?」 「それは、そうしてくれれば、嬉しいけど……」 りんごみたいに真っ赤になった霊夢が何事かをぶつぶつ言っていると、それにかぶせる様に咲夜が。 「なら私のほうも手伝ってもらえないかしら。宴会に持っていく料理の下ごしらえを前の晩のうちに済ませておきたいの」 と言ってきた。 普段人に頼ることをしない彼女の申し出には多少驚いたが、快く承諾した。 鬼の形相の霊夢と彼女をあからさまに馬鹿にした表情で鼻を鳴らす咲夜の対決は、確かに見ものではあった。 しかし、そのときの僕は浮かない顔をして脇に立っている魔理沙のことが気になっていた。 「もう日暮れか。こっちに着てからは時間のたつのが速いや」 結局、あの後も店の奥から出てきた主人、こーりんを交えて散々無駄話をしてしまい、用事を済ませて店を出るころには日が沈みかけていた。 目の前にいる少女を見つめる。彼女は僕の視線に気づくこともなく、下を向いて空を飛んでいる。 元気がない。普段の彼女からは想像もつかない姿だった。 いつもなら気分を高揚させる真っ赤な夕焼けも、彼女につられたのか、どこかさびしげな光を放っている。 いきおい、僕の口数も減り、想念の中へ自己が埋没していく。 嫌われてしまったのかもしれない。 ふとそんな想像が脳裏をよぎり、思わず唇をかむ。 きっとそうだ。何がまずかったのだろう。 彼女の腰に手を回していることか。でも、そうしていないと箒に振り落とされるだろうし、やっぱり仕方ない。 「あのさ」 宙を舞う箒の上で手を離すことと、自転車に乗ったままそうすることのどちらがより危険かを真剣に考えていた僕に、魔理沙はこのように切り出した。 「ナニ?」 最悪。声が変だ。思わず頭を抱え込む僕を無視して、彼女は続ける。 「私も、頼みごとをしていいか?」 「……うん?」 「明日さ。宴会の事をあっちこっちに知らせに行くんだけど、つきあってくれないか?」 「いいよ」 即答。 当然のことだ。僕が彼女の頼みを断るはずがない。 何故なら…… 「お前ってさ」 再度物思いに沈みかけた僕を、魔理沙は速やかに現へと引き上げた。 僕の返事を待つこともなく、彼女は続ける。 「好きなやつとか、いるのか?」 頼みごとでもなんでもなかった。 いや、その話題はさっきのやり取りで終了していたのだろう。 それにしても。 「君がそれを言うのかよ」 「え?」 「や、なんでもない。好きな人なんかいない」 胸がズキズキと痛む。 ここまであからさまな嘘を吐くのはこっちに来てからは初めてだ。 何でこんな思いをしなきゃいけないんだろう。 伝えたい想い。伝えたい言葉があるのだ。 それを、今にも溢れそうなそれを彼女に告げてはいけないのだろうか? その通り。それはいけないことだ。 なぜなら、四日後の朝、僕はここを去るのだから。 今度宴会をやるのも、つまりはそういうこと。 いままでありがとう。それではさようなら。 僕のうちにつくまで沈黙は続いた。 日が暮れたせいで、別れるときも彼女の表情を確かめることはできなかった。 家に送ってもらうと、僕は食事もとらずに床についてしまった。 かたく湿った布団に包まれながら、今日起きたことをつらつらと思い出す。 香霖堂での会話。宴会。元気のなかった魔理沙。帰り道。それと…… そう、確かに覚えたはずの違和感。あの時みんなに笑われたのは心外だった。結局考えるのを諦めたんだっけ。 でも、もうその正体はつかめている。 会場の位置、日程、そして持参品。 僕はこれらの要素だけでは足らない。不足であると感じていたのだ。 何が足りないのか。 それは「誰が来るのか」だ。 幻想郷に来る前に参加した、あらゆる飲み会を思い出す。 そこで最も大事なのは、果たして自分が誰と飲むことになるのかということだった。 大嫌いな奴と隣り合わせて、終始不快な気持ちで過ごすことになったり、あまり親しくないグループの二次会に混ざってしまい、気まずい思いをする。 このようなことを避けるため、事前に参加者を調べることは大変重要なことだった。 でも、と、そこで僕ははたと気づく。 何でこんな大事なことを忘れていたのだろう。 いや、大事なこと、というのがすでにおかしいのかもしれない。 最初に違和感を持ったとき、僕はそれをどう処理したか。 「そんなことにこだわっても仕方がない」 なぜそんな風に考えたのか。 そこで、今はまったく関係のない約束が、突然脳裏をよぎった。 「明日さ。宴会の事をあっちこっちに知らせに行くんだけど、つきあってくれないか?」 こちらに来てから何度か宴会に参加したことがあったが、そのたびに魔理沙が直接参加の約束を取り付けに行くことを、僕は知っていた。 大変ではないのか。そう尋ねたこともあった。 そのとき彼女はこう答えたのだったっけ。 「そうでもないぜ。二、三人に声かけたら、後はそいつらに任せてるし」 呆れた顔をしている僕を見て、にやりと笑い、彼女はこう続けたのだ。 「ここじゃ、知らない奴が混じってても誰も気にしないぜ?」 気がつくと布団を跳ね上げていた。 どうしたというのだろう。 自分の行動が理解できずに戸惑う。 そして、そうやって悩んでいる間にも、自分の下半身が小刻みに震えていることに気がついた。 貧乏ゆすり。 小さい頃。親にみっともないからやめろとよく叱られた癖。 でも、それをなぜ、他ならぬ今この時にしているのか。 これでは、まるで…… 「まるで、焦っているみたいだ」 焦っている? 自分の考えの突飛さに笑う。 僕に焦ってまでやるようなどんなことがあるだろう。 いや、一つあるとするならば。 「お前ってさ」 「好きなやつとか、いるのか?」 限界だった。 「くっ」 布団の上でうつ伏せになって震える。 僕は魔理沙が好き。 はっきりと言葉に出してみようと思ったが、口から出るのは獣のようなうめき声だけだった。 今からでも彼女の家に押しかけて、言ってやりたいのだ。 君が好きだ、と。 でも、それは叶わない。 僕はもうすぐここを去る人間なのだから。 いや、それは後付けの理由。 本当は、本当は単に拒絶されることが怖いだけなのだ。 ここに来る前からそうだった。 根拠のない疎外感。 人付き合いの苦手な僕は、幼い頃からそれを味わって生きてきた。 そして、今もそれを実感している。 だというのに。 「ここじゃ、知らない奴が混じってても誰も気にしないぜ?」 他人が怖くて仕方がないのに。 「幻想郷はすべてを受け入れる」 とうして。今も心の底に張り付いて離れない言葉。湧き出ては枯れぬ信頼があるのだ。 昼に気づいた違和感。 なぜそれをすぐ棚上げしてしまったのか。 今ならよくわかる。 どうでもよかったのだ。 だってここはすべてのものを受け入れる場所なのだから。 そして、それにすぐ頭が回らなかったのは、きっと。 僕が、すっかりここの住人になっていたから。 黙ったまま立ち上がる。 このまま森を抜けて魔理沙の家まで歩いていくつもりだった。 夜更けの森を歩くことの危険は熟知していた。 でも、そんなことは少しも気にならなかった。 だって、やりたいことがあるのにそれをやらないなんて、おかしいから。 「そうだろ? 魔理沙」 唇の端がつり上がるのがわかり、それがまた愉快だった。 さぁ、行こう。 問題はまだ山積みで、いつ解決するのかも知れなかった。 けれど、今の自分を遮るものなんて何もない。 それだけはわかった。 なぜなら、僕はいま、こんなにも魔理沙に会いたいのだから。 人が本気で何かを望んだとき、達成できないことなどないのだ。 「僕が会いに行ったら、魔理沙はどんな顔をするだろう」 想像するだけでも楽しくなってくる。 きっと彼女らしい豪快な驚き方をするのだろう。 でも、それだけでは終わらない。 おそらく、今夜は特別な夜になる。 幻想郷中に響くくらい大きな声でこう言ってやるのだ。 「僕は、魔理沙が好きだ」 4スレ目 231 238 269-270 ─────────────────────────────────────────────────────────── 初書き、初投稿。文章削り能力がないので無駄に長いです。 あといろいろと「密度」が足りてないと思います。ですので最初に謝ります。ごめんなさい。 ・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・ 人間にとっていつ危険に遭遇するか分からない幻想郷において、読書に没頭できる静かな場所があることは非常にありがたい。 「いよーーう香霖! 遊びに来たぜーー!!」 ・・・たとえ容易に破られる静寂であったとしても。 「いらっしゃ・・・なんだまた魔理沙か」 「なんだまた○○か」 「そこ、真似をしない」 「お約束の挨拶だぜ。香霖はどうした?」 「奥でお休み、誰かさんの無茶な注文のおかげでね」 調整の仕上がった八卦炉をぞんざいに魔理沙に投げつける。 「っと、悪いな」 「悪いと思うならツケくらい払ったらどう? 森近さん徹夜で調整してたみたいだし」 聞きいれられることはないとは思うが、それでも言わなくてはならない。 がやはり聞いていない魔理沙はいそいそと八卦炉をしまう。 ・・・胸元へ。 「あの~、魔理沙さん?」 「ん、なんだ?」 「少なくとも男の目がある場所ではそんなところへ堂々としまわない方がいいと思いますが」 「はっはっはー、私と○○の仲じゃないか」 「はぁ・・・」 「やれやれ、森近さんも無茶な仕事は断ればいいのに。やっぱり魔理沙のことが好きなんだろうねぇ」 「そりゃ、な。○○が知り合う前からの深ーい付き合いがあるんだぜ」 「ふーん。で、そういう魔理沙はどうなん? 森近さんのことが好きなわけ?」 「嫌いだったらこうして調整を頼みに来るわけがない」 「いやいや、一人の男性として好きかどうか聞いているのだよ、魔理沙君」 「うるさいな! そう言う○○こそどうなんだ!」 何故か不機嫌な顔で魔理沙が詰め寄ってくる。 って、ちょっと距離が近すぎるんですけど・・・ 「え、あ、どういうこと?」 「お前こそ誰か好きなやつがいるんじゃないかってことだ!」 さらに詰め寄られ。 怒った魔理沙の顔のアップとなんともいえない柔らかい匂いが鼻をくすぐり。 自分の顔が急速に赤くなっていくのが分かる。 「え、いや、あの、その・・・」 しどろもどろになる自分を見て余裕を取り戻したのか、嫌なにやにや笑いをうかべる魔法使いが一人。 「どうした? この魔理沙さんに正直に話してみ?」 形勢は完全に逆転された。至急この状況を打開する策を立てよ。 「う、うるさい! 先に聞いたのはこっちだ! 恋の魔砲使いのくせに自分が好きなやつも分からないのかよ!」 思わず目をつぶって叫んでしまう。 下の下。⑨。総員対ショック体勢、更なる衝撃に備えよ。 ・・・あれ? さらに突っ込まれると思ったのに、目を開けると魔理沙の帽子、髪、背中。 「あ、あの、ごめん・・・」 「確かに香霖は好きだぜ・・・世話になってるしな。 けど、○○のことも、その、悪くはないと思っている」 え、なんでこうなってるの? 「え、それってどういう・・・」 「ああはっきり言ってやる! ○○! 私はお前が好きだ! さぁ言ったぜ! 次はお前の番だ! お前は私が好きなのか、答えろ!」 そう言って振り向いた魔理沙の顔は心なしか赤く、目も潤んでいるように見える。 まずい、非常にまずい。 パニックになるな落ち着けいやまあ確かに魔理沙かわいいよ魔理沙けどど ちらかというと気軽に言葉をぶつけ合えられる性別とは関係のない友達と 言うかってこういう状況はまったく考えてなかったしいやでもどうみて も美少女で胸はほどよく控えめでお前これ以上何を求めるというんだと えー恋愛ってのはお互いの気持ちが重なって初めて成り立つんじゃないのかと だまれ小僧女性に告白させておいて断って恥かかすなんでお前それでも男かうわ なにをするやめr ええええええええええええええええええい、考えるのやめ! 今の気持ちを率直に、だ! 「霧雨 魔理沙!」 前への決意 手を彼女の肩に置き 「ごめん!」 言わせた懺悔 その体を自分の方に引き寄せ 「好きさ、大好きだ!」 呪縛の言葉 できるだけ強く、それでいて潰れないように、私は魔理沙を抱きしめた。 パシャッ ぱしゃ? 開け放しの入り口の方から聞こえたような・・・まさか。 ジャーン!ジャーン!ジャーン! 「スクープあるところ天狗あり! ペンは弾幕より強し! 曲解、捏造思いのまま! 記事の内容こそ事実! 真実の綴り手、最速の新聞記者、射命丸 文 参上です!」 げえっ、射命丸! 思わず魔理沙を突き放す。 「おっと、酷いぜ」 射命丸の横に並ぶ形になった魔理沙だが・・・待てなんだそのにやにや笑いは。 「ここで種明かしです。今度の特集『一目瞭然! 幻想郷恋愛相関図(仮)』の取材に魔理沙さんを訪ねたのですが」 「そんなこと答えるわけ無いだろ」 「しかし半数以上の方への取材は終わっているので、そう易々と引き下がるわけにはいきません。 そこで交換条件を出しました」 「それが○○の好きな相手を聞き出すってことだ。悪いな」 「そういうことです。しかし予想以上の収穫でした、さすが魔理沙さんですね」 の・・・逃れなくては・・・ く くそ! 今はとりあえずなんとかして逃れなくてはッ! なんとかして二人をだしぬく方法を考えなくては・・・! 「それでは、次の取材に行きますね。ご協力ありがとうございました!」 「おう、またな」 まずい、射命丸に行かれてはおしまいだ! ゲームオーバー、ダス・エンデ。 「・・・・・・むむむ」 「何がむむむだ!」 振りに対して即座に反応するのはもはや新聞記者としての本能か。 しかし、ひとまず足止めはできた。 あとは・・・ 「・・・見事だ、実に見事だよ射命丸君! 一度に二人分の取材を終わらせるとはな!」 なるようになれ! 「魔理沙。お前さんは騙されてるぞ。あれだけはっきりとした証拠写真があれば魔理沙だって言い逃れはできない」 「甘いぜ。そこはしっかりと淑女協定を結んであるところだしな」 「そうです、約束は守りますよ」 「・・・一応確認しておくけど、その約束は『取材に協力したら魔理沙は答えなくてもいい』ってものじゃないのか?」 「ああ、そうだ・・・ぜ?」 ・・・・・・・・・ 「つ、次の方との約束の時間が迫ってますのでそそそろそろ失礼します!」 「魔理沙! 逃がすな!」 「おう! マスタァァァーーー」 げ。 「そ、それは止めろ、止めるんだ」 「スパーーーーーーーーーーーク!!!」 ここは店内だーーー!! 「ケホッ、ケホッゲホケホッ」 「ケホッ・・・○○・・・掃ケホケホッ・・・除してるのかよ・・・ケホ」 そういう問題じゃないだろ、と言い返す気力も無い。 膨大なエネルギーの余波で舞い込む突風、好き勝手に飛び回る埃、木片、土煙。 店内の品はどのくらいが無事だろうか。 無理矢理に顔を上げ細目を開けると、原形の一部すら留めていない入り口と抉られた森の木々。 そして星の大きさになったマスタースパーク、と恐らくは新聞記者。南無。 「生きてるか? ほら、これを鼻にあてときな」 手渡されたハンカチを大人しく顔に当てる。 さっきも感じた柔らかい匂いが鼻に刺激され、思わず大きく息を吸い込み、 「げほげほげほっげほぁ!」 盛大に咳き込む。乾いたハンカチでは細かい塵を防ぐことはできないようだ。 「何やってるんだ、外に脱出するぜ」 そう言う魔理沙に手を取られ、何とか外へ出る。 しかしなぜ魔理沙は平気なんだろう? そう思って顔を上げると八卦炉を顔に当てている魔理沙が見える。 自分の顔の周りだけ綺麗な空気を作ってるのかよ、きたねー。 しかし。 「・・・・・・・・・くっ」 「おい、○○、大丈夫か?」 思わず屈みこむが、視界には覗き込む魔理沙の顔。 「・・・・・・・・・・・・ぅぷっ・・・」 「○○、しっかりしろ! 傷は浅いぞ!」 やめろ、そんな真剣な顔をするな。 駄目だ。 「・・・・・・・・ゎあはっははははははもう我慢できないっなんだよその顔ははっは!」 「・・・っ!」 緊張を強いられてきたせいか、どうでもいい事で笑えてくる。 「人の顔を見て笑うとは随分失礼なやつになったもんだな」 「ははっはっ・・・いやだって・・・クク・・それおかしっぷははっ!」 笑えば笑うほど魔理沙の表情が硬くなっていくのが分かる。 「それ以上笑うとノンディレクショナルレーザーだぜ?」 「・・・ごめっ・・・うひっっとめようとして・・っ・・・・もとまらなひっ・・・いひっ・・・ひっく・・・」 しかし笑いの発作は止まらない。 涙で視界が歪む。魔理沙は今どんな顔をしているのだろう。 「お前こそ、鼻水までたらして・・・っ・・・ひどい顔だぜっははは!」 笑い出した。笑いは伝染するのだろう。多分、きっと。 静かなようで賑やかな森の中、仰向けに寝転がる二人。 「なぁ○○」 「ん?」 「さっきの告白は本気か?」 「そう言う魔理沙は?」 「今度は私が先だぜ」 「ん~・・・秘密」 「なら私も秘密だぜ」 ・・・・・・ 「魔理沙」 そう言って体を起こし、 「ん?」 私は魔理沙の顔を覗き込む。 「たまには秘密を共有してもいいと思わない?」 「・・・そうだな」 終わりよければすべてよし。 過程や方法なぞ、どうでもよいのだ。 4スレ目 352-354 ─────────────────────────────────────────────────────────── 七月七日、七夕当日。 星を見ながら寛ぐ予定だった丘に着いたはいいのだが。 「…やれやれ、分厚い雲だな…。 どうする、魔理沙。折角用意した竹と飾り、無駄になりそうだが。」 「ん?無駄にするわけ無いじゃないか。」 「まぁ、そうだな。曇り空だが雰囲気だけでも…」 「なに言ってるんだ?ほら、乗れ乗れ。」 疑問符を浮かべる俺を無視して、 指さすのは二人乗り用と言っていたデカい箒。 「…雲の上まで飛んで行く気か?」 「それもいいんだが、それじゃ私ら位しか楽しめないしな。 たまにはパーっと行くのも悪くは無いだろ。」 「???」 俺には彼女の真意がよく分からなかったが、 逆らってもいいことは無いと言うことだけは分かっている。 と言うわけで、素直に指示に従うことにした。 「よし、竹持ったな?…行くぜ!」 思い切り地面を蹴ると、ふわりと箒が浮き上がる。 重力を魔力で制御しているのか、全く落ちる気配はないが。 そして下を見回してみて、一瞬呆然とした。高さに、ではない。 「…おいおい、ありゃ何だ?」 川の方に見える、「地上の天の川」。 不思議としか言えない光景に魅入っていると、 「ああ…成程、蛍か。へぇ、あの蛍の妖怪もけっこうやるもんだな…」 「ん、知り合いなのか?アレをやった奴と。」 「ま…ちょっとな。」 雲の層の真ん中あたり。 死にそうなほどジメジメしていて気分が悪いことこの上ない。 「さて、そろそろ頃合か…」 「…なあ、何をする気なんだ?」 「なぁに…ちょいと頼まれてな。 盛大に行くぜ、魔符…「ミルキーウェイ」ッ!」 …ああ、そうか。 雲を吹き飛ばすにしても、何でそれかって。 …天の川、か。 「…なあ、魔理沙。」 「ん?何だ?」 「頼まれたって…誰にだ?」 「さてな?その答えは…ほら、アレが語ってるぜ。」 「アレって……へ?」 ふわりふわりと舞う白い…「雪の結晶」。 「夏に…雪?」 「どうやら、七夕の願いは通じたようだな。 やれやれ、冬の妖怪に会えますように、か。無茶な願いをしたもんだぜ。」 「…あの氷精…か?」 「いんや、その保護者。…いや、あの雰囲気からするともちっと親密かな?」 笑いながら言う魔理沙の頭をぽんぽんと叩く。 「何だ、結構いいとこあるじゃないか。」 「えー、と…いや、それはだな…」 急に口ごもる魔理沙。 「…? どうした?」 「その…お前と一緒に見たかったし…チルノの件は、あくまでついでだ。」 「…魔理沙。」 「…好きだぜ♪」 そしていつもの悪戯っぽい笑みを浮かべると、そのまま抱きついてきた。 幻想郷の空の上、天狗さえも与り知らぬ小さな空間。 雲の上の本物の天の川。 雲を蹴散らす光の天の川。 川を飾る地上の天の川。 3つの天の川を見渡す箒の上、今宵は二つの影が重なっていた。 4スレ目 630 ─────────────────────────────────────────────────────────── こんなんでました~ 「なあ、俺と1対1の勝負をしないか?内容はどっちが相手をより幸せに出来るか…だ」→魔理沙 4スレ目 688 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「ホンの少しでいい、お前の努力する姿を 俺に見せてくれないか」→魔理沙 4スレ目 824 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「…ガラクタ置き場?」 入り口の扉をくぐった途端、そんなことを口にせずにはいられない光景が広がっていた。 昨晩遅く、そこそこ大きな地震があった。 いくら幻想郷とはいえ、考えてみればどこぞの空中都市宜しく空に浮いているわけではないので、地震が無い筈はない。 幸いにも元々物の少ない我が家は、皿が数枚落ちたくらいで大した損害は無かった。 しかし、傍から見ても明らかに物が「有り過ぎる」知り合いのあの家は酷いことになってるんじゃないか? …と思い、朝一で駆け付けて来たワケである。 「魔理沙ー、生きて…うおっ!?」 居間に続く扉を開けた途端、目の前に現れるガラクタの山、やま、ヤマ。英語で表すとMountain、独語ならBergeか。 足の踏み場も無い、という形容があるが、この状況はもはやその域を超えている。そもそも人が入れるのだろうか? …まぁそれは置いといて、先ずは生存者の確認だ。 「おーい、魔理沙ー、生きてるかー、返事しろ~…」 「うぉーい、ここだここー」 …累々と重なるガラクタの中に、トレードマークの帽子が動いているのが見えた。 「…凄い状態だな。まるで『ゴミ屋敷』だ」 「人が必死に集めたものを『ゴミ』の一言で片付けてくれるとは、お前なかなか酷い奴だな」 「そう見られたくなかったら片付けろよ。いくらなんでもこりゃ…」 おそらくこの状況を見たら、10万人中の99999人は俺と同じ感想を持つのではないだろうか。 使っているのか否かも解らない、膨大な数の魔導書 同じく使用の有無が知れない、怪しいマジックアイテムの数々 見るからに危険な色をした薬液の入った硝子瓶多数 以前強引に食させられ、見事に脳内が幻想色に染まったキノコ 外界から流れてきたという、「のーま○ど」という名前の対小昆虫用殲滅用物体 同じく外界産の、長さが俺の胸の高さまである「ばすたーらいふる」とかいう火縄銃の親玉みたいなもの 「香霖堂」と書かれた暖簾 何故か背中に「千客万来」と書かれたタヌキの置物 米俵 金属バット …そんな諸々の物が、地震の所為で所狭しと無秩序に転がっている様はまさにカオスである。 「…で、ここまで来てくれたからには当然私の手伝いをしてくれるんだよな?」 「あ、俺自分家の片付けしなきゃなんねぇや。それじゃ頑張ってn」 「手伝ってくれるよ、ナ?」 「喜んで手伝わさせて頂きます御主人様」 手の平にスパーク現象らしきものを確認したので、即座に従うことにする小心者の俺。 これだけのガラクタをどう片付ければいいんだという気はしたが、そのことを口に出すと即座に消し炭になりそうなので黙っておく。 「宜しい。ではさっそく仕事に取り掛かるとしますかね」 「(やる気無い表情で)お~…」 「なぁ、この本はどこに片付けるんだ?」 「それか? それは…そこらにでも置いておいてくれ。私が後で何とかする」 「…その台詞、今ので何回目だ? 結局物が別の場所に動いただけなんだが…」 「おい、これは何だ?」 「あぁ、その本は…」 「(ガブッ)ミギャァァァァス!!」 「…開けた人を襲う魔法生物なんだなコレが」 がじがじ 「…おい、これって…」 「ん?…うわわわわわわ!? 見るな触るなその手を離せバカッ!」 「…お前、こんなものも身に着けてるのな…」 「だから離せって言ってるだろう! まじまじと見るなー!!」 「ちょ! 室内で魔砲とかそれだけは止めt」 どっかーん そんなこんなで数時間… 「(ぐりぐり)…あーそこそこ…うー効く効くー…意外と上手いなお前」 あれから粗方片付いた(魔理沙基準)ということで、俺達二人は休憩を入れることにした。 で、何故かこうやって魔理沙の肩もみをさせられているわけである。…まさか俺って良い様にコキ使われてる? 「どうだい、私の専属マッサージ係にならないか?三食居住地、昼寝つきだ」 「魅力的な誘いだが、遠慮しておくよ」 「遠慮なんかするな。私は大歓迎だぞ」 …誘っておいて、その実雑用とかキノコの試食担当とかさせられそうだから嫌なんだよ。 「…まぁ良いか。それより一つ頼みがあるんだが」 「代わりに片付けて欲しいとかいうのは無しだぞ」 「疲れたから座椅子代わりになってくれ」 「それならお安い御用…なんですと?」 返答の暇も与えず、こちらに背を向けてもたれかかってくる魔理沙。 「はー極楽極楽…カンロカンロ」 そのままぐりぐりと後頭部を押し付けてくる。 「…あのー、魔理沙さん?」 「んあ? 休憩時間休憩時間。気にするな」 「いや気にしてるのはそういうことじゃないんだが…まぁいいか」 これ以上ツッコむのは不毛だと思ったので、おとなしく彼女に従うことにした。 両腕を腰に回し、もたれ易いよう軽くこちらに引き寄せる。 「…あまり私が魅力的だからといって、悪戯するなよ」 「誰がするか誰が!?」 「そんなこと言って、手は既に私の胸を揉みしだこうと用意万全なんだろう?」 「そんな在るか無いか判らないもの誰が…痛たたたたた俺が悪かった許してくれ!」 「…で、俺はいつまでこうしておけばいいんだ?」 「ん? …私の休憩が終わるまでかな」 「それって…今日中ずっとってことになるのか」 「そうなるかも知れないぜ」 「…ハァ…」 …駄目だな、口先では彼女に敵いやしない。ここも素直に従うことにしようか。 「…魔理沙」 「ん、何だ今度は」 「可愛いよ」 「…おだてたって、私は何も出しはしないぜ?」 「いや、本心だから」 因みに、その頃階下では 「魔理沙ー!これどこに仕舞えばいいのー? …ったく、何してるのよあの野魔法使い。聞く耳も持ってないのかしら…」 後片付けに強引に借り出され、上の状況も知らず独り黙々と片付けを進めている人形遣いの姿があったそうな。 恋人というよりは悪友ライク、それがMy魔理沙像。あんまりそれっぽく見えないか? 4スレ目 873-874
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霧雨魔理沙 各キャラとの対戦に於いて
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魔理沙3 2スレ目 111 「はい、お茶。熱いわよ」 「おう、さんきゅ」 「魔理沙が改まって頼みごとだなんて、ずいぶん珍しいじゃない? 明日は雨かしらね」 「降らないって。意外と普通だと思うぜ?っと、熱ちちち」 「あんたの普通は普通じゃないのよ。やっぱり雨だわ。 で、どうしたの?」 「いやあ、実は…最近ちょっと…アレがなくてさ」 「あら、普通じゃなくて不通なのね。そりゃ普通じゃないはずだわ」 「フツーフツーじゃないってわけわからないぜ」 「不通じゃなけれは不順ね。…家に篭って変な研究ばかりしてるから体調崩すのよ。 永遠亭印のピンクの小粒があるから今出して…」 「あーあー違うんだ。体調はたぶんフツーなんだ。 もっと…その…なんだ、別の理由で…な?」 「な?って言われても。 ……あ、まさか彼の…?」 「ああ、そのまさかだぜ。まーなんだ、いわゆる恋の魔法ってやつか?」 「…あんたの魔法は壊すだけが能だと思ってたけど。へー、あんたたちがねえ…」 「へへ、ついに人体の錬成に成功だぜ。おそれいったか」 「…はいはい、おそれいったわよ。不順でもなくて不純だったのね。長いこと家に篭ってると思ったら、何してたんだか…」 「いやいや、私は純情だぜ。あと、家の中だけじゃなくて外でも…って、もう!こんなこと言わせるなよー、恥ずかしいぜー」 「…否定する場所をことごとく間違っているのは恥ずかしくないのかしら。あと、嬉しそうに語るな変態カップル」 「いや、たぶん結構それなりに普通のカップルだぜ?」 「だからあんたの『多分結構それなりに普通』は、って…はあ、もういいわ。 で、話はそれだけ?私は医者でも産婆でもないんだけど」 「巫女だろ?巫女なら姓名判断くらいはできるだろ? 頼まないが」 「巫女よ。巫女だからできるわよ。しないけど」 「まあ頼みたいのはそんな事じゃないんだ」 「…前置き長いわよ、らしくない。」 「・・・ああ、らしくなくもなるぜ。まだあいつにも言ってないしな」 「あらそうなの。さっさと言えばいいじゃない。止めないわよ」 「ああ、それで、だ。霊夢…あいつのとこまで…その…一緒に、来てくれないか?」 「それが本題?…んー、まあ気持ちはわからないでもないけど。一応理由を聞いておこうかしら」 「おいおい…ずいぶん意地悪だな」 「こんな弱気な魔理沙が見られる機会なんて、滅多にないもの。見返りとしては安いもんじゃない?」 「おいおい……ずいぶん意地悪だな」 「いいから話す。普段のあんたなら、真っ先に彼の家を壊す勢いで報せに行くはずよ?今ならドアしか壊せない勢いよ」 「壊さないって。…いやな、パチュリーから『借りた』本に、デキちゃった恋人を捨てて他の女に走る男の話がたくさん載ってて……」 「…あの図書館はジャンルを選ばないのか?それとも、ある意味呪いの本なのかしら」 「それでな……あ、いや、あいつはそんな奴じゃないって分かってるんだぜ? 分かってるんだけど…頭から離れなくて…不安で…あいつの反応が怖くて…その…うう…」 「…はいはいそこまで。マタニティブルーをごちそうさま。それ以上は胃にもたれるわ」 「…とまあ、そんなわけで頼むよ!たしかにお前からしたら馬鹿馬鹿しいかもしれないが、本気で悩んでるんだ!この通り!」 「だが断る」 「おいおい、ずいぶん意地悪だな!」 「そうでもないわよ。理由は簡単。行く必要がないから。 ―――ねえ、全部聴こえてたんでしょ?」 「…ま、こういう事よ」 「…○○!?な、なんでここにいるんだ?」 「あんたの先客。ちょっと野暮用を頼まれてね」 「あ、ああ…でもなんで、ずっと隣に隠れてたんだ?おかしいぜ」 「そりゃあ、あんたに見られちゃ困るからよ。 …っと、この言い方は誤解されるわね」 「まさか…お前達!」 「ほら誤解した」 「どういう事か説明しろよ霊夢!○○! なんで隠れてた! 私に知られちゃ困るような事してたのか? 私は邪魔だったのか? 邪魔って事はお前達やっぱり……!?」 「ちょっと落ち着く。それ以上は怒るわよ」 「だって……だって…ひっく…!だってぇ…!」 「あらら…まあ、元はといえば、隠れた私たちが悪いんだし…。 ○○さん、もう今ここでいいんじゃないかしら?渡しても」 「ぐすっ…うう……ん?○○、これは?」 「あんたが来る前に、頼まれて一緒に香霖堂に行ってたのよ」 「…これ……指輪?」 「あんたへのプレゼントを選ぶ為に、ね」 「○○!これってもしかして…!」 「ま、順番は狂っちゃったみたいだけど」 ―――――魔理沙、結婚しよう。 「ぐすっ…○○…ほんとに?……ぅわあああああん!うん、する!結婚する!しまくる!! もう嫌がっても離さない!逃げても追い掛けるから!」 「…今泣いたカラスがなんとやら。めでたしめでたし、かしら」 「○○、大好きーーー!んん~~~~っ!…ぷはぁっ! もういっちょ!んん~~~~~!」 「…はあ、今日はやけにお茶がぬるいわね」 @@@@@@@@@@@おっさん後書中@@@@@@@@@@@ 軽口を叩くことの難しさよ・・・(´・ω・`) 通勤中に携帯で作る、という暴挙をやらかしました。 でも私は謝らない。 読んでくれた方ありがとう。 少しでも楽しんでくれる部分があれば幸いです 俺=読者な感じを書きたかったんですが・・・ それ以前に少女二人が別人だorz @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 230 真っ白に染まる視界。 視界の端の方にあった木々が、片端からなぎ倒されていく。 ―――予想はしてたけど、まさか。 ……間違いない。被害からしても、感じる魔力の圧力からしても、 このスペルカードは1つしかない。 恋心「ダブルスパーク」 ただでさえ凶悪なマスタースパークが同時に2発。 ……ってか照れ隠しにスペカ!? 避ける……ダメだ、俺じゃ音速遅すぎる。そもそもロクに飛べない。 防ぐ……霊夢さんみたいな結界なんて作れないから却下。 「だったら……っ!」 懐から取り出す一枚の紙切れ。 魔力を練って、指に込め、呪文を描く。 幻想郷に迷い込んで、発現した俺の能力。 『想いを紡ぐ程度の能力』 紡ぐ想いを呪文に変え、たった1度きりのスペルカードを描く。 魔理沙さんに拾われてからというもの、騒動に巻き込まれない日はなかった。 妖しげな薬の実験台にされたり、 無理矢理吸血鬼の館(紅魔館…っていったっけ)に引きずられていったり、 何故か夜道で、大量の人形を操る魔法使いに襲撃されたり。 それでも、多くの人と知り合えたのは魔理沙さんのおかげだったから。 魔力を扱えるようになったのも、ずっと楽しかったのも、全部。 ……だから、 「これが俺の――― 好きになったんだと思う ―――恋心っ!!」 スレタイみたいにいちゃついてないむしろ弾幕りあうみたいな。 むしろ気持ちと気持ちのぶつけ愛みたいな。弾幕コミュニケーション? お目汚しをば致しました。 雑魚からスペカ持ちくらいまで精進したらまた書きます。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 2スレ目 763 「魔理沙好きだ、結婚してくれ」 僕は霖之助さんから聞いていた魔理沙対策の言葉も忘れて、彼女に思ったままの感情を素直にぶつけた。 「おー、別にいいぜそれぐらい…って、えぇっ!?お、お前自分が何言ってんのかわかってんのか!」 慌てふためく魔理沙。顔を耳まで真っ赤にしながら、そのブロンドのお下げや帽子を弄る挙措動作が愛らしい。 「うん、自分の気持ちがちゃんと理解できていないと、こんなこととてもじゃないけど言えないよ」 「あ…ぅー…」 急に目を逸らして黙ってしまったが、彼女が絶対にYESと言うのを僕は何処か心の中で確信していた… ─────────────────────────────────────────────────────────── 126 「頼む。いや、頼まないな。消えろ」 比喩でもなんでもなく、俺の土手っ腹に風穴が開いた。 確認する前に頭の上半分も消し飛んでしまう。 残念だ、これでもう彼女を見ることはかなわない。 痛みはない。いや、もともと痛みというものを俺は知らない。 ただ、これで自分が土塊に還るのだという事はわかった。これがヒトで言う『死』というものなのだろう。 「ただの土人形が、ずいぶんと勝手な事してくれたもんだな」 かろうじて繋がっている右耳が声を捉える。彼女の声には怒りが満ちている。 いけないマリサ、君は笑っていなくては。俺は主に笑っていてもらうための存在だ。 主を愛し、主を楽しませ、主の為に散る。それが俺の存在意義。 ただコワサレルのでは意味がないのだ。 「待ってくれ、マリサ。俺はまだ」 「まだ喋る口が残ってたか」 口を掴まれる感覚。ぐにょり、と音がして、そのまま下顎が溶けてしまった。 もう彼女を笑わせるジョークも口にできない。主人への愛を語り、その心を癒すこともできない。 俺はどうすればいい。どうすれば彼女は笑ってくれる。 残ったわずかな体と手足で、ダンスでも踊って見せようか。 「もういい動くな。動くと余計に撃ちたくなる」 手足が爆ぜた。吹き飛んだ部分が空中で粘土に戻ったのか、 地面に落ちるべちゃり、ということだけがあたりに響く。 これでもうお手上げだ。俺はもはや芋虫の様に蠢くだけ。こんな動きを喜ぶレディはさすがに居ないだろう。 と、 「く、くくく………はははは、はぁーーーーーーーっはっはっはっ!!」 聞こえる。マリサが笑ってくれた。俺の動きがそんなによかったのか。 道化としてでもいい。マリサ、君を愛してるんだ。君が笑っていてくれるなら。もっと奇妙に動いて見せ 「…………愉快だなこの野郎!」 大きな力に飲み込まれて、俺は消えた。 ・ ・ ・ ・ ・ 「ちょっと魔理沙!何ひとの家でマスタースパーク撃ってくれてんのよ!」 「……はー、はー、はー………」 「また屋根吹っ飛ばして!ちゃんと直しなさい……って、アレはどうしたの?まさか一緒に……!」 「なあアリス……あれ、失敗だったわ」 「……どういうこと?大成功だったじゃない、『赤鼻のコピー人形』。見分けつかなかったわよ? あんたもさっきまで『おちゃめなふたごだぜー』とか言ってたじゃないの」 「………ソフトの問題だ。中身が違いすぎるんだよ」 「そうだったかしら?むしろ魔理沙よりいい子だった気も」「アリスは全然わかってない!」 「ええっ!?……そりゃ、あなたの事もっと知りたいとか思ってるけど…いやそうじゃなくて、 何がダメだったのよ?私も協力して作ったんだから、聞く権利はあるはずよ」 「仕方ないな、特別に教えてやろう。いいか… 霧雨魔理沙は絶対に『俺』なんて言わないんだ!言っちゃダメなんだよ!」 「そ…そんな理由で……ひとんち壊すなーーーーーーーーーーーーーっ!!」 魔法の森は今日も平和だったとさ。 @@@@@@@@@@@@あとがき@@@@@@@@@@@@@@@@@ タブーといわれた『俺魔理沙』をネタにしてみたくてやっちまいました。 ごめんなさい石投げないでイタイイタイイタイ………けど気持ちいい… @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ ─────────────────────────────────────────────────────────── 149 魔砲使いの朝は早い。 雪が降るまでのわずかな秋の季節、食欲を満たしつつ学問(研究だ研究)をするなんて 彼女ぐらいではないだろうか? 「おーい、手伝え○○~」 まぁ、例によって、早朝から手伝えと叩き起こしに来るわけだが。 「んぁ…早いよ魔理沙……勘弁して~」 「いいじゃないか、お前の飯うまいしさ」 実は迷い込んだときに妖怪に襲われていたところを通りがかった魔理沙に助けてもらったのだ。 お礼に出来る事もなかったのでささやかな特技である料理を振舞い、 ついでに部屋があまりにも散らかっていたので大掃除を強行したのだ。 それ以来、部屋の片付け兼、メシスタントとして良く俺を引っ張り出してくる。 具体的には食事とか掃除とか掃除とか。あと掃除。 とはいえ、魔理沙の魔砲理論を傍で聞いてるうちに 自分でも何か学んでみたくなってきたので悪いことではない…かな。 で、今日も今日とて魔理沙の家でメイドガイやっているのでありました。 まずは朝食、続いて掃除というのがいつものパターン。 「いただくぜ」 「はい、たーんとおあがり」 両手を合わせてからご飯をかきこむ魔理沙。とそれを見守りつつ、同じく食べる俺。 「やっぱりお前の作る味噌汁はうまいな」 「どういたしまして。芸は身を助けるってことかな」 心底うまそうに食べてるのを見るのはこちらとしてもうれしい。 ものの十数分で用意した食事が空になる。 いつものとおり、それを片付け、 「それじゃ、整理よろしくな」 と心底幸せそうな表情で研究用の部屋へ入っていった魔理沙を見送る。 …魔理沙の家は一見ガラクタでも中身は9割ガラクタを集める持ち主の性格をえらく反映して、 ガラクタ部屋が非常に多い。生活に支障が出るくらいになるとこーりんに引き取ってもらっているらしいが 俺からすればどう見てもガラクタだが、捨てるわけにも行かないのでせめて整理しながらほこりを取るのである。 「しかし、なんで魔理沙は研究中なのに掃除させるんだろう…」 魔理沙の家に遊びに来る人はそれなりにいる。 霊夢に咲夜、アリスと、時々パチュリーも……。 まぁ、研究中に掃除をしているとわかると皆が驚いたのだが。 なんでも研究中は静かにしていたいがためにこの森の中に家を作ったのだとか。 しかし、それならなおのこと最初にあげた疑問が残るのです。 本人に聞かなければわからない疑問を延々と考えつつ掃除をしていると 「お~い○○、昼食はまだか?」 普段はおきないイレギュラーな事態が起きていた。 いつもはこっちから呼ぶまで決して出てこないはずなのに、 なぜか今日に限って昼食の催促にきている。よりにもよって部屋が 凄いことになっているこの日、この時に。 「あ~、まだ整理中なんだ、もう半刻ほど待って」 入り口まで戻りながら静止しようとする。 ―てか、今は来られると非常にまずい。なぜかというと 「お、こっちの部屋か?……なんだ、もうあらかた片付いてるじゃないか」 「あ。ちょっと、入っちゃだめだって」 ひょっこりと部屋の入り口に顔を出し、制止も聞かず一歩踏み出す魔理沙。 しかし、その踏み出した足が何もないはずの床をすべり…… 「うわっ!!」 前のめりになる魔理沙を慌てて支えようとした俺もそれにならって倒れる。 ……目の前をブレイジングスター流星群が駆け抜けた。 ―魔導具の影響だろうか、摩擦係数がこんがらがっていて、床が入り口方向にばかり滑りやすくなっているのだ。 「…痛い」 「私のせい……か?」 「…え?」 目前で聞こえる魔理沙の声…… 目前だって? 流星群がようやく収まると、自分が今どんな状態だか徐々に認識してきた。 まず、自分は仰向けになっている。コレはいい。倒れたんだし。 そして、すぐそばで甘い、いい香りがする。…いつもどこかで嗅いでいるような……? さらに、自分の上になにか乗っかっている。……お? 目を開けると、一見して、黒と白と金。 これは、ようするに…… 「魔理沙……」 「な、なに?」 「…普通逆なんじゃないかな? それと、魔理沙のことは好きだけど、やっぱり順序だてて、ね?」 「そ、それを言うな……」 形としては、魔理沙に押し倒されていたのである。 その後、事態を本格的に認識した魔理沙が真っ赤になってファイナルマスタースパークを乱射しかけたが 何とか阻止、そして興奮する魔理沙をなだめるのに2刻、遅くなった食事を作るのにさらに1刻かかった。 「なぁ、○○」 そして今は夕食時。 いつもとは少し違う雰囲気の中、黙々と食べていた魔理沙が、 ふと箸を止め、言いにくそうにつぶやいた。 「ん、なに?」 「昼のさ……あの時、『好きだけど』って、言ったよな?」 「うん、確かに言ったよ。だからこそ毎日味噌汁を作ってるんじゃないか」 そう。 紆余曲折あって今の関係になったとはいえ、一目惚れしたことには何の間違いもあるまい。 そして、ずっと味噌汁を作っているうちに、愛しいという想いが大きくなっている自分を再認識する。 「…できれば」 「うん?」 「できれば…これからも、毎朝……味噌汁、作ってくれ」 耳まで赤くなりながらぽつぽつとつぶやく魔理沙。 「……もちろん。いつまでも、ね」 ここは、笑顔で返してやらねば男じゃないな。 あとは、森が奏でる波の音だけが いつまでも、いつまでも―――― ─────────────────────────────────────────────────────────── 283 空はどんよりと曇り、一向に晴れる気配が無い。 耳をすませば約十八回目のため息が聞こえる。 「本当に嫌になるぜ……」 そう言って、十九回目のため息をつくのは霧雨魔理沙。 「仕方ないさ、ここの天気はどこぞのメイドの胸並に変わりやすいから……」 現在いる場所は魔法の森にある霧雨邸。今日は山の幸狩りをしにここに出向いたわけだが…… あいにくと森に入って霧雨邸についた直後にどかっと雨が降ってきた。……まさしくどこかのメイド長のスペルのように。 今は雨もやみ、多少霧が掛かる程度だがそれでも帰れない。 何故かって?魔法の森は迷いの森だからさ。道を間違えれば即食物連鎖最下段。そんな生きるか死ぬかのこの森に霧が掛かっている。 つまり要約するなら。『鬼畜兵器ぶっちぎりの即死弾幕を毛玉とかが常時連発してるような感じ』。一歩進めば即死。アーユーオーケイ? 「これじゃあ山の幸も取れないな。ああ、一度は食べてみたいぜナスキノコ……」 「それはきのこじゃない気がするが」 「いやいや魔理沙。ナスキノコは実在するんだぜ?その胞子を吸ってしまうと大変な事になる恐ろしいきのこなんだ」 「……ふーん」 何気にジト目で見られ、あわてて言いつくろう。 「いやふーんじゃ無いって。実際にその胞子のせいで何十人もの人が倒れたんだから」 「……って、それは凄くないか!?」 「だろ。だけど、そのきのこはいっぺん食べたら病み付きになるんだと」 ようやく魔理沙が話にのってくれてほっとする。顔つきも変わり、こちらに近づいてきた。 「病み付きって。まさかマジックマッシュルームの類じゃないだろうな?」 「いや、ただただうまいだけらしい。でな、さっきの胞子の話なんだけど……」 ここでいったん溜めを作り、魔理沙の顔をじっと見た。 「ナスキノコの胞子は……」 「胞子は……?」 「吸った者の……」 「吸った者の……?」 ごくり、と喉がなる。 「吸った者の書く文に誤字を発生させるんだ!!」 どーんっ!っと。ワンピースのように。もしくはキバヤシさんのように。 勢いをつけて叫んだが、魔理沙は反応をしない。 「…………はぁ?」 「馬鹿野郎『はぁ』じゃない!誤字だぞ誤字!ひたすらに時間かけて書いた文章が誤字だらけになるんだぞ!? 恐ろしくて恐ろしくて夜も眠れないじゃないか!」 何故か呆れ顔をしてこちらを見る魔理沙。 何気に視線が『ああ、とうとうこいつの頭も霊夢以下になったか』と語っている。誰が淫乱巫女より下だって? 「……あー。ていうか質問いいか?さっき何十人もの人が倒れたって言ったけどあれはどういう事だ?」 まったく繋がらんとぶつくさつぶやく魔理沙。 「…………ふっ。そんなの簡単さ。 かつて、このナスキノコの胞子をたっぷり吸い込んでしまった人間がいてな。その人の書く文章は万人受けとまでは行かないがかなり好評だった。 そこで、その人はとある長編の文章を書く羽目になったんだが。それはそれは大変だったそうだ。 その人が一章を書き上げるごとに誤字チェックをしなくてはいけない。しかも特殊な言い回しも使う事があるのでそれで詰まる事もしばしば。 ……そして、その文章が書き終わったときには何十もの屍が出来上がってた。 ――と言うわけだ」 「はぁ……」 もう、どうでもいいですといった顔で魔理沙は聞いていた。 「もうその話はやめにしようぜ。……でだ。これからどうするんだ?」 ……その言葉を聞いて思い出す。そういえばまだ外は霧だった。 狩りに出かけられないと言う事は家にも帰れない。となれば…… 「どうするも何も、ここにいるしか無いだろ。……まさかこんな中で家に帰れとか言うつもりか?」 「まさか。どこかのメイドじゃないんだからそこまで冷酷にはなれないぜ。」 はっはっは、と笑い、もう一度こちらを向く。 「まあ、お前は獣じゃないと私は信じてるぜ。」 「冗談。誰がお前みたいなの襲うかよ。」 冗談とも本気ともつかない言葉に軽口で返す。……後々後悔するとも知らずに。 * 「何でこんな事に……」 時間は過ぎて霧雨邸の寝室。なんというかとんでもない状況だった。 まず、こちらの会話を聞いていただきたい。 『あー、ベッドは一つしかないから添い寝な?』 ぶほっ 『な、なんだってー!?』 『私はキバヤシじゃないぜ?』 『い、いや添い寝って……』 『一人だと寒くてな。まあ湯たんぽの変わりだと思えば』 『何その人権無視発言、じゃなくて。普通は男は床で……』 『床で寝られるか?こんな散らかってる場所じゃあ寝られないだろ』 『……片付けない本人が何言うか』 そんな感じで、でかいベッドに二人で寝ることに。 ちなみに決め台詞は『どうせ私を襲わないんだろ?』でした…… でも、でもですよ?いくらそうだといっても……寝れんのよ。実際。 気配がすると起きるようになってるせいか一向に眠気がやってこない。 というか、やっぱり魔理沙だって女なわけだし……そういうのはいかんと思ったりしますがどうですか!? …………っと、いかんいかん、錯乱してた。 隣では静かに寝ている魔理沙。……もうちょっと品が無いのかと思ってたけど、意外に…… 「……んにゅ~……」 あれ、体制を変えてこちらに寝返って………… え、今、もしかして、魔理沙に抱きつかれてる? 「ん~……」 顔が間近に見えるよ。……物凄く幸せそうな顔をしている。 ちょっとね、これはね。もうね、襲えと。そうとしか聞こえないでしょう。 腕を魔理沙の背中に回し……ふと気づく。 「ちっちゃいな、こいつ……」 背中に回した両手どうしが有る程度触れそうなくらいだ。 いつもの暴れっぷりからは想像もつかないくらい、魔理沙が小さく思えた。 なんとなく小さな背中を撫でてやる。……気づかないうちにもう『襲え』とかそういうものは吹き飛んでいた。 「無理してるんだな、お前……」 こんなに幼いのに、頑張っている。血を吐くような努力をしているんだ。 何故か、いつもの魔理沙とは違う本当の『きりさめまりさ』という少女に会えた気がした。 背中から手を離し、頭を撫でてやる。……こういうのを愛しいって言うんだろうな。 「お前が望むなら、いつまでもお前を守ってやりたいよ。なあ、魔理沙……」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 428 「おい、いるか?」 無遠慮に扉が開かれ、魔理沙が姿を表す 「魔理沙…ノックぐらいしろって何回言わせるんだ」 「おお? 男の癖に細かい奴だな」 どうでもいいぜ、とでも言わんばかりにずかずかと上がり込む魔理沙 「…女の癖に大雑把な奴だ」 「そんなことよりどうだ? 土産ならある」 魔理沙が差し出したのは数本の酒瓶 「気が利くな。どうせ夕飯でも集りに来たんだと思ったよ」 「酷いぜ。今日は飲みに来たんだがな」束の間の憮然とした表情 「だが、美味い飯があれば尚更酒が美味くなるってものだぜ?」 「…はいはい、そう来ると思ってたよ」 急ピッチで酒を呷る魔理沙。流石に心配になる 「おい、少し飲みすぎじゃないか」 「あー? 美味いんだから気にするな」 酔うと絡むのかと勝手に想像していたが、当の本人はにこにこと笑っている だけである。魔理沙の意外な一面を垣間見たような気がした 「なぁ……私の事……好きか?」 魔理沙は杯を置くと、頬杖を突きながら問い掛けてくる。とろんとした、どこか 眠そうな甘い声 あまりに突然な言葉に思わず酒を吹き出しそうになる 魔理沙はそんな俺を見ながら笑みを絶やさない。普段は見せない表情をとて も可愛いと思った 「お前はどうなんだ?」 「んー、私か? 勿論好きだぜ」 どくん、と心臓が高鳴るのを感じた 「…俺もだよ、魔理沙」 「んー、そっかそっか…へへっ」 魔理沙は大層ご満悦な様子で、最後の一杯を空ける 食卓の片づけが終る頃には、魔理沙はすっかり夢の世界へと入っていた 「全く…これじゃ風邪引くだろうに」 魔理沙の身体を抱える。全く起きる様子は無い 布団に寝かせ、毛布と掛け布団をそっと乗せる 「おやすみ……魔理沙」 魔理沙が小さく頷く、そんな気がした。良い夢を見ているのだろうか ならば、自分も良い夢を見ることにしよう 願わくば、可愛い少女と同じ夢を ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 42 俺「雪が降ったんだとよ」 魔理沙「ほー」 俺「珍しくもなんともねーな」 魔理沙「珍しくもなんともないぜ」 魔理沙「雪降ったんだな」 俺「ほー」 魔理沙「珍しくもなんともないな」 俺「珍しくもなんともないぜ」 魔理沙「おお、雪だ」 俺「だから外行きたいなら初めからそう言え」 魔理沙「そんな子供っぽい事言えるか」 俺「あーもー知らんぶる」 魔理沙「だから雪降ってるって」 俺「ああそうかい行けばいいんだろ行けば」 魔理沙「初めからそう言えば良かったろうに」 俺「それはお前だ」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 289 「待ってくれ、魔理沙!」 駄目だ、追いつけそうにない。 「駄目なら駄目と言ってくれればいいじゃないか!」 どんどん小さくなっていく魔理沙の後姿。 「頼む!答えを聞かせてくれ!」 箒に またがっているわけでもないのに 「こんな…中途半端な状態じゃ…俺…」 走り去る魔理沙は速すぎた。 「諦めも……つかないじゃないか………」 人間の出せる速さとは思えなかった。 「魔理沙ぁ!!」 そのとき魔理沙は………動きを止めた!俺は最後の力を振り絞り、魔理沙の元へ駆け寄った。 「はぁ…はぁ…」 地面にひざまずき、首を垂れる俺。激しく息切れを起こし、しばらくは立ち上がれそうもない。 なんてカッコ悪い姿だろうか。情けない。答えなんて分かってるはずなのに。わざわざ追いかける 必要なんて、なかったはずなのに……自嘲しながら、ふと地面に映る魔理沙の影に目をやれば、 魔理沙が俺に向けて手を差し出していることが分かった。 「魔理沙………」 俺は顔を上げた。 /~ ̄~⌒\ ,-_、 <. ;;i .... ( (__  ̄ノ;;;; .... `¬´ ∑>lコ<了――ヽ__<" ̄ ̄ ̄`―――" `> ~r--;;..____,.,;t" ~ (~~~l i i (ソ)~~ ( . l ・ ・ l () ( l " l ○ l "l ;) ( . ヽ tェェェェI / ;;) ( .. ヽ ヾェェ// ;;) ヽ ; ; ; ; ;|`---"|; ; ; ; ;ノ ,ヘヾ^^^^ソノヽ i;; \r┬r‐/`ヽ, |;;; |_,|_,|_にノ γ⌒) |;;;; 人 ,.__,,,,ノ´ |;;;;;/ ´/ ( A`)? BAD END(人違いに注意しよう。正直スマンかった。) ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 309-310 ……頭の中で、何度もプランを立て直す。 ――――そう、まずはできるだけ何気ない動作で挨拶だ。「こんにちは。いい天気ね」。違う違う。これじゃアリスだ。 「どこまでいくんだ。お前の足じゃこの森を抜けるまでに日が暮れるぜ」思いっきり余計なお世話だ。 箒の後ろを叩いてクールに「乗らないか」。ウホッ! いい魔法少女…………だめだ、私。今日はおかしいぜ―――― 「ああもう。なんでこんなに私が悩まなくちゃいけないんだ」 たかが、あいつ一人に声をかけようとしているだけなのに。 そう、私が上空から見ていることも知らずに、のんびりと森の中の一本道を歩いているあいつ。 今日ここを通るのは知っていた。何回も上空から確かめたからな。 どこに行くのかも知っている。あのワーハクタクのいる里に行くんだ。 だから、その………道が狭いし暗いし危ないからな。 い、一緒に行ってやってもかまわないって、思ったんだ。わ、私だって鬼じゃないから、な。 あいつが放っておいて妖怪に襲われたら、その、悲しいっていうか、寝覚めが悪いっていうか。 なにも、おかしなことじゃないのに。 どうしてこんなに、あいつに声をかけようとすると胸が苦しくなるんだろう。 本当にいつもの私、霧雨魔理沙らしくないぜ。 私に気づかないで、どんどん向こうに行ってしまうあいつ。 ええい、どうにでもなれ。私は頭の中で考えた計画なんか全部捨てて急降下した。 超低空飛行で、あいつの後ろから声をかける。 「よっ、ようっ!」 なにがようっ! だよ。少しは女の子らしく出来ないのか私は。みっともなく上ずった自分の声に、今すぐ逃げ出したくなる。 でも、あいつが振り返った。 魔理沙、と名前を呼ばれてしまった。 それだけで、胸が高鳴る。私って単純だな。 箒から降りて着地する。 「ひ、久しぶりだなっ! こっこんなところで会うなんて、あー、えーと、き、奇遇だよなっ!」 心臓がどきどきして、今まで色々考えていたことなんて全部思い出せない。 そうだね、とあいつは少し驚いた顔で、でも笑ってくれた。 その笑顔が、力になる。 「え~とだ。その……そう、どこまで行くんだ?………………あ、やっぱり…じゃなくてそうだったんだ! あのワーハクタクのいる里までかあ。初めて知ったぜ。 ………結構、遠いよな…………いや、た、大変だなーなんて思って、思っちゃって。別に、それだけ…………」 うわーうわーもう自分でも何言ってるのかわかんないぜ。 めちゃくちゃ恥ずかしくて顔が真っ赤になる。 あいつは笑顔のまま無言。くそ~、なんで私が気を回さなくちゃいけないんだよ。 「だから……だからな……別に恩を売ってるわけじゃないぜ。いらないんだったらかまわないから………ああ、たいしたことじゃない……その……そのな………」 その先が思いつかず、私は目をつぶってただ箒を突き出した。 「乗れ! 送ってやるっ!」 ……………… …………… ………… ……… …… … かっこ悪いなあ、私。どんなふうにあいつには見えているだろう。さぞかし間抜けに見えてるだろうなあ。 沈黙が怖くなって、私は恐る恐る目を開けた。 あいつの手が、箒をそっとつかんでいた。 ありがとう、と声がした。 にっこりと笑うあいつ。 その一言で、今までの緊張が全部解けたような気がした。 「いいのか…………?」 あいつはうなずいた。 やった。全然私が考えていたのとは違ったけれど、でもうまくいったんだ。 もの凄くかっこ悪いところを見せたけれど、あいつを誘えたんだ。 「よぉし、じゃあ一つ、里まで一気に送ってやるかっ!」 内心で飛び上がりたいくらいに嬉しいことを隠して、私は箒を横倒しにしてそれにまたがった。 「ほら、後ろ。………何だよ、箒に乗るのって初めてか?」 あいつはそうだとうなずいた。 「しっかりつかまれよ…………ってソコに手を入れるなぁ!…………く、くすぐったいぜ………そう、落ちたりしないから柄につかまれって………そうだ、そう」 あーびっくりした。つかまれって言ったらいきなり腋から手を回したからな。ったく、自転車の二人乗りとはわけが違うぜ。 ひたすら謝っているけど、普通以上にびっくりしたことをあいつに気づかれちゃっただろうか。 ううん、気にするな私。今は誘えたことを楽しめ。 「行くぞ、出発!」 私の掛け声と共に、箒は二人を乗せて宙に浮き上がった。 ぐんぐんと高度を上げてから、次いで一直線に猛スピードですっ飛ばす。 私は、あいつの気配を背中に感じられるのが嬉しくて、いつもよりもさらに速く里までの空を飛ばしていった。 …………里についてから、あまりのスピードで箒から降りたあいつが腰を抜かしていたのは、また別の話だぜ。 女の子な魔理沙がメイン。相手に一切しゃべらせませんでした。 霊夢にだって置き換え可能を目指して。霊夢は飛べるけどね。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 311 魔理沙は自分から恋するタイプである事に賛成。 「はっはー、突然ぎょうぎょうしく何の話かと思えば。 要はするにあれだ、とどのつまりこれからもよろしくなって事だろ? ああ、もちろんこっちからもよろしく・・・・・・だぜ!」 なーんてちょっと照れながらニカっと笑ってくれるのが俺の理想魔砲使い。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 319-320 319 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/23(月) 23 46 31 [ FX31OM5U ] デフォルトでそうだとは知らなかった俺を笑ってくれorz あと恋夜抄とは、我らが黒ストの神である偽狼さんがクーリエで描いた絵のこと。 ttp //coolier.sytes.net 8080/oekaki_03/data/kaei_003275.png 魔理沙(黒スト着用済み。スカートをたくし上げてみせて) 「ほら、ほら。なんか私っていつもと違わないか?違うだろ?……え、どこがだって?………鈍いぜ、お前」 320 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/24(火) 01 02 28 [ 4SPonXH2 ] >たくし上げて > た く し 上 げ て > た く し 上 げ て ヽ(*´д`)ノ ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 377-379 377 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/12(日) 21 18 06 [ XhkQP0H2 ] 魔理沙のふあふあの頭をなでなでしてやりたい。 そんで照れた魔理沙に「………バカ」って言われたい。 378 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/02/12(日) 21 42 09 [ noOTZ5wg ] ふあふあ 「……おい」 「んー」 ふあふあ 「おいってば」 「んー」 ふあふあ 「鬱陶しいからやめてくれ」 「んー」 ふあふあ 「はあ……好きにしろ」 「んー」 ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ ゴメン 照れさせることも出来なかったし「……バカ」も言わせられなかった 379 名前: 魔理沙可愛いよ魔理沙 投稿日: 2006/02/13(月) 06 45 39 [ OFUdhxOk ] 寒い。暖房じゃ全然足りん。レティ頑張りすぎだろ。仕方ない、こんな時は…… ――おーい、魔理沙ー。ちょっとこっち来てくれ。 「んー? ってうわっ!」 呼ばれてやってきた魔理沙を、正面からギュッと抱きしめる。あー、あったけー。 「な、なんだ? どうした!? 頭でも打ったのか!?」 ――いや、寒くってさ。 「……お前は寒かったら誰彼構わずいきなり抱きしめるのか?」 ――いや、魔理沙だけ。魔理沙かーいいし、あったかいし、やーらかいし、いーにおいだし。 「~~~っ!?」 バフ、という効果音と共に、魔理沙の顔がトマトばりに赤くなった。 魔理沙は直球に弱い。 しかも紙装甲。それこそパラメーターを全部攻撃に回してるんじゃないか、と思わせるくらい。 そんな内面は誰より乙女な彼女の頭を優しく撫でる。 「んうっ」、っとくすぐったそうに目を細める魔理沙が可愛くて、ついつい撫で続けてしまう。 ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ 「くすぐったい」 ――俺は気持ちいい。魔理沙は? ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ 「くすぐったい」 ――俺は気持ちいい。魔理沙は? ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ 「くすぐったい」 ――俺は気持ちいい。魔理沙は? ふあふあふあふあふあふあふあふあふあふあ 「……分かった。正直に言う。私も気持ちいい。けどいくらなんでも恥ずかしい。放してくれ」 ――知ってる。けど断る。それに、ほんとに嫌なら振りほどけばいいだろ? そんなに強く抱きしめてるわけでもないし。 「……バカ」 掻き消えそうな声で呟いた後、魔理沙は俯いてしまった。 暖炉のパチパチという音をBGMに、まったりとした空気が流れる。もう暫くこうしていよう…… ─────────────────────────────────────────────────────────── 3スレ目 472 魔理沙が家にやってきた。 「寄らせてもらったぜ。………今、暇か?」 ⇒はい いいえ 「そうか。………実は、恥ずかしいけどちょっと魔法の実験で行き詰ってるんだ。この魔法、結構難しいんだぜ。 いろいろ必要なものがあるんだ。吸血鬼の血に、幽霊の髪の毛。それに兎の後ろ足とか、いろいろ。 それでな、仕上げに……き、キスが必要なんだ。これがないと、魔法が完成しないんだぜ。 別に嫌だったら帰るから。私だって、お前とならキスくらいいいかなーって思ったりして。どうなんだよ。協力……してくれる?」 ⇒1 よし、ひとつ協力してやるよ 2 そんなこと言わなくても、キスならいつだってかまわないさ 3 君には霖之助がいるじゃないか。彼に頼んだら? 終わってから顔を赤くして…… 「舌まで入れてくれなんて、頼んでないぜ……」 魔理沙の言っている魔法については、たぶんでたらめってことで。 相手が霊夢だと想像してもそれはそれで。 ───────────────────────────────────────────────────────────
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魔理沙7 6スレ目 522 「年末には、酒だぜ」 「いきなり飛んできて何用だ?」 冬の夜中にここまで来るとは。 「寒くなかったか?」 「寒いぜ。もの凄くな」 「ごくろうさまだ」 「なんだつれない奴だな。飲み明かそうぜ」 魔理沙が家にやってきた。 「今年あった嫌なことを酒を飲んで忘れ、新年を迎える。良いことじゃないか」 ちなみに新年まではまだ数週間ある。 「ほんとうは?」 「眠れなくて暇だったんだ」 「ああそうかい」 どこまで本当なのか分からない。 魔理沙を中に案内し座らせる。蝋燭に火を灯した。 「おお。なんだかロマンチックってやつだな」 「安い酒と野菜の漬物くらいしかないんだけど」 「構わないぜ」 「すまんな」 酒瓶数本と漬物を持って魔理沙の前に座る。 茶碗に注いで軽く持ち上げた。魔理沙もそれに倣う。 「乾杯」 「二人の夜に……ってやつか」 「ああそうだ。君の瞳に乾杯」 「ははは」 何時間経ったのか。 俺も魔理沙も良い具合にできあがってきていた。 宴会の時は酔って騒ぐのが礼儀というものだが、今は二人だけだった。 神社の宴会の時の魔理沙はどのように振舞っているのだろうか。出席したことがないから分からない。 妖精悪魔幽霊妖怪が跋扈している神社の宴会になど恐ろしくていけない。 魔理沙は魔法使いで、かなりの実力があるらしい。前に本人が言っていた。 俺はただの一般人だ。 「魔理沙さぁ」 「なんだ?」 彼女とこうやって夜に呑み合うのはこれで十回目程度だろうか。 「夜に暇なんだったら他の奴のところに遊びにいけばいいんじゃないのか?」 「んんー」 こうやって二人でいるときは魔理沙が一方的に喋って俺がそれに答える。それをどちらかが潰れるまで続ける。 「なんで俺のところに来るんだ?」 「そうだな」 酒の席でつまらない質問だったが、魔理沙は気にしないようだった。 「なんで?」 「夜眠れなくて暇な日っていうのが、そんな多いと思うか?」 じっと魔理沙が見つめてくる。彼女のその言葉の意味するところがわからなかった。 「いや、おまえに限ってそんな日があるとは思えん」 「そうかい」 いつもは酔う前も酔った後もガンガン喋ってくるのだが、今日はどうしたことか。ずいぶんおとなしい。 「まあ普通は夜寝てるよな。起きてるのは妖怪とか悪魔とか」 「そうだぜ。だからおまえのところに来るんだ」 俺も寝てるんだよ。とは言わない。 「おまえが来るたびに家のお酒が無くなるんだよ」 「そりゃあ、二人で呑んでたらそのくらいは当然だぜ」 家の中は蝋燭の火だけで照らされている。魔理沙の顔くらいは見えた。 「今度から自分の酒は持参してほしいもんだ」 「肝に銘じておくぜ」 魔理沙は泣き上戸だったろうか。 「それは前にも数回聞いたぞ」 「安い酒なんだろう? ケチケチするな」 さっきから俺は何を考えているのか。支離滅裂だ。 俺も相当酔っているようだ。 「綺麗だな」 「蝋燭?」 魔理沙が突っ伏していた顔を起こしてポツリと。 もう潰れて寝たものだと思っていた。その寝顔を肴にして俺は呑んでいた。 「でも私はもっと派手なのがいいぜ。この三十倍はありそうなのが」 そんなでかいものはどっかの屋敷かお城とかにしかない。三十倍の大きさの蝋燭も無いだろうが。 「……」 じっと火を見つめている。瞳にそれが映って、魔理沙の顔がとても綺麗に思えた。 ゆらゆらと瞳が揺れる。 「どうした。らしくない」 「私にだってな……こんな日は存在するぜ。……一応な」 「まーそうだな。女の子だもんな魔理沙も」 「……そう、私も女だ。忘れちゃいけないぜ」 身体を起こしてこちらに顔を向ける。酔っ払いの顔だった。 その顔を正視できないのは俺も酔っ払っているからか。 茶碗を呷り顔を隠すようにした。 「女には憂鬱がつきものだぜ」 「そうらしいな」 「そして私は今憂鬱だ」 「みたいだな」 「私は女か?」 「そうだ。可愛い少女で魔法使いだ」 酔っ払いをまともに相手にできない。いつものように適当に相槌を打つ。 その態度が気に食わなかったのか、突然魔理沙が立ち上がった。 何事かと吃驚する間もなく、酒瓶を引ったくりそれを一気に呷った。腰に手を当てて。 「おいよせ」 立ち上がり強引に取り返した。安い酒だが、一気飲みなどするとどうなるか分からない。俺ならまだしも、魔理沙はまだ少女の年齢だ。 多少中身がこぼれてしまった。一杯程度か。もったいない。 舌打ちし文句を言ってやろうと魔理沙を睨む。 顔は前髪で隠れていた。 ということは俯いているということだ。 まさか…………泣いてる? んな馬鹿な。 首を振って阿呆な妄想は消し去った。 あの魔理沙が泣くのだろうか。 少し屈んで高さを合わせた。魔理沙とは身長差がそれなりにあるのでこうしないといけない。 そうしてやっと見えた彼女の顔は無表情だった。ほら泣いてない。 こっそりと安堵の息を吐いて頭に手を置いてやる。 「ごめんな」 以前にもこうやって頭に手をやって撫でてやったら怒られた。 子供扱いするなと。 俺のほうが年上だ。 魔理沙を助けてやれるのは俺以外にもいるだろうが、今は俺しかいない。 自惚れだ。 「……なんで謝る」 やっとこちらを見てくれた。表情にも変化が見れた。不満そうだ。 そういえば意味も無く謝るなと怒られたこともあった。怒られてばっかだった。 「癖だ。俺は困ったら謝ってしまうんだ」 「その癖、直したほうがいいぜ。正直嫌だ」 そう言うと俺の手を頭からどかした。 俺も背筋を伸ばす。もう屈んでる必要はない。見上げてくる魔理沙が頭を下げた。 蚊の鳴くようなか細い声で 「すまん」 「なんで謝る」 「嫌な女だぜ、私」 「気にするほどじゃ無いな」 素っ気無く返した。冷たいかもしれないが、言ってしまっては仕方ない。 気まずい沈黙。 俺と魔理沙との会話は単純だ。 魔理沙がボールを投げて俺が受け取る。投げ返すことはあまりしない。 ただひたすら魔理沙の言葉をもらうのが基本だった。 矢印は魔理沙から俺へ向けられるが、俺から魔理沙へ向けられることは今まで滅多になかった。 ひたすら受身の俺は、魔理沙の一方的な調子が合っていたのだ。 まさか、その彼女といて重苦しく感じられるとは思わなかった。 悔しい。 「……今日は泊まっていくのか?」 一応、訊いておいた。 この雰囲気で再開してもしょうがない。今日はお開きだ。 稀にだが、魔理沙は泊まっていくことがある。だから一人暮らしの俺でも布団は二人分だ。 「いや、今日は帰るぜ。お邪魔さまだ」 「そうか。で」 帽子を被り箒を持つ、帰り支度をしている魔理沙に訊いた。 「次はいつ来るんだ?」 驚いた顔でこちらに振り向いた。 いつも通りの言葉だ。 これは挨拶のようなものだった。別れの挨拶だ。 何回も繰り返して、もう俺の中ではシステム化してしまったものなのだろう。頭に浮かべるより速く発した言葉。 それをこんなにも驚いている。不思議である。 考えてもどうせ分からないだろうし、構わず続ける。 「せめていつ頃来るのか教えてくれよ。酒無しでも構わないのならいいんだが」 「……そうだな。気が変わった」 帽子を脱いで箒をその場に立てかけている。 俺のには答えてくれなかったが。 「あ?」 「今日は泊まっていくぜ。酒が抜けてないのに空なんか飛んだら危ないしな」 少し笑ったように見えた。 なぜか魔理沙は泊まっていくようだ。 何を考えているのか分からん。酔っ払っているのだろう。 窓際のベッドには魔理沙が座っていた。その横に俺が布団を敷いて寝ている。 蝋燭を消した今は窓から差し込む月明かりだけが視力を助けている。 「今日は疲れたぜ」 「そうだなー。魔理沙もお疲れだ」 「女はたいへんなんだ」 「勉強になります」 「恋する乙女ってやつだ」 「なるほどね」 感慨深そうに言ってくる。 乙女は酒を酔うほど呑むのだろうか疑問だ。 「この場合、恋する乙女ってのは私のことだな」 「そうですかい」 「私は誰に恋してると思う?」 「俺か?」 「そうだ」 「ありがてぇな」 まだ酔っ払っているのか魔理沙は。ありえないことを口にしている。 その言葉に何も感じなかった俺も相当酔っているのか。 もっと喜んだらいいのに。 冗談を言っているように、笑いながら、魔理沙はぺらぺら喋る。 「出会ってから今まで、いつ惚れたのか、いつそれに気づいたのか分からないけど、私はおまえが好きなんだ。会うたびに微笑んでくれる、ご飯くれたり、 私の無茶な要望にも文句言っててもそれなりに叶えてくれたし、素っ気無かったり子ども扱いしたり、おまえといると楽しいんだぜ」 ベッドを叩きながら笑う。なにがそんなに可笑しいんだ。笑うところが見当たらない。 寝ていた体を起こす。無邪気にベッドに腰掛けている魔理沙を見上げた。 魔理沙の顔は逆光になって見えなかった。笑っているのか? そうでないのか? どちらでもいい。 ずっと訊きたいと思ってたを訊いた。 「おまえ酔っ払ってるのか?」 「さあな。どうおもう?」 質問を質問で返すか。 「分からないが、とりあえず告白されたからには答えなくては」 正座して向き直る。言っておくが、俺は酔っ払ってはいない。酔いは醒めた。 そう信じたい。酔っているのだとしたら最悪だ。 しっかりと彼女を見据え、言い切った。 「俺も好きだ。愛してる、魔理沙」 「……いつから?」 「一目惚れで、それに気づいたのがその次の日」 覚えている。初対面で大きな笑顔だった彼女を。空からやってきた魔理沙を。 魔理沙が微笑んだ。……気がした。 顔がすっと近づいてくる。 「嬉しいぜ。夢みたいだ」 「夢かもしれない」 「そうか。だったら、好きなようにしないと損だぜ」 「ああ」 近づいてくる彼女に合わせて俺も近づく。 唇が触れ合う。それだけ。 魔理沙が倒れ掛かってきた。座ったまま抱きとめる。 「……あったかいな、おまえは」 「魔理沙も」 抱きついてくる力が強まった。ぎゅっと、きつく。 吐息を体にかけられた。 胸に顔を埋めた魔理沙が吐いたものだった。長い長い、なにもかも吐き出すような息。 その息に紛れて言った言葉を聞き逃さない。 「あぁ……幸せだぜ」 「俺も」 「おまえも、好きなようにしたほうがいいぜ?」 「じゃあこうする」 抱いたまま頭を撫でてやった。魔理沙は嫌がらない。そのまま撫でてやる。 彼女の寝息を確認するまでずっと。 魔理沙が目を覚ました。 「おぅ……おはようございます」 「おはよう」 ベッドから身を起こす。もう朝だ。どちらかというと昼に近い。 俺は、あのまま寝た魔理沙をベッドに寝かしてやってからずっと起きていた。寝たら夢になってしまいそうで。 今この瞬間が夢でないという保証もない。なにしろ眠い。 自分の体を見下ろして、魔理沙がポツリと言った。 「あー……よし、襲われてないぜ」 「疑ってたのかよ」 魔理沙はニヤリと笑い 「こんな可愛い魔法少女だ。男なら誰でも据え膳だぜ」 「意味わからん」 彼女に帽子と箒を渡してやる。それを笑顔で受け取る彼女に訊いてみた。 「なあ、昨日のこと覚えてる?」 「昨日と言ったら、おまえが酔って裸踊りをしたところまでしか覚えてないぜ」 「してないが、そうか」 やっぱり魔理沙は酔っ払っていたのだろうか。それならそれでいい。良いことがあったことに変わりない。 いつかまた、今度は俺のほうから告白するのも悪くないと思えるようになった。 「おまえのほうこそ、昨日なにがあったか覚えてるのか?」 意地悪そうに訊いてくる。 「俺も、魔理沙が酔って俺に告白してキスしてきたとこまでしか覚えてないぜ」 「そうかそうかそうか」 魔理沙はいやらしい笑みを崩さず頷く。 グイッと両手を挙げて背筋を伸ばした。もう帰るのだろう。 帽子を手に取り被ろうとする魔理沙に、慌てて言った。なんとなく、今帰してしまうのは惜しいと感じた。 「あ、朝飯……とは言えないが、昼飯とも言えないんだが。なんか食べてく? 作るぞ?」 「おお。嬉しいぜ。ありがたく頂いていこう」 その笑顔がまぶしいと思った。 ただ単に陽光が差し込んできただけだったが。 魔理沙が帰ったらゆっくり寝よう。さすがに眠いから。 あの出来事を、寝たら忘れてしまうかもしれない。夢のようなあの夜が夢になってしまうかもしれない。 それも構わないだろう。 とりあえずは、これからも魔理沙と一緒にいられそうだ。 「作るのなら早くしてほしいぜ。腹ペコだ」 「はいはい」 ──────────────────────────────────────────────── 6スレ目 584 今年のクリスマスも何もなかった。 恋人同士で過ごす聖夜なんていうのは、きっと都市伝説に違いない。 一人でぼんやり空を眺めていると、一筋の光が見えた。最初はただの流れ星だと思っていたのだが、どうやら違うようだ。 それ自体が星を撒き散らしながら、一直線にこちらへ向かってくるような星は僕は聞いたことがない。 「――――――!」 数秒後、それなりに片付いていた僕の部屋は廃墟と化していた。まさに嵐が過ぎた後のようだ。 もっとも、その嵐の元はここにいるのだが。 「よっ、メリークリスマスだぜ」 「……魔理沙か」 その少女、霧雨魔理沙は何事もなかったかのように僕に笑いかけてきた。 怒る気力も出ないので、精一杯の愛想笑いで応えてやる。 「なんだ、せっかくのイブの夜だってのにお前はまた一人身か?」 「ほっといてくれよ。……ところで、魔理沙は何の用なんだい?」 「そんなの決まってるだろ。ほら」 魔理沙は背中に担いでいた白い袋を高々と掲げた。 おそらくはサンタクロースを意識しているのだろうが、基本的に白黒の服装である彼女にはどうも似合っていなかった。 「ふーん。で、僕には何をくれるんだい?」 「わかってるなら話は早いぜ。これだ」 魔理沙が取り出したのは、鮮やかな装飾の施された箱であった。 「これは何かっていうとな……」 そう言うと、魔理沙はそのラッピングを解き始めた。即座に開けるのなら飾り付ける意味がないじゃないかと突っ込みたくなったが、とりあえず黙っておいた。 「クリスマスっていったらこれだろ? ケーキだぜ」 「へぇ……しかし変な形をしているな」 「し、仕方がないだろ! 初めて作ったんだから……あ」 お世辞にも整っているとは言い難いチョコレートケーキが、箱の中から姿を現した。 僕が少しコメントしてやると、魔理沙はまたあっさりと自滅した。 顔を赤くして下を向いている。 「魔理沙の手作りねぇ……」 「い、いいから早く食えよ!」 魔理沙が押し付けるようにしてケーキをさしだしてきた。 顔がチョコまみれになるのは嫌だったので、僕は近くの食器棚から皿とナイフを取り出した。 どうせ魔理沙も食べるだろうから、皿はニ枚持っていく。 「ほら、これに取り分ければいいさ」 「妙に用意がいいじゃないか」 「これぐらいは誰でも持ってるだろう」 魔理沙の言葉を軽く受け流しながら、ケーキにナイフを入れた。 二つに切り分けると、その物体はいよいよ原形を留めなくなってきたが、食べられれば問題はないだろう。 「じゃ……いただくよ」 僕は箸でケーキをつまんで口に運んだ。あいにくフォークなどという素敵なものは持ち合わせていなかったのだ。 チョコの味が口の中に広がる。決してしつこくなく、ちょうどいい甘さだった。 「なかなか美味しいじゃないか。食べ物は見た目によらないんだな」 「あー、だからそれはもういいだろ」 それからしばらくの間、そのケーキを堪能していた。 僕は自分の分を半分ほど食べ終えたところで、魔理沙の分が全然減っていないことに気がついた。 「どうした、食べないのか?」 「いや、そうしたいのは山々なんだけどな……」 見ると、魔理沙の皿の上で箸が奇妙なダンスを踊っていた。どうやら、魔理沙は箸をうまく扱えないらしい。 「なぁ○○、フォークとかないのか?」 「あれば使ってるさ」 「そうか。うーん…………じゃあ○○、これ」 「うん?」 魔理沙は僕に箸を渡すと、大きく口を開いて静止した。 その意図がわからず、僕のほうも動きが止まってしまう。 「…………」 「……何やってるんだ?」 「いやだからさ、食べさせてくれよ。それ使えるのお前しかいないんだから」 「ああ」 ようやく合点がいった。僕は箸でケーキをつまむと、魔理沙の口の中へ放り込んだ。 「ん…………おお、これは美味いじゃないか」 ものを美味しそうに食べることに関しては彼女の右に出るものはいないだろう。 そんなどうでもいいことを考えながら、僕は満足そうに口を動かす魔理沙の顔を見つめていた。 「……ありがとな」 魔理沙の顔が、なぜか少し赤くなっていた。部屋の暖房が強すぎたのだろうか。 「なぁ○○」 「なんだい?」 「…………きだぜ」 「え?」 僕は窓を開けながら、背中で魔理沙の話を聞いていたため、その言葉の一部しか聞き取れていなかった。 今一度、魔理沙に聞き返す。 「ごめん、よく聞こえなかった。もう一度言ってくれないか?」 「……なんでもない」 「?」 魔理沙はまた下を向いてしまった。心配になり、その顔を下から覗き込む。 「どうしたんだい? どこか具合でも……」 「いや、だ、大丈夫だぜ! それより!」 「ん?」 「今日はここに泊まってもいいか?」 「別に構わないけど」 「サンキュ」 そう言うか早いか、魔理沙はすぐに横になってしまった。 布団を敷くから待てと言ったが、彼女はそれきり起きてこなかった。仕方なくそのままにして、毛布をかけておいてやる。 僕は再び窓の外を眺めた。 「メリークリスマス、か」 見上げた夜空には、ちらほらと雪が降り始めていた。 こうして僕のクリスマスは、それなりに楽しく過ぎていったのだった。 ──────────────────────────────────────────────── 6スレ目 585 今日はいわゆるクリスマスというやつだ。 もう幻想郷にいる僕にはあまり関係ないのかもしれないけど。 そんなことを魔理沙に話してみたわけだ。 「ふーん。おまえの世界だと、クリスマスってのが今日になるわけだ」 「うん」 「めでたいのか?」 「えーと、みんなで騒いで美味しいもの食べる」 「こっちの宴会と変わらないじゃないか」 「そう言われてしまうと」 「しかもこっちは年に何回もやる。私たちの勝ちだぜ」 「勝ち負けがあるのね……あ、クリスマスには、プレゼントがもらえるんだよ」 「なに? おまえ、そういうことは早く言わないとダメだぜ」 「ごめん。って、その手はなに?」 「プレゼントだ。欲しいぜ」 「魔理沙……残念だけど」 肩に両手を置いてかぶりを振る。 諭すように言ってあげた。 「クリスマスプレゼントは、良い子にしてた子供しかもらえないんだ」 「なに?」 眉を顰めて驚く魔理沙。心外だと言わんばかりに 「私は子供だぜ。しかも良い子だぜ」 「なんでそう当然そうに言えるんだろう……」 「ひどいぜ」 「わかったよ……で、魔理沙は何がほしいの?」 「おまえ」 「はい?」 「おまえが欲しいぜ。身も心も。……ダメか?」 いつもどおりの口調だが、顔は真っ赤だった。ついでに瞳も潤んでいる。 いきなりだったので、僕は返す言葉が出てこなかった。 「や、やっぱりいい。忘れてくれ。バカなことを言っちまったぜ」 帽子を深く被って顔を隠す魔理沙。そっぽを向かれてしまった。 ……ちょっと泣き顔だった。 そんな魔理沙を優しく包み込んであげる。 ちょっと照れくさくて、苦笑してしまった。 「バカだな魔理沙は」 「う、うるさい。なんだよ急に」 「とっくに、僕は魔理沙のものだよ。知らなかった?」 「そっ……そいつは、知らなかったぜ。なんだ。えへへ」 帽子で隠れて見えないが、きっと魔理沙は耳まで真っ赤なはずだ。それととびっきりの笑顔。 くるりとこちらを向いてきた。 やっぱり笑顔だ。 魔理沙がキスをしてきた。不意打ちだったから、一秒と触れることはなかった。 それでも魔理沙は笑っている。 「じゃあ、さっきのプレゼント無しにしてくれ」 「あ……まだそれ引っ張るんだ」 「そうだな。じゃあおまえとの子どもが欲しいぜ」 「ちょ、それは」 「いやか?」 「いやじゃないしむしろ嬉しいんだけど……魔理沙はまだ子どもだから、さ」 「愛に年齢差は関係ないぜ。それにおまえもほとんど同じくらいじゃないか」 「あ~……じゃあ、予約。うん予約にしとこう」 「それでもいいか。私とおまえとの子どもだ。予約しとくぜ」 「何年後のクリスマスだろうね」 「私はいつでもいいんだぜ。おまえさえよけりゃ」 ──────────────────────────────────────────────── 6スレ目 770 里のはずれの目的地。男が一人ぽつんと焚き火をしているのが目に入った。 上空の私に気がついて、露骨に首をたれる。 思わずニヤリとしながら男の傍まで降りていく。 「珍しい奴が珍しい所で珍しい事してるな」 「騒々しい奴が騒々しく現れて騒々しく近づいてくるな」 「そんなに褒めるなよ。照れるじゃないか」 「褒めてねえよ、魔理沙」 いつのも挨拶を済ませて、私は焚き火から突き出ている一本の枝に目をとめた。 「で、まだ焼けないのか?」 その先に突き刺さっているであろう物体の事を聞くまでもない。 間違いなく焼き芋だ。 「一応言っておくが、一つしかない」 「私のために焼いておいてくれたんだろう? 愛されてるな」 そういって焚き火に近寄り手をかざすと、後から聞こえよがしなため息が聞こえた。 いつもの諦めた合図。今日も私の勝ちだ。 「どれ、もういいか?」 「あぁ、もういいぞ」 そう言って男は焚き火から枝を引っこ抜く。その先には芋の形をした新聞紙。 私はそれを受け取って新聞紙をはがしていく。 「お、美味そうだな。ていうか、新聞をこんなふうに使ったら、文が怒るんじゃないか?」 「古新聞の有効活用だ。むしろ褒めてくれるさ」 「そうかね?」 まぁ、むしろ気にしたりしないのかもしれない。 「おお。美味そうだな。 よし、お前にも半分やるぜ。バレンタインだ」 一日遅れだけどな。とは口に出すまでもなかった。 「一日遅れの上に元々俺のだよ」 「まぁいいじゃないか」 「いいけどな」 半分に割った焼き芋を手渡し二人でかぶりついた。 「それにしても美味いな」 「あぁ。美味いな」 「風情があるからかね」 「お前と一緒だからな」 ………… 「照れるなよ」 「いや、無理だろ。照れるぜ。というか恥ずかしい奴だな。それにキザだぜ」 「焼き芋うまいなぁ」 「お前も照れてるんじゃないか?」 「ま、な」 ──────────────────────────────────────────────── 7スレ目 90 「茸狩りに行こうぜ」 霧雨魔理沙が自由奔放、且つその場の気分に合わせて行動をしていることに加え、彼女の使用する魔法に魔法の森の茸が必要不可欠である事を考えれば このような発言が出てくることも至極当然、そうでないのがおかしいとも言える。 それでも彼女の傍らについている男――○○が頭を抱えるのは仕方が無かった。 なぜなら……… 「だからと言って人が気持ち良くまどろんでいる時にわざわざ起こしにくるんじゃなぃ……」 そう、今は深夜なのだ。 もう少し詳しく言うなら、草木も眠るような時間帯であるということぐらいか。 「全くお前はいつもいつも突然というか何と言う、っくあぁぁ……」 注意の声も語尾には覇気が無くなっている。 彼が浮かべた欠伸の数はついに二桁に突入し、目尻に浮かんでいる涙もその眠気を存分に表現していた。 「別に普通だぜ?」 だがそんな事でかの霧雨魔理沙が反省、まして罪悪感を感じるわけも無く、夜中であっても白昼と変わらぬ姿を見せている。 寧ろ二割ほど元気が増している様にさえ感じるのは、きっと隣の人物と相対的に見ているからなのであろう。 「そう思うのはお前だけだろうよ。…ったく、何で俺がこんな事……」 一方の○○はさっさと事を済ませて再び心地よい夢の世界にダイヴを決め込みたかったので、眠たげながらも手をせかせかと動かした。 寝ている彼を叩き起こす魔理沙も魔理沙だが、それに付き合ってわざわざこうして苦労している彼も大概である。 というのも彼には彼女の申し出を断れない理由があるわけで。 「当たり前だろう。恩義ってのは返すためにあるんだぜ?」 ここに訪れた当初身寄りの無かった○○に雨風凌げる家屋と一日三食の食事を提供しているのは、何を隠そう第一発見者の霧雨魔理沙なのだ。 その対価として何かを支払うのは人道的にも道徳的にも当然であるのだが、 「だからってこれは過剰労働じゃないのか…」 やっぱり彼は納得がいかなかった。 それもその筈、魔理沙の要望はどれも度を越えたものばかり。 初めの内は納得していたものだがそれが次第に無理やりになり、果てには自分に言い聞かせるのも諦める。 そりゃ愚痴もこぼれるし胃も痛むってもんである。 「それはお前の考えすぎだ。物事は客観的に捉えなくちゃいけないぜ?」 「誰がどう見ても世論は俺に味方すると思うんだが」 「それこそが自己中心的な思考ってやつだ」 魔理沙が屈み込んで茸の採取に勤しむ○○の顔を覗き込んで意地の悪い笑みを浮かべる。 ああ言えばこう言う。屁理屈はその弾幕の如き力技で押し通す。 それが霧雨魔理沙、其の人となり。 だから堂々と在りもしない胸を張って泥棒家業などという悪行を罪の意識など感じずに続けられるのだろう。 単に、神経が図太い。 いい加減自分の反論も徒労にしか成らない事を彼は徐々に認識し始め、大きな溜息で会話を締め括った。 ―――もう籠も一杯だ。 「もう十分だろ、帰るぞ」 一言だけ吐き捨て、○○は魔理沙からの返答も待たずに一方的に歩き出す。 少々ぶっきら棒と言われればそうかもしれないが、眠気と疲労がピークに達している彼にとってはその対応はまだ穏便なものであった。 が、 「まあ待て」 突如魔理沙にがっしと腕を掴まれる。 当然の如く、○○の足はその場で止まった。 「……何だ」 「今日はそんなクレームだらけのお前を、この私が直々に労ってやろうと思ってな。さあ喜べ」 「明日で結構だ」 ぐいっ 「明日って今さ」 「いや、お前何言ってる」 「女性からの申し出を断るなんて失礼な奴だ」 「真夜中に枕元で魔砲をぶっ放して人を起こす様な輩を世間一般はレディーとは呼ばん」 「まあいいさ。どの道お前に拒否権は無いからな」 「それは労いじゃ無いだrって、うおおおおおぉぉぉぉ---!?」 あっという間に100km/hの世界へご招待。 ○○の意見など聞く耳持たず、魔理沙は腕を掴んだまま箒で空へと滑空した。 「ちょ、おま、寒い!スピード落とせっ、こら!!」 「あー、良く聞こえんな?」 「こんの野郎おおおぉぉぉ!!」 「野郎じゃなくてアマ、だ。言葉は正しくな」 「ばっちり聴こえてるじゃねぇかああああぁぁぁぁ……―――!」 その日の夜は曇りなのに、一筋の流れ星がやけにはっきり北の空に流れたそうな。 「着いたぜ」 「……まさかあの世じゃなかろうな」 「残念、森の外れだ」 たっぷり10分ほど夜の空中散歩を楽しんだ後、箒は漸く目的地に降り立った。 ○○の頭には少々白髪が浮かんでいる。まあ霜なのだが。 「これで大した事無い持て成しだったらその暁には……」 既に心情は怒りを通り越していて、次の呆れの更に先にある絶望に達していた。 だがやっぱり魔理沙はそんな事を気にも留めていない。 「ま、苦言を吐くのはこいつを見てからにしてくれ」 ん、と○○が垂れていた頭を上げる。 果たしてその目に映ったものは………… 「こいつは……」 「な、言っただけのことはあるだろ?」 勝ち誇ったように魔理沙が口を吊り上げる。 事実○○は言葉を返すことが出来なかったのだから、今回の勝者は彼女なのだろう。 顔を上げたその先にあったのは、満開に咲き誇る一本の桜。 何処か幽玄に見えるのは周りの鬱蒼と茂った樹木とのコントラストの所為か。 今が盛りとばかりにその手を一杯に広げて自身の存在を存分に主張していた。 「偶然ここに流れ着いたんだろうな。私しか知らない特等席だぜ?」 今は魔理沙の解説も○○の耳には入ってこない。 それほどに目の前の光景は、彼の心を、目を奪い、虜にするほど素晴らしかった。 「で……あの…、その、………どうだ?」 どれだけの時間見惚れていただろう。 ふいに聴こえてきた魔理沙の声で○○は我に返り、声のする方に目を向ける。 そこには紅くなった顔を背け、ちらちらと横目で彼の顔色を伺うような魔理沙の姿が。 今の桜と同程度とまでは行かないが、その見慣れない彼女の仕草に幾らか○○は驚いた。 そして今が好機、とばかりに急に開き直ってみる。 「んー、そうだな」 「や、やっぱり、迷惑だったか?その、無理やり連れて来て……」 いつも通りならここで「何を今更」と返していることだろうが、それでは勿体無い。 日ごろの仕返しという事でもう少し焦らしてみよう、という考えが○○の頭に浮かんだ。 「確かに、寒かった」 「……ああ」 「俺の言葉も無視して勝手に飛んでいくしな」 「うぅ……」 「普通だったら怒って当然の事だ」 「…………」 途端にしおらしくなり、項垂れる魔理沙。 いつも見てる傍若無人な彼女とはまるで180度違う。まるで別人の様だ。 「でもな」 しかし、その一言で俯いていた魔理沙の顔が上を向く。 「この桜だったらそれぐらいの目にあっても見に来たいと思う」 これは嘘偽りでない、○○の本心だった。 その言葉を聞いた途端、彼女の表情に見る見る光が戻って来る。 「……ああ、何せ私が見つけたんだからな!」 そして先ほどまでの悲しみに濡れた顔は何処へかと消え去り、いつも通り、否、それ以上の微笑みを浮かべる霧雨魔理沙が、そこにはいた。 ……○○が密かにチクショウ、こいつ中々可愛いところあるじゃないか、とか思ったのは永遠の秘密である。 「……しかし、何でまた?」 数刻後、さっきから気になっていた率直な疑問を○○が尋ねた。 「おいおい、私が一番最初に言った台詞を覚えてないのか?」 すっかり調子も戻り、普段見かける通りになった彼女がいそいそと何かを取り出す。 「私はお前を労ってやるって言ったんだぜ? それにこんな花の下でやる事と言ったら、一つしかないだろう」 ドン、と○○の目の前に現れたのは、『水道水』と書かれたラベルの貼られている大き目の瓶だった。 桜の花の満開の下、舞い落ちる花弁を肴に二人は盃を交わす。 「ふむ、花見で一杯、か」 「悪くないだろ? おまけに絶世の美少女まで付いて言う事無しだな」 「自分で言うと格が下がるって知らないのか?」 「ところがどっこい、奇妙な事に私が言っても大丈夫なんだな」 「そりゃあ森田も吃驚だ」 いつもと同じ遣り取りも、この時ばかりは言葉が弾む。 「……綺麗だな」 「ん? 私の事か?」 「魔理沙がそうだと思った方」 「そうか、そうか」 「……本当に、綺麗だ」 「当たり前だな」 通い合うのは言葉と心、重ね合うのは思いと掌。 「……好きだぜ」 「桜がか?」 「○○がそうだと思った方」 「ふーん」 「お、もう空だな。注いでやろうか?」 「知ってる、俺もだ」 「……音速が遅いぜ」 「っと、お代わり足してくれ」 そんな二人の仲睦まじい様子を、桜だけが静かに見守っていた。 「こ、これは特ダネです! まさかこんな所で逢引きの現場に出くわすとはぎゃああああぁぁあぁ!!」 「お前容赦無いのな」 「人の恋路を何とやらってヤツだ」 訂正。桜+αが密かに垣間見ていた。 ▽▽▽▽ あとがきんちょ 桜の花の下から人間を取り去ると怖ろしい景色になります。 最近連投気味でディ・モールトごめんなさい。 とりあえず、あと残す所はフランちゃんとウフフぐらいか。 ▽▽▽▽ ──────────────────────────────────────────────── 里のはずれの目的地。男が一人ぽつんと焚き火をしているのが目に入った。 上空の私に気がついて、露骨に首をたれる。 思わずニヤリとしながら男の傍まで降りていく。 「珍しい奴が珍しい所で珍しい事してるな」 「騒々しい奴が騒々しく現れて騒々しく近づいてくるな」 「そんなに褒めるなよ。照れるじゃないか」 「褒めてねえよ、魔理沙」 いつのも挨拶を済ませて、私は焚き火から突き出ている一本の枝に目をとめた。 「で、まだ焼けないのか?」 その先に突き刺さっているであろう物体の事を聞くまでもない。 間違いなく焼き芋だ。 「一応言っておくが、一つしかない」 「私のために焼いておいてくれたんだろう? 愛されてるな」 そういって焚き火に近寄り手をかざすと、後から聞こえよがしなため息が聞こえた。 いつもの諦めた合図。今日も私の勝ちだ。 「どれ、もういいか?」 「あぁ、もういいぞ」 そう言って男は焚き火から枝を引っこ抜く。その先には芋の形をした新聞紙。 私はそれを受け取って新聞紙をはがしていく。 「お、美味そうだな。ていうか、新聞をこんなふうに使ったら、文が怒るんじゃないか?」 「古新聞の有効活用だ。むしろ褒めてくれるさ」 「そうかね?」 まぁ、むしろ気にしたりしないのかもしれない。 「おお。美味そうだな。 よし、お前にも半分やるぜ。バレンタインだ」 一日遅れだけどな。とは口に出すまでもなかった。 「一日遅れの上に元々俺のだよ」 「まぁいいじゃないか」 「いいけどな」 半分に割った焼き芋を手渡し二人でかぶりついた。 「それにしても美味いな」 「あぁ。美味いな」 「風情があるからかね」 「お前と一緒だからな」 ………… 「照れるなよ」 「いや、無理だろ。照れるぜ。というか恥ずかしい奴だな。それにキザだぜ」 「焼き芋うまいなぁ」 「お前も照れてるんじゃないか?」 「ま、な」 6スレ目 770 ──────────────────────────────────────────────── 7スレ目 307 日も落ちて、家でぼーっとしていると魔理沙がやってきた。 どうも霊夢と勝負して負けたらしく、不機嫌そうな顔で不満や愚痴を零し続ける。 「なあ、やっぱりお前も弾幕ごっこの強い女がいいのか?」 「あんまり気にした事はないけど、魔理沙が強かったら最高だな」 「じゃあ今の私はよろしくないのか」 そう呟くと、そのまま魔理沙は帰っていった。 翌日、家でぼーっとしてたら扉を吹っ飛ばして魔理沙が飛び込んできた。 「霊夢に勝ったぜ! どうだ、これなら最高だろ!」 ああ玄関の修理必要だけどそれ以上に魔理沙かわいいよ魔理沙 ──────────────────────────────────────────────── 7スレ目 314 「魔理沙、今から言うのは閂の話だ。ところで紅魔館の図書館に行くんだが俺と付き合ってくれないか?」 ──────────────────────────────────────────────── 7スレ目 436 魔「はあー○○の作るご飯は本当にうまいな」 ○「そうか?まあ、それが俺の能力だしな」 魔「謙遜するなって」 ○「まあこんな料理でよかったら毎日作ってやるよ」 魔「ま、毎日って・・・・・////」 ○「ん?なんか変なこと言ったか?」 魔「い、言ってないぜ、そうか毎日か・・・・」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 7スレ目 686 最近魔理沙の様子がおかしい、毎日のように遊びに来るのだ まあ別にそれはかまわない。 むしろ暇だからちょうどいい、だが来るときの格好が奇妙だ 3日前は俺がもといた世界の学生服のようなものを着ていた 「どうだ?○○」と感想を聞かれたので 「それは男物だったはずだが」といったら その後のことは何も覚えていない、なんか世界が真っ白になった 一昨日今度はうどんげのようなウサギの耳を生やしていた 「これはどうだ?」 また聞かれたので俺は 「変なきのこでも食べてはえてきたのか?」と聞いた そしたら口に変なきのこをぶち込まれて気を失った きのこはうまかったから味噌汁の具にした 昨日今度は巫女の格好をしていた、霊夢が着ているような 変形したものではなく、普通の神社のものだった 例によって感想を聞かれたので 「霊夢が着ているやつのほうがかわいいよな」 って言ったらマスタースパークが…… そして今日は来なかったで とりあえず最近のマリサの奇行について何か知らないか パチュリーに尋ねようと紅魔館の図書館に来た 門番は誰かに襲われたのか気絶していた 「あなた気づかなかったの?」 用件をを話すとパチュリーは驚いたように言った 「何がだ?」 そういうと彼女はため息をついて一冊の本を取り出した 「その原因はこれよ」 その本はどうも俺の世界のファッション誌のようだ しかし中身はかなり濃いというかコスプレとかが中心だった 「魔理沙はこれの真似を?」 「そうよ、『○○の気を引く方法はないか?』って聞かれて 『○○の世界の格好でもすればいいんじゃない』って見せてあげたのよ」 「しかしまたマニアックなものを……」 俺は本のページをめくりつつ言って気づいた 「俺の気を引く?」 「そうよ、あなたの鈍感は知ってたけどこれほどとはね」 パチュリーは呆れたように言った 「知らなかったな、てっきりちょうどいい遊び相手程度に思われてると……」 確かに俺は鈍感かもしれない するとパチュリーは本に目を落としながら 「まああなたのその反応を見る限り意味はなかったようね」 と言った 「これは……ちょっとな」 マニアックすぎるというかなんというか 「俺は今のままが一番いいと思うんだが」 「全く、それは魔理沙に言ってあげなさいよ」 「そうだな、もう感想答えるのもめんどくさいしな」 そういって俺は倒れていた門番を思い出した 「そういえば魔理沙きたのか?」 「ええ、その本はあなたに効果がないからって新しい本を借りていったわ」 「新しい本?」 「ええ、あなたの世界の本でタイトルはたしか……」 俺はその本のタイトルを聞き挨拶もそこそこに図書館を飛び出た そのままの勢いで魔理沙の家に急いだ 「魔理沙入るぞ!」 ノックもせず魔理沙の家のドアを開けた 「○○!?」 魔理沙の手にはいろいろな化粧品が握られていた 「魔理沙、一回しか言わないからな」 俺は大きく息を吸い 「俺は今のままのお前が好きだ、だからそういうことしないでくれ」 と一気に言った 「○○……」 魔理沙は化粧品を机に置いた 「本当か?信じていいんだな」 「ああ、俺は今の魔理沙が好きだ」 そう言って俺は彼女を抱き寄せた そして落ち着いてから二人して自分たちの行動にお互い テレながら一緒にすごしていると 魔理沙が 「でもなんでこんなにいきなりなんだ? 今まで全然だったのに」 「いやそれは魔理沙が持っていった本がさ……」 俺は机の上の本に目をやった そこには顔を黒く塗り、唇を白くした山姥の様な女性が写っていた ───────────────────────────────────────────────────────────
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431 :疲れ気味のゆきさん(koha) ◆xB1DYLXEvU :2005/11/07(月) 00 59 28 ID e+WCb1pA0 霧雨 魔理沙 いわゆる何でも屋を職業とする 得意の変装でどんな情報でも仕入れられるし進入できる 実は魔法も使えるとか
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■魔理沙6 幻想郷という場所にたどり着いたのは結構前になる。 そのとき拾ってくれた神社の巫女さん、霊夢の家の掃除やらなにやらを条件に居候をしている。 ここでの生活に慣れるまで様々な問題もあったものだが、まぁ今回の本題とはまったく関係ないのでどこかにそっと置いておくとしよう。 では本題。 その日は梅雨の短い晴れ間で、久々に境内の掃除をしていたときのことだった。 俺と霊夢が掃除をしていると珍しい客人が訪れた。 俺と同じ外の世界の人間で、魔理沙と住んでる俺より一つか二つくらい年少の男だ。 「で、悩みは何だ?」 「わかる?」 そりゃ、わかるなってほうが無理だ。 神社に一人で来ることなんてほとんどないやつが難しい顔して境内にいれば、誰だって気がつく。 「まぁ、そんな顔してるしな」 「なんていうかさ、僕はここに本当にいていいのかなって」 「ふん」 真剣な悩みらしい。 珍しいと思う反面、まぁ、仕方がないことだとも思う。 ここは俺たちにとって、何処までも異郷なのだから。 「幻想郷ってのは確かにいい場所だよ、でもさ僕達は外の世界の住人じゃないか」 「そうだな」 「外の……本当の世界には僕達を待っている人だっているじゃないか」 「まぁ、親とかな」 恋人とはいえない悲しさ。 まぁ、そんなことはどうでもよくて。 たしかに、俺たちを待ってるやつ、探してるやつってのはいるんだろう。でも、 「だからさ、本当は帰らないといけないんじゃないかと思うんだよ」 「悩みってのは……」 「うん、このことだよ」 「馬鹿馬鹿しいな」 俺たちはここでの生活を選んだ。帰る機会は自分でふいにしちまった。 俺はここで欲しいものを見つけた。まぁ、もう手に入らないことだけは判ってるんだけど。 それでも未練たらしく残ってるのは、ここにいることを選んだから。 お前もそうだろう? あいつの隣にいることをお前は選び、手に入れたんだ。 「僕もそう思うよ。 でももし、ここで魔理沙に出会わなければ、霊夢やあんたに出会わなければ? 僕は迷わず帰れたんじゃないかと、そう思っちゃうことがあるんだよ」 「あら、魔理沙?」 「へ?」 ようやく口を開いたと思ったら爆弾発言。霊夢の言うとおり、すぐそこに魔理沙が立っている。 俺たちは気がついていなかった。まったく、お互いうかつにもほどがある。 「いや、そのなんだ……お前がそんな風に思ってるとは思わなかったぜ。 別に私のことなんて気にすることはないんだぜ?」 トンガリ帽子を目深にかぶって目を合わせず、いつもの元気はなくから元気。 こんな魔理沙ははじめてみたというくらいに元気がない。 「ちょっと待って……」 「いや、いいんだ。気にするな……その……じゃあな」 そういって魔理沙は箒に乗って飛んでいってしまった。 それだというのに、目の前の男は茫然自失といった様子で立ち竦むばかり。 まったく……世話の焼ける。 「おい!!」 「え?」 「幻想郷にいることを、魔理沙の隣にいることを後悔してんのかい?」 「してない!!」 俺の問いに、さっきまでの様子がうそみたいに力強い返事をする。 いやはや、お熱いことで。 羨ましい限りだ。 「上等。じゃあ伝えにいってこい」 「いってくる!!」 ものすごい勢いで走り去っていく男の背から空に目を移す。 梅雨の晴れ間は短い。この晴れ間が続く間にあの二人の問題が片付くことを祈りながら掃除を再開した。 「まったく、道化ねぇ」 「いい男だろ?」 「道化ね」 「二回も?」 「道化としか言いようがないわね」 「何とでもいえ」 「道化、道化、道化、道化」 「何度も言うな」 「好きなんでしょ? 魔理沙」 「まぁな。でも、あの二人の間に入る余地なんざないしな」 「道化ねぇ」 「慰めようって気はないのかよ」 「あとで、お茶くらい入れてあげるわよ?」 「涙が出そうだよ」 こんなヤツが一人くらいいてもいいと思うんだ 8スレ目 44 ─────────────────────────────────────────────────────────── ●○「これでお前とお揃いだぜ」 ○○「というかそれで誰だか解ってしまうお前って・・・」 ●○「いいだろ。ほかの奴じゃ絶対真似できない。私だけの特権だぜ」 そう言うと●○は自分と○○の手を絡めて、そのまま箒に乗り・・・ 167 :名前が無い程度の能力:2007/06/26(火) 21 30 40 ID 6.qytjAM0 163 @「あらあら、私を差し置いて何を言っているのかしらね」 ⑨「記号表現でも抜かり無し!あたいってば最強ね!」 ●○「……何か違う気がするんだぜ?」 8スレ目 163 ─────────────────────────────────────────────────────────── 魔「なぁ、○○」 ○「ん? 何、魔理沙」 魔「お前、霊夢に告白したんだって?」 ○「うん、したよ」 魔「…で、振られたんだよな?」 ○「うん、振られたね。あなたとは良い友達でいたいって言われたよ」 魔「……よく分からないんだぜ」 ○「何が?」 魔「振られたのに、なんで今も一緒に神社に住んでるんだ?」 ○「何かおかしい?」 魔「普通、気まずくならないか?」 ○「なんで?」 魔「なんで、って……」 ○「……うん、多分、魔理沙の言うとおりなんだろうね」 魔「……○○?」 ○「普通断られたら気まずくなって、少なくとも一緒に住んではいられないよね」 魔「まぁ、普通はそうだと思うぜ」 ○「うん。だけどね、僕は別にどうでもいいんだ」 魔「どうでもいい?」 ○「霊夢が僕をどう思っていようと、周りがどう思っていようと、 僕が霊夢を好きなのに変わりはないから」 魔「…まだ、諦めてないのか?」 ○「少し違うね。最初から返事なんて期待してなかったんだよ。 告白したのも、その場の流れみたいなものだったし」 魔「……よく、分からないぜ」 ○「そうかな?」 魔「自分の好きな奴には好きになってもらいたいって思うんじゃないのか?」 ○「見返りを求める愛は愛じゃないよ」 魔「…よく、分からないぜ…」 ○「そう? 僕からすれば、好きですだから付き合ってください、っていう方が分からないな」 魔「…………」 ○「確かにそうなれば嬉しいけどね。 だけど、好きになったのは僕の勝手。 その勝手を相手に押し付けるつもりはないよ。 幸い、霊夢も友達として、同居人としてなら僕のことは好いてくれているみたいだし。 それで十分じゃないか」 魔「…霊夢も、贅沢な奴だぜ。こんなに想われてるのに、答えてやらないなんて。馬鹿だぜ」 ○「そういうこと言わない。……じゃあ、僕はそろそろ帰るよ」 魔「おう、分かったぜ。途中で襲われてもちゃんと逃げ切れよ」 ○「相変わらず送ってくれるって選択肢は無いんだね。分かってる、じゃあまたね」 魔「…馬鹿だぜ、お前も霊夢も……でも、一番の馬鹿は私か……」 8スレ目 280 ─────────────────────────────────────────────────────────── 魔理沙は家に鍵をかけない、深い意味はなく恐らくは忘れているだけなのだろう 「あいつ鍵って何なのか解かってんのか?」 悪態吐きながらドアを開ける、結界が張ってあるわけでもない 「おーい、魔理沙ー?」 呼び掛けるが返事はない、仕方ないので部屋を見て回ることにした ~青年探索中~ 「寝室か・・・入るべき場所ではないが・・・うぬ」 軽くノックしてドアを開けた 「まりさー?」 ベットが盛り上がっているので恐らく寝ているのだろう 仕方ないので掛け布団?を少しめくってみた 寝息を立てて静かに眠るっている 「人と約束しておいて・・・寝てんじゃねー!」 布団をがばー!っと剥ぎ取って・・・魔理沙を起こそうと試みたのだが ○○の思考は停止した 普通寝るときってパジャマじゃね?何でこの娘下着姿で寝てるんですk 今起こった事をありのまま話すぜ!パジャマだと思ったら下着姿で(ry 「こ、このバカ娘、まだおきない・・・悪戯しちまうぞコラ」 いや、○○にそんな度胸ないんだけども 「ちっ、書置きでもして行きゃいいかね」 仕方ないのでメモ紙を探そうとおもったときだった 「悪戯・・・しないのか?」 「ま、魔理沙・・・起きてたんなら声かけろよ」 「ごめん、それで、その、悪戯は?」 「いや、まて、落ち着こう、あれは出来心だ、ちょっと魔がさしただけだ」 「別に私は・・・その・・・お前なら」 「ッ!バカ!そういう事を口にするな!本気にするぞ」 「だから私はお前なら」 ○○はベットに魔理沙を押し倒した、両手首を掴んで馬乗りになる 魔理沙は眼を硬く閉じて震えていた 「私は、お前の事、最初にあった時から、好きだったぜ」 震える声で、告白された 押し倒している場合じゃない、された側は、返事をする義務がある、と思う 「ずるいな、先に言うなよな、出遅れたみたいじゃ無いかよ」 「○○?」 「俺は霧雨魔理沙のことが好きだ、愛してる」 「ははは、なんだ、悩んでたのがバカみたいだ・・・○○も私の事好きでいてくれたんだな」 「魔理沙」 「うん・・・いいよ」 俺達の初めてのキスは少々乱暴な体制だった 8スレ目 330 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「今日は七夕か・・・」 誰と過ごそうかな 霊夢 →魔理沙 アリス 「なぁ魔理沙」 何だ○○ 「七夕だぜーって言いながら家の窓を割って入ってくるのはいつもの事だから置いておくが」 「うんうん」 「なぜお前が来た後に集中豪雨だ!しかも割れた窓から降り込んで来るし!」 「あははー」 七夕だぜーと言いながら我が家の窓をブレイクした魔理沙、その後集中豪雨で横殴りの雨が降り続いているのがいま そしてベニヤ板で窓を塞いでいるのが現在進行形 ~青年奮闘中~ 「あーあ、せっかく○○と天の川を見ながら短冊書いて弾幕ごっこだとおもったのに」 「ちょっと!?最後しゃれになんないのが入ってるよ!!?」 「・・・あーあ・・・○○と七夕を、なぁ」 「まぁしょうがない、雨が降ってるのは仕方ない、どうしようもない事だよ」 不貞腐れる魔理沙を放置して風呂に入る用意をする 「?なんだ、風呂に入るのか?」 「ああ、お前が割った窓の修理でずぶ濡れだからな」 「・・・ごめん」 魔理沙らしくない、魔理沙らしくない、こんな可愛い女の子みたいな(失礼)魔理沙を見るのは初めてだ 「○○・・・許してくれるか?」 落ち着け○○!此処で熱く迸るリビドーを爆発させたら御終いだ!いろんな意味で! 「あ、ああ別に・・・怒ってないから、そんな落ち込むなって!じゃあ俺は風呂入ってくるから」 そう言って足早に風呂(五右衛門風呂)に入った 「あーあー温まるぅぅぅ!」 風呂に入るとテンション上がるな、でも・・・ 「魔理沙と七夕か・・・雨が憎いのは久しぶりだな」 あの娘の笑う顔が見たい、女の子らしい魔理沙もいいがいつもの元気な魔理沙が好きだな しゅるっ、ぱさ 「?衣擦れのお・・・と !!??」 戸一枚隔てた向こうから衣擦れの音がする、服を脱ぐような・・・ 「HAHAHA何を考えているんだ俺は、思春期じゃ有るまいし」 なんて思っていると扉が開いた、立っているのは魔理沙で・・・ 「ばっ、お前!何で!?」 後ろを向いて魔理沙を見ないようにと― 「○○、私は」 ~とぅーびーこんてぃにゅ~ 8スレ目 356 ─────────────────────────────────────────────────────────── 魔法の森。俺と魔理沙はある開けた場所の切り株に背中合わせで座っていた。 「何でいきなり星を見ようなんて言い出したんだ?」 「たまには○○とサシでゆっくり話をしようと思ってな。」 四半刻前、俺は急に森の外れの家から魔理沙に連れ出された。 「全く、漫画や映画じゃあるまいし。こんなじめじめした所で。」 「うちの中もじめじめしてるのは一緒だ。晴れてるし、どうせなら星空の下ってのもいいだろ。」 今日は七夕。ではなく一日後。昨日は生憎の天気だったが今夜は雲一つ無い。 「ま、いいや。それで何の話だ。」 「まあそう堅くなりなさんな。ほれ一杯どうだ?」 魔理沙は懐から酒瓶とグラスを取り出す。俺は苦笑しながらグラスを受け取る。 「わざわざこんな所に酒飲みに来ることもないだろうよ。しかも二人っきりで。」 「○○は宴会はうるさくて苦手なんだろ?」 「なかなかするどいな。」 「そりゃ毎回端の方で黙って一人で飲んでるほうが変だ。」 「お前だって分かるだろ?最近は誰の近くに行ってもお惚気話の嵐、良くて従者の優秀さ加減について延々と語られるんだ。 霊夢も酔えば××について語りだすわ、紅魔館メンバーも同じようなもんだ。 白玉楼組もだし迷い家一家も他にも天狗もみんなそろってお惚気話だ。鰻一匹すら食ってねえのに五分でおなかいっぱいだ。」 「あ~あ、私もお惚気話ぐらいしてみたいぜ。」 すこし話が読めてきた。酒の勢いで口説き落とす気のようだ。 単刀直入に言わない所をみると、こっちから言い出すのを待っているようだ。 別に魔理沙が嫌いではないが少し焦らしたくなる。とりあえず酒をちびちび飲みつつ時間を稼ぐ。 「で、昨日何したよ?」 「は?昨日どうしたって?」 「だから七夕だよ。俺は家で内職してたが。」 「はっはっは。私は宴会に行ってたぜ。永遠亭から竹が配られてな。短冊も書いたぜ~♪貧乏暇無しってヤツだな、お気の毒に。」 少しむっと来た。俺をどこぞの巫女と一緒にするな。こうなったらとことん焦らしてやる。 「で、願い事何にしたよ。魔理沙は多分、『霊夢に勝てますように』とかじゃないのか?」 「な、何で分かるんだよ、そんなの。」 「いや、お前いっぱいいっぱいだぞ?色々と。」 「色々と、って何だよ色々って!」 「ははは、全部ってことだ。」 向こうも少し熱くなってくる。わはは、そっちから言うんだ意地っ張りめ。 「そっ、そういえば昨日は曇りだったけど、大丈夫かなぁ。」 「どうした?急に。」 魔理沙が話題を少しそらしてきた。体勢を立て直す気か。 「いや、昨日曇りだったからさ。『七夕の日が曇りだとその年は織姫と彦星は会えない』って永琳が言ってたんだ。」 「そーなのか?天気一つで一年に一度の逢瀬が潰れるとは…仕事ほっぽり出して遊んでたとはいえ哀れだな。」 「ああ、願い事もかなうかどうか…」 「人の色恋事には興味が無いんだな。恋色魔砲使いのくせに。」 「っ、なんだよ!人が悩みの相談に来たのに○○は!」 「何だよ、急に怒ることねえだろ。」 「うるさい!もっ、もともとは××にどうやったら気に入ってもらえるか相談しようと思ってたのに!」 「……は?なにいってんだ?××は霊夢の彼氏だぞ?」 「まだ霊夢が酔った勢いで言ってるだけじゃないか!まっ、まだチャンスはある!」 「ま、それでも時間の問題だろうな。」 「もういい!○○に相談した私が馬鹿だった!」 そういうと急に箒にまたがって猛スピードで帰ってしまった。 ……だいぶ怒らせてしまったらしい。酒瓶もグラスも置いていった。 貰ってしまおうと思ったが、流石にまずいか。ちゃんと返したほうがいいだろう。 魔理沙の家が何処にあるかは知っている。そう遠くは無かったはずだ。 「ったく、どーせ俺なんか眼中にねえんだろ。いいさ、今年ももてないリーグでビールかけ合ってやるさ。」 愚痴を呟きながら暫く歩くと魔理沙の家が見えてきた。明かりが点いているところをみると、まだ起きている様だ。 中に入ることは躊躇われたので、扉の前に置いておくことにする。わざわざ取る暇人もいないだろう。 ふと家に立てかけてある竹に気づく。おそらく永遠亭から配られた竹だろう。短冊も吊ってある。 少し気になって短冊を見てみる。どうやら十数枚あるようだ。 「『霊夢に勝てますように』…『霊夢より先に異変を解決できますように』…ほとんど霊夢関係だな…ん?」 そんな中で一つの短冊に目がとまる。 「『○○と仲良くなれますように』か…あの意地っ張りめ…。」 苦笑しながらあることを思いつく。 確かポケットに…あった。昨日の内職―――七夕セット作り―――で余っていた黄色の短冊と、鉛筆、それからひもを一本取り出す。 「……これでよし、と」 出来たものを酒瓶にかけてそっと魔理沙の家を離れた。 『魔理沙と仲直りできますように。』 空を見上げるとおくればせながら、天の川の上で白鳥座が一際光っているように見えた。 8スレ目 389・390 ─────────────────────────────────────────────────────────── 唐突だが、ホッケーマスクをかぶった白黒がやってきやがった 「何のつもりだ魔理沙」 「よう○○、これから納屋でギシアンやってるカップルを殺しに行こうぜ」 「危ないネタは止めなさい」 「じゃあフ○ディーと対決しようぜ」 「宇宙でも行ってろ、と言うか何処でそんなネタを仕入れてきた」 「☆ヒ☆ミ☆ツ☆」 「間に星を入れるな、いい加減ホッケーマスクをとれ、マチェットも下ろせ」 ぶーぶー言いながらホッケーマスクとマチェットを机に置いたのはいいんだが 「じゃあカップルのほうだ」 「は?」 「納屋でイチャイチャしよう」 「納屋は無い」 「なら此処でかまわないだろ?」 けっきょく魔理沙は俺とイチャイチャしに来ただけだった・・・ ほんとに出ないよな?安心してイチャイチャしていいよな!!? ~終~ 8スレ目 447 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「魔理沙、魔理沙、起きろー風邪ひくぞーおーい?」 「ん・・・んー」 きのこ狩りに来ていた俺らだった、分かれて探していたはずだが 「人にだけ探させといて自分はお昼寝ですか、いいご身分だなこの魔法使いは」 鞄を枕に、草をベットに、羨ましいぐらい気持ちよく寝てやがる 「おーい、魔理沙さん?起きてくれないと日が暮れるんですが」 「んーむにゃむにゃ」 ああもう、可愛いなぁこのまま悪戯してしまいたい 余談だがいたずらって漢字で書くとエロくない? 「ん~○○・・・あは○○だぜー」 こう、ぎゅーっと、抱きしめられたわけですよ、エロゲみたいな展開に狂喜乱舞していたんですがね 「○○、○○」 「どうした?俺は此処にいるぞ?」 このままルパンダイヴでもいいかな、何て思っていたが 彼女の瞳からこぼれた涙に、体が固まった 「お、おいおい、何で泣いてんだよ!?」 彼女は何も言わない、聞こえるのは寝息だけだ、僅かに上下する胸 「わけわからんぞ、ちくしょう」 唯彼女の涙に、魅せられた事は確かだった 「あー・・・惚れた弱みかね」 結局背負って帰った、彼女は驚くほど軽かった 「こんなもんかな」 魔理沙をベッドに寝かせ、自分で茶を入れ、自分で飲む 広く感じる、こんな静かな家に一人で住んでるのか、あいつは あいつの茶はすっかり冷めたな・・・ 「あー・・・○○・・・その・・・おはよう(笑」 「魔理沙、起きたのか・・・この莫迦、人にきのこ拾いさせといて自分はお昼寝か!?」 「うーすまない、ちょっと寝不足だったんだぜ」 「それで・・・すっきりしたか?」 「もうばっちりだ!寝たらすっきりした」 いつもの元気な彼女が其処にいる、先ほど抱えた時に驚くほど軽かった 此処にいるのは俺と魔理沙、ここに住んでいるのは魔理沙 「なぁ・・・お前ここに独りで住んでて寂しくないか?」 「ん?別に、もう慣れたよ、それに・・・霊夢やアリスや○○が遊びに来るからな」 慣れた、その言葉が辛かった、俺は寂しくないかと問うた、魔理沙はそれに慣れたと答えた、ソレが寂しかった、苦しかった 目の前にいる彼女を、魔理沙を抱きしめたくなった 俺は思うままに動いた 「○、○○!?」 ああもう、何でコイツはこんなに細っこいんだ、抱きしめたら潰れそうだ チクショウ、何でコイツはこんなに暖かいんだ、俺の理性をぶち壊す気か? 「寂しさに慣れたなんて言わないでくれよ」 「○○・・・」 「俺がいるからさ、ずっと一緒にいるからさ」 「ああ、そうだ、それならさびしくないぜ」 迷いの森の小さな屋敷、真暗闇のなか、其処にだけは、灯りが灯っていた 「よう魔理沙!」 「な、なんだこの荷物は!?」 「俺の着替えとか、家財道具もろもろ」 「なんで!?」 「ずっと一緒にいるっつったろ?今日から俺もここに住む」 「な、なにーーーー!!?」 それでも森は静かなまま、それでも小さな館には、アカリが灯った 8スレ目 892 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「霧雨のお嬢さん・・・か」 「何だ、魔砲使いに惚れたか」 仕事仲間に冷やかされつつも買い物をする霧雨魔理沙に見とれる俺 「やめとけって、俺らみたいなただの人間が相手にされるわけねぇって」 んなこたぁ解ってる、しょうがないだろ、彼女はかわいいんだから 「大体魔法使いなんてキチ○イだって、ろくな連中がいると思ってんのか?」 「おいテメー、彼女を何も知らないで決め付けんな」 「あ?やるかコラ?タッパあるからっていつも見下ろしやがって、きばって(ry」 もうなんでうちの店は893予備軍みたいなのばっかりなんだろうね、親父に人は選べって言いたいよ 「五月蝿せーよ、俺の事はどうでもいい、魔法使いを莫迦にするんじゃねぇ」 「はぁ?餓鬼が何を「おいおい喧嘩か?止めとけよ、ろくな事ないぜ?」 き、霧雨魔理沙さん!!? 「女は黙ってろ!このガキが!?あぁ!!?がっ!」 五月蝿い、霧雨のお嬢さんが来てんだ、黙っとけ 俺はおっさんを投げ飛ばして何事も無かったように話しかけた 「御見苦しい所を見せてしまって申し訳ありません」 「別に良いけど・・・そっちの兄ちゃんは大丈夫か?」 「お気になさらずに・・・今日は何をお求めですか?」 「ああ、今日は・・・」 彼女は必要なものがそろうと風のように帰っていった ちょっと残念・・・まぁいいや 「はぁ・・・緊張した、死ぬほど緊張した」 心臓がバクバクいってる、彼女の話をしてるときに、だもんな 「あの~若旦那?」 「ん?どうした?」 「この人どうします?」 すっかり投げ飛ばしたおっさんを忘れていたのだった 道端で転んだ女の子、膝をすりむいたらしく泣いていた そして傍らに白黒の魔法使い、泣き止まない子供に悪戦苦闘しているようだった 必死にあやしたり、飴をあげたり、色々頑張っていた その女の子が泣き止んだとき、彼女はすごい、笑顔だった そして俺は惚れちまった、霧雨魔理沙に、白黒の魔法使いに 霧雨魔理沙はうちの常連客で、俺はその店の若造、若旦那、一従業員 このまま時間が流れて、俺は店の主になる、彼女は恐らく魔法使いのままだろう 俺はそのまま年取って、死ぬ でも、告白だけはしようと思う、何もしないで諦めるよりはいいはずだ さて、今日も彼女は来るのだろうか、明日来た時に・・・いや、明後日・・・ 考えているときが一番楽しい、未来は決定していない、自分の想像を張り巡らせる 「俺は、君の事が、好きだ・・・なんてな」 一人で呟いた、応えるものは誰もいない 明日にしよう、ぐずぐずやっててもしょうがないからな 俺は明日、霧雨魔理沙に、告白する・・・予定だ 9スレ目 409 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「おい○○!邪魔するぜー!」 今日も勝手に他人の家に不法侵入する白黒 流石にもう慣れた 「そろそろ鍵をつけて良いかな?」 「扉ごと壊すぜ」 向こうの部屋から声は聞こえる、この時間ということは昼飯でも作っているのか 「今日の飯はなんだ!?」 そういえば朝飯を食べていないのでお腹が・・・ 「よう魔理沙、今日はパンだ」 パンツ一丁で昼飯を作る○○、さして気にしない様子で魔理沙の問いに応えた 「ななななななそ、そんな格好でうろつくなバカッ!」 「いや、ここ俺の家なんだけど・・・」 「う、うるさい!少しは気を使え!」 「・・・お前に言われたくない台詞だな」 コイツに気を使えとわ言われたくないな 魔理沙は後ろを向いて、怒っている?様だ いやこれは恥ずかしがっているようなものか 「・・・服着りゃいいんだろ?」 しょうがないから箪笥からジャージを取り出す 「あ・・・」 「何だ、じろじろ見るな」 「み、みてない!莫迦なこと言うなっ!」 「・・・じろじろ見てたじゃん」 「もういいから服を着ろ!」 可愛いなぁ、魔理沙をからかうのは凄く面白い 思わずやりすぎちまったりするけども、しょうがない 「どうした?顔が赤いぞ?」 「ななななんでもないぜ!?だいじょうぶだぜ」 面白い奴だ、初心な所がたまらん・・・俺はおっさんかよ 「それで、今日は何しに来た?お前の好きそうな向こうの本も読みつくしたと思ったが・・・」 「え、ええと・・・」 「なんだ?もしかして俺に会いに来てくれたのか?」 からかうつもりで言った、特に深い意味はなく、だ だから魔理沙が真っ赤になって逆に驚いたぐらい 「えー・・・あー・・・うー」 どもってる、しかも真っ赤で、これは・・・ソウイウコトデスカ? とんがり帽子を目深にかぶって真っ赤な顔を隠そうとしている、らしい 「じゃ、邪魔したぜっ!」 咄嗟に、腕をつかんだ 「魔理沙・・・」 「な、なんだ?」 どうしよう、いうこと考えてなかった、こういう場合、う~ん何も思いつかない 「お、俺も、お前を待ってた、ぜ」 俺何言ってんの?脊髄反射で言った台詞にしちゃ恥ずかしすぎるんだけど 互いに真っ赤になって見つめ合うという不思議で珍妙な状況 「・・・飯食うか」 「そ、そうだな」 まぁその状況も空腹に打破されたのだが ちょっと気まずいまま飯を食った そういえばいつからか二人分用意するようになってたな 「なぁ○○」 「なんだ」 「明日も・・・来るぜ」 「そうか・・・じゃあ待ってる、お前を」 「ばか、恥ずかしいぜ」 「お前は何しに来るんだ?」 「えっと・・・お前に、会いに、だぜ?」 そう言って恥ずかしがりながらも笑ってくれるのだった さて、明日の二人分の用意をしておこう 材料だけ買ってきてあいつに作らせてみようか なんにしろ明日が楽しみだ、いや、明日だけじゃ無い、これからが 9スレ目 437 ─────────────────────────────────────────────────────────── 魔理沙「おーい、そこのビーカーとってくれ」 俺「ほらよ」 外の世界から迷い込み行き場のなくなった俺。 小さな魔法使いに拾われ、現在住み込みでお手伝いさんをしている。 魔理沙「うしできた、透明になる薬。 ほら飲んでみろ」 俺「やれやれ、また人体実験しやがって……」 魔理沙「まぁいいじゃないか、万が一のために解毒薬も作っておいた」 俺「ふぅ……」 俺はビーカーに注がれた刺激臭のする琥珀色の液体を一気に飲み干す。 俺「ううっ!?」 魔理沙「ど、どうした……?」 俺「うあああああああ…………」 うずくまり、床に倒れこむ俺。 魔理沙「げ……解毒薬……あっ!」 よほど動揺したのか、魔理沙は誤って解毒薬を床にこぼしてしまう。 俺「う……くうううう……」 魔理沙「おい……しっかりしろよ……」 掠れる俺の視界には、何も出来ずに涙をこぼす魔理沙が見える…… 俺「なーんてな」 魔理沙「え…?」 俺はすくっと立ち上がって両手を見る。 俺「味はけっこうキツかったけど、服用後は中々いい感じだ。 んー、やっぱり耐性付いてるのか? 俺相手でも透けるくらいだな……」 魔理沙「バカ!!」 そう叫んで半透明の俺に抱きつく魔理沙。 魔理沙「心配……するだろ……」 まだ身体が震えている。 俺「…ごめん。 さ、続き始めようぜ」 小さな身体を抱きしめながら、俺は作業の続行を促した。 9スレ目 802 ─────────────────────────────────────────────────────────── 魔理沙ー!好きだー!結婚してくれ! お前の為に男になってもいいんだよぉおおお 10スレ目 23 ─────────────────────────────────────────────────────────── お前は何のために生まれてきたんだ?と○○が聞いてきたとき私は上手く答えられずにまごまごしたので、 ○○は私の手のひらを取り優しく笑った。 「お前は幸せになるために生まれてきたんだ。そうだよな?魔理沙」 私は○○の笑顔が物凄く綺麗でまさに幸せをボンドで固めて形にしたかのようだったので、寝惚けたようになって頷いた。 少し目の覚めた今もあるいはそうかもしれないと感じる。 だって私はとりあえずいつだって出来れば幸せでいたいと願っている。 良い気分でいたいと思っている。友達と楽しく遊んでいたいと思っている。 痛い思いをしたいとは特に思わない。 「じゃあ、○○は何のために生まれたんだ?」 ○○は私の問いに答えず繰り返した。「お前は幸せになるために生まれてきた。そうだよな、魔理沙?」 私はまたうっとりとして寝惚けたような頭で頷く。 私の頭はすぐに寝惚けてしまうのだ。恋をしているからに違いない。 「不幸になるのに俺たちはどうして一緒にいるんだろうな」 「私たちは不幸になるのか?」 ○○は部屋の中を歩き回った。「このままじゃ駄目だな」○○はそう呟いている。 私と○○のどこにいけない所があるのか私にはよく分からなかった。 我々は大変よくやってきたのだ。 私はよく色んなことを失敗するけど○○がその度に助けてくれた。その逆もあった。 キスだってたくさんした。 私が○○を拒んで○○が私を拒んだことはまずなかった。 私たちは求め合い双子のようにくっついて眠り翌朝○○が朝食を作って私は風呂を掃除した。 夢のようにそんな日々は過ぎた。 「提案があるんだが」 「なんだ、○○」 「俺はお前のことを出来れば幸せにしたい。でもこれは叶わぬ夢だ。 何故なら俺は、”誰かを幸福にするようには出来ていない”んだ。 これはすごく些細なことのように聞こえるかもしれないけど、致命的で絶望的だよ。 俺たちは離れたほうがいいだろう」 私は○○が何を言っているのかよく分からなかったから、台所に行きフライパンに油をしいてパンケーキを作った。 私はもともとちまちました料理という家事は苦手だったので、パンケーキくらいしかまともに作れなかったのだ。 ○○はパンケーキの種の横に、卵を片手で割ってとろりと落として、フライパンの端っこで器用にスクランブルエッグを作った。 私と○○はひとつのフライパンでふたつのメニューを作ることが出来た。 パンケーキとスクランブルエッグ。 私は蜂蜜をかけ○○はコーヒーを飲み、お腹がいっぱいになった私たちはやはり寄り添って眠った。 私は○○のどこが誰かを幸福にするように出来ていないのかさっぱり理解が出来なかった。 私たちは絵に描いたように幸福そうだった。 やがて○○が目を覚まして、私の耳たぶを口に挟んでちゅうちゅうとしゃぶった。 だしが出てしまいそうなくらいしゃぶられたので私の耳たぶはふやけて真っ赤になってしまった。 「○○?」 「なんだ、魔理沙」 ○○の歯がちくちくと私の耳たぶに当たるようになった。 私は彼が私の耳たぶを狙っているらしいことを悟った。 私は彼の柔らかい唇と鋭い歯から逃れて、ベットからも転がり落ちた。ごつんと頭をぶつけた。 見上げた○○は私を見てにやにやと変な笑顔を浮かべていた。 「言っただろう、魔理沙」「俺たちは離れたほうがいいって」 ○○がベットを飛び降りて、私にのしかかってきた。 荒い息が私の耳ばかりをくすぐる。 「お前が幸せになりたくないならずっと一緒にいようじゃないか。 俺は幸せになるために生まれてきてはいないんだ。お前とは違う。 俺は幸せじゃなくたっていい、他にすることがたくさんある。 だがお前に何がある?ただ痛いだけに耐え切れるか?ただ寒いだけに耐え切れるか?幸せじゃないまま生きていけるか?不幸のまま死ぬことは可能か? どうしても俺がいいとお前には言えるか? 魔理沙、人は忘れることが出来る生き物だな。きっとお前は俺を忘れてしまえる。 お前は幸せになるために生まれてきているんだ。お前は俺から離れればきっと幸せでいられるだろう。 魔理沙、お前はきっとしあわせになれるよ」 ○○が私の耳たぶをがりり、と食いちぎった。 私は大きな悲鳴をあげて、小屋を飛び出て、森の奥深く深くまで逃げていった。 つもりだったのに気が付いたら私は森を抜け、裸足で、傷だらけで、右の耳たぶを失って泣いていた。 何で泣いていたのか知らないけれどとにかくシクシクと泣いていた。 とても怖い思いをいっぱいした。 蛇がいた。蜘蛛がいた。お腹がすいた。 夜は墨のように暗くざわめきは嘲笑と罵倒のようだった。 だけど私は生きていた。なんのためか知らないけど生きていた。 呆然とする私を見つけた若い男が私を医者の所まで連れて行ってくれた。 私は全部「なにがあったかわからない」と答えた。 本当に何も分からなかったのだ。 私は記憶を喪失した可哀相な少女として扱われた。 耳たぶは生えてこなかったけど、もともとそんな形だったみたいに綺麗に綺麗に治っていった。 私を助けてくれた若い男(その頃私はもう彼の名前を知っていた)は、 今まで見た耳の中で一番綺麗な形だよ、とほんとだか嘘だかたぶん嘘だろうなというお世辞を何回も繰り返して言った。 やさしいひとだった。 私はそれをずっと黙って無視し続けていたのだけどある日、昼ごはんにパンケーキが出てご機嫌だったので男に「ありがとう」と言ってみた。 男は、わっと喜んで笑って、そのあと急に苦しそうに泣き出して、私を捕まえて、花に止まる蝶々みたいなキスをした。 私は○○ほど綺麗でないその男のめそめそ泣く顔を、寝惚けたようになって見ていた。 私は本当に幸せになるために生きているらしかった。 少なくとも私は一度だって○○のために生きていたことはなかった気がした。 そしてこの男のために生きていくことも決してないだろうと思う。 私は本当に自分が幸せになるためにだけ生きているのだ。 時々彼にかじられた耳たぶのことを考える。 ○○はあれを飲み込んだだろうか?それともティッシュにくるんで捨ててしまっただろうか? ぺっと床に吐き出したりしなかっただろうか。そうだとしたらとても大変だ。○○は掃除が下手だから。 ああだけどあなたはとても料理が上手だった。 私をいつもあたたかくしてくれた。 本当に誰かを幸福にするように出来ていないのは私なのだと思う。 私は○○の美味しい部分をちゅっちゅとしゃぶって、何の役にも立たない耳たぶだけ置いて逃げてしまったのだ。 あのままあそこにいて、いたくてもさむくてもふこうでも、○○のそばにいます、と私が言うのを、 ○○が心のどこかでほんの少しでも願っていたらと仮定すると私は胸が死ぬほど痛くなる。 きれいじゃない顔で泣く。 でもそういうとき私はひとりじゃないのだ。 若い男が今度私の耳たぶのなくなった耳に優しくキスしてくれて、私は○○を悲しませてしまったかもしれない恐怖に慄きながら自分の幸せをかみ締め暖かさにまどろむのだ。 よっぽど私が誰より悪魔だ。しあわせなにんげんは、悪魔だ。昔に絶対悲しませた人がいる。 報いを受けていない。 私は自分の顔が醜く膨らんで、にきびだらけになってしまえばいいと思う。おなかが出るとか。 でも本当にそうなったら私はきっと絶望して、哀しくて死んでしまうかもしれない。 だって、私は幸せになるために生きているのだから。 みんな幸せになるために生きているんだから。 わざわざいたい思いをすることはない。あたたかいお布団でおねむりなさい。 夢の中で私は何度も○○に耳たぶを差し出して泣くのだけれど、それでも私はまだ幸せといえるんだろうか。 私はきっと○○と一緒にごろごろ眠るために生きていたのだと思うよ。 11スレ目 220 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「うーさみー」 西洋風の家にあるべきではない炬燵に独りでぬくぬく温まっている。 そんな中のふと発した言葉が、止まっていたかのような時間の流れを戻した。 気がつけば12月も終わりに近づいていた。 あと1週間もすれば新しい年が明ける。 「……俺この1年で何かあったかー……?」 ……ここの世界の住人になったこと以外、何もなかった。 これは意外だ。 「あー切ねぇ」 流れる時間の大切さを後悔と共に噛み締めながら小さくボヤく。 「うーさみー、今帰ったぜ」 「おお、お帰り」 主がいつものように蒐集してきたものを入れた袋を背中に抱えて帰ってきた。 「……あれ?」 あの格好……どこかで見たか……? 「ん? どうかしたか?」 几帳面に手を洗い終えて俺の所へやってきた彼女。 よほど険しい顔をしていたのだろう。 心配そうに顔を覗き込まれている。 「いーや、何でもないけど」 「そっか」 彼女は俺と同じく炬燵に入る。 入るのだが。 「だから何度も言ってるだろ? よく見ろ。 炬燵はまだ3辺あるじゃないか」 「こっちのほうが断然暖かいぜ」 胡坐をかいた俺の脚の上に乗ってくる。 幸せそうだ。 「ふぅ……ところで、なんだけど」 「ん?」 おかしい。 昨日までと様子がおかしいぞ。 「今日は……何の日だったっけ?」 まずい。 時間の感覚がなくなってる。 ここ1年ずっと彼女の家の掃除なんかで祝日なんか忘れるぞ…… 「えーっ……とぉー」 曖昧な返事。 「ひどいぜ、私がせっかく用意してきたっていうのに」 「何をだ?」 「今日のアレだ」 アレ……ああ、アレのことか。 「ああ」 オーバーなリアクションでうなずく。 「その……あれだ。 メ、メリークリスマス……」 彼女はこっちを見ずに俯き、聞こえるか聞こえないかのか細い声で囁いた。 耳が真赤になっている。 「うん。 メリークリスマス、魔理沙」 「やっぱり口に出すと……は、恥ずかしいな……」 魔理沙がどんどん縮こまっていく。 「あー……クリスマスの……プレゼントなんだがー」 「『私』だろ?」 あてずっぽうで繋いでみる。 さぁ派ずれろ俺の勘! 「…………そう」 おおっと。 弾幕でも何でも数撃ちゃ当たるものなのだろうか。 「よし、俺からもクリスマスプレゼントだな」 炬燵に突っ込んでいた腕を抜き出し、そっと魔理沙を抱きしめる。 「わ、わ、何すんだよ」 口では嫌がってるようだが抵抗してこないし、声も甘くなっている。 そしてトドメの一言。 「大好きだ、魔理沙。 これからもずっと一緒にいてくれるか?」 耳元でそっと囁く。 「…………うー……」 恥ずかしさやらが混じって返答できないようだ。 耳にそっと息を吹きかける。 「ぅひゃあん!」 おおそこはかとなくエロい。 こんな声が大好きだ。 「どう? 俺からのクリスマスプレゼント」 「あの……ありがたく受け取らせていただきます……」 まずいたまらなくなってきた。 抱きしめている手にも力がこもる。 もう1度、囁いてみる。 もうおちょくるどころかいじめたくてしょうがない。 「魔理沙、好きだよ。 大好き」 「………ぅゃ………あ…………」 言葉になってない。 今度は耳を甘噛みしてみる。 「ふぁあああああ……やめ……」 ピクピクと体を震わせてる。 流石にこれ以上いくと自制ができなさそうなので止めておく。 「全く……いきなり不意打ちなんて……」 照れ隠しなのが見え見えな声色だ。 「いやースマンスマン。 あまりにも愛おしくてな」 笑い混じりに話してみるも、やっぱり。 「……改めて口に出して言うとやっぱり恥ずかしいな」 「だろ?」 12月25日、クリスマス。 幻想郷にもサンタはいるのだろうか。 少なくとも、俺のそばにはいるようだ。 黒と白の服、大きな袋を持った魔法を使うサンタが。 うpろだ697 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「あんた、こんな寒いのによく来るわね……」 博麗神社の巫女博麗霊夢はため息をつき呆れ顔で来客を迎えていた。 「そういうなって、今日は蕎麦をもってきたんだからよ」 「それとおまけの餅と茶もな」 神社の来客である霧雨魔理沙と○○は笑みを浮かべた。 「まぁ、それなら言うことはないわ。ちょうど今から用意しようかとおもったころだし」 それに釣られてか微笑を浮かべ○○から荷物を受け取る。 「じゃあ、じゃまするぜ」 「麺とかは作っているからあとは軽く湯がいて食べるだけにしているから」 「ありがと。それならすぐできるから奥で待ってて」 「わかった――って、魔理沙はもういるみたいだけどな」 「ったく、あいつは……。いくらお腹があれだからって少しは遠慮しなさいよ……。何ヶ月だっけ?」 先ほどの魔理沙の膨れたお腹を思い出す。 ○○との子供ができたときはこれ以上とないくらい大騒ぎした。 これで少しはおとなしくなるかと思いきやいつもどおり神社に奇襲をかけてきていた。 さすがに宴会のときは酒は抑え目にするように○○に抑えられたが。 「そろそろ予定日だって永琳は言ってたよ。だから年明けは忙しくなりそうな気がするな」 「よかったじゃない。でも、あの家で子守することできるの?」 「なんとかした…。まさか、掃除に月単位かかるとはおもわなかったけど……」 「……ま、ドンマイ」 「お~い、蕎麦まだか~?私の子供もそういってるぞ~」 「はいはいはい。今から準備するから!じゃ、準備してくるわ」 「わかった。じゃあ魔理沙の相手をしとく」 「あまりイチャイチャしすぎて部屋を甘ったるい空間にしないでよ」 「それは魔理沙に言ってくれ…」 「おまたせ~。年越し餅入り蕎麦できたわよ。って、甘ったるくするなって言ったでしょ!」 「へへへ、細かいことを気にしすぎると禿げるぞ」 「あ~、その。すまん……。俺じゃ無理っぽかった」 霊夢がどんぶりに入った蕎麦を持って部屋に入ったとき見た光景は胡坐をかいた○○の上に寄りかかるようにして座っている魔理沙であった。 しかも魔理沙は体を横に向け○○の胸板に頭を預けて○○の手をしっかりと握っている。 「なんだ、おまえは私にこういうことされるの嫌いなのか?」 「いや…、そういうわけじゃないが……」 「ったく……。あまりやりすぎると外にほっぽりだすわよ」 膨れつつ蕎麦を置く。 二人の分をバラバラに置いたのはいい加減離れろということなのだろう。 「そう言うなって妊婦は大事にするもんだぜ?」 「と、とりあえず食べようか。早く食べないとのびちゃうし」 ・・・少女 s、青年食事中 「年明けはもうそろそろかしらね」 食後たわいのない会話をしつつ霊夢がつぶやいた。 ちなみに二人は食事前の状態に戻っている。 というよりも魔理沙が一方的にくっついてきたという状態だったが。 「そうだな。今年は本当にいろんなことがあった…」 「○○と会って、喧嘩して、告白して、そしてプロポーズ…。お前といると退屈じゃなくて楽しかったぜ」 顔を赤くしながら○○の手を握る。 「俺も、魔理沙と会っていろいろと大変だったけどよかったと思ってる」 「はいはい、ごちそうさま。でも、あんたのおかげで私もイロイロと楽しませてもらったしね」 魔理沙達が持ってきた緑茶をすする。 上等なものだったのか自然とほほが緩み、もう一杯とおかわりをつぐ。 すると遠くから響く鐘の音が響いてきた。 「おっ、年明け―――」 突如、魔理沙が言葉を切る。 そして、目に見えて汗がだらだらと流れ始めた。 「ま、魔理沙どうした?」 「餅でものどにつまったの?」 「きた…」 「は?」 「きたんだよ!お腹が―イタタタタ!」 「ちょ!まじか!」 「い、医者を!はやく、永琳を!」 「えーりん!えーりん!たすけてえーりん!!」 「落ち着きなさい!早く永琳をつれてきなさい!!」 「お、おぅ!!」 そういうと○○はこれ以上ないくらいの速度で出てった。 まだ痛がっている魔理沙の手を握りつつ、ひとことつぶやく。 「今年はさらに騒がしくなりそうね…」 11スレ目 713 ─────────────────────────────────────────────────────────── 諸君 私は魔法使いが好きだ 諸君 私は魔理沙が好きだ 諸君 私は霧雨魔理沙が大好きだ 黒白が好きだ 魔女っ娘が好きだ 力強さが好きだ 蒐集癖が好きだ レーザーが好きだ マスタースパークが好きだ ドロワが好きだ 恥じらいが好きだ 優しさが好きだ 森で 人里で 神社で マヨヒガで 永遠亭で 霧雨亭で 香霖堂で 白玉桜で 無縁塚で 妖怪の山で この幻想郷で行われる ありとあらゆる盗難行動が大好きだ 戦利品をならべ 丁寧に飾り 満面の笑みと共に私に向かって 自慢してくるのが好きだ 空中高く放り上げられた私が 彼女のスペカでばらばらになった時など 心がおどる 魔理沙の操る ノンディレクショナルレーザーが 敵を撃破するのが好きだ 余裕の表情で 燃えさかる弾幕から 飛び出してきて 敵をなぎ払った時など 胸がすくような気持ちだった あてもなく空を飛び 面白そうな物を見つけると 何でもかんでも 私に見せてくれるのが好きだ 精神不安定な私に 「元気が出る魔法だ」と言って 何度も何度も抱きしめてくれる様など 感動すら覚える 泣いて帰ってきた私に 「泣くなよ……私まで悲しくなるだろ」と 共に悲しんでくれる様などはもうたまらない 魔法実験の時 私の振り下ろした手の平が薬瓶に当たり零れ 「何やってるんだぜ……」と言いつつも 結局は許してくれるのも最高だ 酔った魔理沙に キス攻撃で滅茶苦茶にされるのが好きだ 必死に守るはずだった魔理沙がひとり弾幕に飛び出して 自分は残機0で動けない様は とてもとても悲しいものだ 意味もなく抱き合って お互いの存在と愛を確かめるのが好きだ 褌野朗に魔理沙を盗られ 害虫の様に地べたを這い回るのは 屈辱の極みだ 諸君 私は魔理沙を 私にベタ惚れで天使の様な魔理沙を望んでいる 諸君 私の同士兄弟戦友諸君 君達は一体 何を望んでいる? 更なるネタを望むか? 情け容赦のない キャラから引っ張りだこのような世界を望むか? 鉄風雷火の限りを尽くし 鴉天狗の記者をも寄せぬ 嵐の様な愛を望むか? 魔理沙!! 魔理沙!! 魔理沙!! よろしい ならば求婚だ 我々は満身の力をこめて 今まさに振り下ろさんとする決断の時だ だが この暗い闇の底で 何十年もの間 堪え続けて来た我々に ただの魔理沙ではもはや足りない!! 私に超ベタベタに惚れている魔理沙を!! 見返りを求めぬ愛を!! 魔理沙「おーい、何書いてんだー?」 私「何でもないって」 魔理沙「そっか。 じゃ、実験の続きでも始めるか♪」 私「おう」 10スレ目 501 ─────────────────────────────────────────────────────────── 魔理沙、俺に一生ついていかないか? 10スレ目 914 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「魔理紗、お前の集めれない物を俺が手に入れてやるよ。 そう、お前の恋愛をな!」 10スレ目 990 ─────────────────────────────────────────────────────────── 手を繋いでふたり並んで、本当に氷のように、冷たい波に逆らいながら奥へ奥へと進んでいく。 隣を見たら○○は酷く優しい顔をしていて、私は寒くて震えてた。 ごぶんって水の音がして、肩のところで髪の毛が海水に晒されて浮き上がる。 口元まで迫った水をどうにか避けて、最後に「○○、」と呼んだなら、○○の色を失った冷たい唇が、私の同じく冷たい唇に触れた。 離れないよう必死に握り合っている手は、強く絡めすぎたせいで少し痛い。 目の前に広がる海は、黒だ。空の闇に溶け込んでしまいそうな、黒。 「・・・心中?」 「・・・それっぽいよなー」 「魔理沙一人で死ぬならまだしも、俺まで巻き込まないでくれる?」 「いやてか、ただの夢だからな?」 私がずずーっと音を立てて○○の淹れてくれた暖かい紅茶を啜ったら、○○に「下品」と冷たい声で言われた。 いや、思いっきりテーブルの上に足乗っけて更にそれを組んでるお前に言われたくないぜ○○。 さっきまでどこの令嬢かと見紛うほど繊細で格調高い空気を醸し出しながら紅茶をいれてたくせに、今はただのヤンキーじゃないか。 私はティーカップを持ち直して、今度は全く音を立てずに上品に紅茶を啜る。 ○○はそんな私を見て少しだけ目を細めて、「やれば出来るじゃないか」と微笑んだ。しかし嘲笑いっぽい笑顔で。(・・・) 私も○○と同じ笑顔を浮かべて、「○○もな」と言った。 今この家に来客が来たら、何故か嘲笑いあっている二人という異常な光景に驚愕するかもしれない。 まあ、私がいるときに○○の家に来客が来たことなんて一度も無いから、ありえない話であるけれど。 「夢には深層心理が現れるんだよ 魔理沙」 「・・・それは私が心の奥底では○○と心中したがってるって事か?」 「そういうことに、なるね」 ○○は何故か楽しそうに笑っていたけど、私は思わず黙ってしまった。 ・・・だって、そんなこと、ある訳がない。 私は死にたいなどとはこれっぽっちも思っていないし、第一もし死にたかったとしても○○を巻き込むことは絶対にない。 さっき○○が言ってたみたいに、ひとりで勝手に死ぬだろう。 更に○○が私の言うことをおとなしく聞いて一緒に死んでくれる可能性はほぼ無い、というか全く無いし、私がそんな世迷言を言ったが最後、 「そんなに死にたいなら俺が殺してあげるよ」とか言われて酷く嬉しそうな○○に戦いを挑まれそうだ。 その事をこんなに、それこそ痛いほど理解している私が、「○○と心中したぁい」とか乙女ティックかつファンタスティックかつセンチメンタルなことを思うだろうか? いや、思うわけがない。あれは、夢だ。紛れも無い。 「いや、ナイナイ。ほんとありえない」 「・・・ふぅん?」 「なんだ、その不満げな顔」 「お前が心中したいなんて下らないこと言ってきたら、すぐ俺の手で殺してあげようと思ってたのに」 「・・・言うと思ってたぜ、○○」 私が苦々しく言ったら、○○は「へぇ、よくわかってるね」と笑って言って、いつの間に出したのか、鈍い銀色に輝いているナイフの手入れなんか始めていた。 ・・・なんで私はこんな物騒な奴と茶なんか飲んでいるんだろう。 今まで私たちの関係はその、いわゆる、「恋人同士」だと思っていたが、獲物と狩人に認識を改めないといけないかもしれないな。いや本気で。 「ねぇ、昔から、心中した男女は、来世双子に生まれかわるって言われてるだろ?」 「・・・明らかに迷信だろ」 「俺だって信じてなんかいない。でも面白い話だとは思う」 「おもしろい?」 「そう。今が辛いから、来世で結ばれることを願って二人で死んだのに、恋焦がれた相手とは双子になってしまった。 一緒にはいられるかもしれないけど、一生気付かないで終えるかもしれない。 もし気付いたとしても、決して結ばれることは無い。・・・愛し合うことは出来るかもしれないけど・・・不可能だから、どっちにせよ不幸だ」 ○○が、静かな声で淡々と話す。 足はテーブルの上に気だるく組まれたままで、ふてぶてしい態度はさっきと全く同じだけれど、私のほうをじっと見ている○○の鋭い目線に、心臓がどきりと高鳴る。 それが異常な反応なのか正常な反応なのか私には判らないけれど、普通の人なら絶対に見惚れてしまいそうなほど綺麗な○○にこんな真剣な顔で見られているのだから、たぶん正常な反応なんだと自分では思う。 ・・・奴は私をどきどきさせたくてこんな話をしている訳ではないだろうに、うっかりどきどきしてしまっている私はやっぱり何だかんだ言って○○に惚れているのだと思った。 それが、例え本当にただの獲物と狩人の関係でも。 狩人がもし恋した人ならば、仕留められるのも悪くない・・・って、この思想じゃ本当にいつか私は心中を企てそうだ。 もちろん、奴と二人で死ぬためじゃなくて、奴に殺されるためにの。 「ねぇ魔理沙」 唐突に、○○が私の名前を呼ぶ。 切れ長の目は細くなって、いつも結ばれている綺麗な形の唇は上につり上がって。 ああ、こいつ笑ってるんだ。と思った。それも、とても優しく。 「俺は魔理沙と心中する気はないけど、魔理沙が俺と生きていくなら、絶対に幸せにする自信があるよ」 私は、夢の中で私の手を引いた、あの○○を思い出していた。 紅茶、おかわりいる? ○○が立ち上がって、自分から質問したくせに、私の返事も聞かずテーブルの上に置いたままになっていた空のティーカップを持ってキッチンへ行ってしまった。 私はソファーに座ったままで、私の紅茶をいれている○○の背中を眺めた。 ここはとても明るくて、寒くなんかない。あたたかい。 今なら手だって繋いでも痛くないだろうし、キスしても唇は人の体温を持っているだろう。 私は立ち上がって、最後じゃなく、はじまりみたいに、「○○、」と呼んだ。 私のほうを振り返らないで、「なに」と面倒そうに返事をしてくれる○○と過ごす未来を想像したら、これは○○に殺されたくても、心中したいなんて絶対に言えないと思った。 そもそも、私があいつの近くにいられて、死にたいなんて思うはずがまずないのだけど。 名前は分からないけれど、柔らかい紅茶の匂いが部屋に満ちていく。 あとで、何ていう葉っぱなのか、○○に聞こうと思った。 12スレ目 267 うpろだ802 ─────────────────────────────────────────────────────────── 目が覚めるとなにやら暖かくてやわらかいものがあるのに気づいた。 布団をはがすまでもなく自分以外の誰かが入っているのがわかる。 恐る恐るめくると自分が幻想郷に来て以来何かと世話になったりしている霧雨 魔理沙がいた。 「……魔理沙、おまえは何やってる」 「クリスマスの日はプレゼントを渡すのが風習なんだろ?」 「あぁ、そうだが?」 「なら、わかったよな?」 「……わかったが、マジか?」 「大マジだぜ」 魔理沙は顔を赤くしながらも笑みを浮かべ、さらに言葉を続けた。 「私というプレゼントを受け取ってくれ」 11スレ目 488 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「なー、○○」 「ん、なんだ魔理沙」 魔法の森にある魔理沙の家。 相変わらず散らかった部屋の中で、 居候の俺と家主の魔理沙はちょっと離れてそれぞれ本を読んでいる。 「もしさ、私とお前の子どもができてさ」 「~~~~ッッ!!?」 俺は声にならない叫びを上げた。 確かに魔理沙とは恋人同士だが、 子どもができるようなことはまだしていないはずだ。 ……いや待て、この間の神社でやった宴会、 萃香に5杯目を飲まされた辺りから記憶がない。 まさか…… 「できたのか!?」 「……できるようなことはまだしてないぜ」 ああ、ほっとした。 「それでな?もし私と○○の子どもができてな」 「あ、うん。それで?」 「もしその子が年頃になって、 『魔法使いになりたい』とか言い出しても… …ちゃんと祝福して、送ってやってくれよな」 ああ。 以前霖之助さんから聞いたことがある。 魔理沙はもうずいぶん前に、魔法使いになることを父親に反対されて 家を出たきりになっているとか。 「よっ、と」 床のガラクタを押しのけ、魔理沙の隣に腰掛ける。 「大丈夫だよ。こうして普通の魔法使いに惚れてここにいるんだ。 子どもがそうなりたいって言ってもちゃんと受け入れられる」 「○○……」 「でもさ、逆にその子が 『道具屋になってまじめに働きたい』とか言い出したら どうするんだ?」 ちょっといたずら心を出して聞いてみた。 それは嫌だぜとか言うのかと思ったのだが。 「そうだとしても、私は笑って 送り出してやるぜ?」 予想に反してさらりと返された。 「だってな……」 ぐいっと、魔理沙が身体をすり寄せてくる。 「私と、私の愛する○○と、 二人の間にできた子なんだぜ? 時々けんかすることぐらいはあっても、 幸せな家族でいたいじゃないか」 そう寒いわけでもないのに、 温もりを欲しがるように密着してくる。 「別に後悔してるとか、 そんなんじゃないんだ。 ただお前と私が家族を作るとしたら、 似たようなことになるのも 芸がないと思ってさ」 ……確かに魔理沙なら過去を後悔などしないだろう。 でも心なしか、強がるような口調には未来への不安が感じ取れた。 だから俺は肩の辺りに寄りかかってくるふわふわした頭にそっと手を置いた。 「大丈夫だって。魔理沙を見て育ったら ……えーと、とりあえず元気な子にはなるから。 良い家族になれるさ、うん」 「なんだか私にろくな取柄がないような言い方だな。 もっと何かないのか?」 「…可愛くて、元気で、皆に好かれて、実は努力家で、太陽みたいな子になると思うよ」 「……そこまで言われるとかえって恥ずかしいな。 大雑把で、部屋が散らかってて、人の迷惑を省みなくて、 借りた本を返さない子どもになるかもしれないんだぜ?」 「そんなところも含めて、俺は魔理沙のこと愛してるよ」 「……ん」 今日も、ゆっくりと時間が流れる。 12スレ目 517 うpろだ841 ─────────────────────────────────────────────────────────── どっちの方がすき? ~霧雨 魔理沙~ ○○の家の物を盗みにきたとき。 1 普通の魔理沙 よ、○○じゃないか。 今日はお前の本を借りにきたぜ。(ずがずがと入り込む) えっ、前借りた本はどうしたって? すまんな、まだ見ているんだ。(本棚からちょいちょいと盗んでいる) ……おい、今日はいつもの○○らしくないぜ。 いつもは早く返せとか勝手に取るなとかいうのによ。 一体何なんだ? 黙ってちゃこわいこわい、何か言いたい事ありゃいいなよ。 ……なんだって!? 俺を盗めってどういう風の吹き回しだ。 えっ…? 私の事が好きだって? ば、馬鹿を言うんじゃない。 私みたいな泥棒をどうして好きになるんだよ? …俺の心はお前に盗まれた? ―っぷ、フハハハッ! うまい事言ってくれるじゃないか! やれやれだぜ、○○、お前の負けだ。 私もお前の事が気になってあいつ(=パチュリー)の本を盗みにいけれねぇ。 だから、お前の家に来るようになったのさ。 ほ、本当のことなんだぜ!? ……○○、私はお前の事が大好きだ。 嘘は言わない。 だからさ、私は…○○の持っているものしか、盗まないぜ。 何を盗むかって? そ、それはだな。 たとえb――ッ!!?(言うている最中に抱きしめてキスをした) …ぷはっ、はぁ、はぁ……酷いぜ/// 私みたいな乙女にいきなりキスするなんて。 それに…○○に先に盗まれたぜ……私の唇を/// 覚えてろ、今度は私が先に○○の唇を奪ってやるからな!! 2 実はシャイな魔理沙 きょろ、きょろ…(○○の部屋の中へ進入) ……い、いないよな。 よし、○○。 今日も本を借りに来たぜっ、っと。(本を数冊頂戴する魔理沙) ♪~♪~……うわっ!(後ろから何者かに首筋を捕まれる) ま、○○じゃないか! い、いつここにきたんだ!?///(首筋を離した後、じりじりと近づく○○) あ…え、えっと、ほら、なんだ。 わ、私は本を盗りに来たんじゃなくて、借りに来ただけだからな!? う、うぐ…○○、そんな顔で見るなって、怖いじゃないか。(近づく○○に対して後退する魔理沙) ……わ、私が悪かった、本を戻すから許してくれよ~!(はわわ、○○の顔が近いよ~///) どさっ(ベットに引っかかってそのまま後ろに倒れこむ) ひゃぁっ!(小さく悲鳴を上げる魔理沙にマウントを取る○○) ……なぁ、○○。 お願いだから許してくれよ…な? な?(真っ赤な表情+涙目で訴える魔理沙) ちゅぅっ。(訴えを無視してディレイなし+前兆なしのキスをかます○○) ……☆◎@*+#%&!!!?(突然の事で訳のわからない叫びを上げる) な、何乙女の私にき、キスをするんだよ!?(パニック状態な魔理沙) ……私の普段見ない表情がすごく可愛かったからって? ば、ばかやろう。 乙女の前で堂々というんだよ/// えっ? 私の事がすきだって……? も、もぅ。 恥かしくて私、死んでしまいそうだ/// ……私はどうなのかって? ○○!! 私をどこまで恥かしい思いをさせりゃいいんだ! いくら本を借りたからってあんまりだ! 勘弁してくれ!!/// ……ま、まぁ。 わ、私だって……恋する乙女なんだぜ? ○○の事、嫌いに思う訳が無いじゃないか!/// …なぁ、お願いだから、さっきの事、許してくれよぉ~。 えっ、無理だって? じゃぁどうすりゃ許してくれるんだよ? これから一生愛し合って、毎朝キスしたら無かった事にする!!!?(むちゃくちゃな条件に驚く魔理紗) ……わ、わかった。 私は○○の事、一生愛する。 毎朝キスをする…。 ぅ~……すごく、恥かしいぜ///(帽子で顔を隠す魔理沙) 12スレ目 634 うpろだ858 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「魔理沙。」 「何だ?」 「好きだよ。」 「はいはい・・・ってえぇ!?」 「いや、だかr「いやでもな私は嬉しいんだがそのなんだあのお互いのことをよく知らないといけないというかなんというか亜qwせdrftgyふじこlp;」 ‐3分後‐ 「……返事は?」 「え、えと、その、私でよかったら……。」 無言で抱きしめてみる。 耳まで朱に染まった魔理沙が可愛かったもんだから愛してる、と耳元で囁いたら紅まで染まった。 12スレ目 81 ─────────────────────────────────────────────────────────── とんとんと包丁の小気味良い音が響く。 コトコトと味噌汁の煮立つ音がする。 今日も家へ戻ると食事の準備がされていた。 「おお、遅かったな」 「ああ、少しアリスの家に行って糸繰りを教わっていたんだ」 「へえ、最近アリスの奴と仲がいいんだな」 「何だ魔理沙、妬いてるのか?」 「そんなことはないぜ。ほうれ、もうじき出来るぞキノコ尽くしだ」 「うへえ、今日もキノコか」 「昨日はエリンギ、今日は違うキノコだぜ」 言いながら食卓に手際よく皿を置いていく。 程なくして夕食の準備が整った。 「それじゃ『いただきます』」 挨拶し食べ始める。 「味はどうだ。今日採ってきたんだが」 「うん、結構いけるな。初顔だがなんていうキノコなんだ」 「森の奥に生えるキノコでな」 森、魔法の森だろう。あまり良い場所ではない。無論植物にもだ。 「毒があってな。自白になるんだ」 「魔理沙、何を言って……」 「美味いんだろう。食べればいいじゃないか」 「魔理沙、お前何を」 「アリスとは何もないんだろう! なら食べればいいじゃないか!」 非常に強い口調で言われる。 これほどまでに魔理沙を不安がらせていたのかと今更気づく。 だが問題ない。魔理沙がいかなる疑義を掛けようとアリスとの間には何もないのだ。 ならこれを食べて魔理沙の疑いを晴らしてやればいい。 何の問題も無い。 真実密通しているのは霊夢となのだから。 12スレ目 408 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「なぁ魔理沙。恋色ってどんな色なんだ?」 「こんな色だぜ」 そう言ってキスをして来た後に照れ隠しに帽子を構いながらこうつぶやく。 「やれやれだぜ……」 12スレ目 440 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「よう執事、邪魔するぜ」 「こらこら、勝手に入るな、それと俺は執事じゃ無い」 いつもどおりに窓から侵入してきた魔理沙、コイツになに言ってもどうせ聞きはしないと解っていても、言わざるを得ないのである 「そうそう、今日は本の貸出禁止だ」 「な、何でだ!?ぜ?」 「とにかく今日は駄目だ、どうしてもと言うなら実力行使で逝かせて貰うぜ?」 実力行使と言っても咲夜さんを呼ぶかレミリア様に報告するかの二択なのだがね 「ふぅ、しょうがないな・・・今日は大人しく帰るぜ」 「うむうむ、素直で宜しい事・・・そうだ、魔理沙」 「ん、なんだ?」 「今夜お前の家に行くから」 わぁっと? 違う わーい? お、落ち着け私!○○が今夜?私の家に?・・・おk把握・・・把握・・・ な、何しに来るんだ?ナニしにくるんだ? も、もしかして、○○も私の事・・・そ、そんなはずないぜ、こんながさつで乱暴者をす、すきに、なるはず、ない・・・ぜ ででででももしかしたらもしかしてと言う事もなくは無い筈な事もないこともry 「魔理沙?どうした、気分が悪いなら医務室に」 ○○の顔が、凄く近かった、のでびっくりした 「ひゃぁっ!?」 「うを!?ど、どうした?」 ま、まだ慌てるような時間じゃ無いぜ! 「かか帰る!よ、夜にまたっ」 侵入した窓から、逃げるように紅魔館を後にした こんな真っ赤な顔を○○に見られたら、さらに赤くなって収拾がつかなくなりそうだからだ ~そして日が暮れて~ 「魔理沙ー、まーりさっ」 玄関から声がする、間違いなく○○の声だ ベットシーツも新しいのに代えて、お風呂に入って、ええと、その・・・大丈夫! 深呼吸をして、気持ちを落ち着けて ○○を出迎えた 「こ、こんばんわだぜ!夜遅くにご苦労だぜ!」 「お、おう・・・随分機嫌がいいな」 ○○が持っている風呂敷に目が行った なんだかでこぼことゴツゴツとしたものが・・・はっ さ、流石っ!出来損ないとはいえ吸血鬼、人間を超えた存在・・・色欲においてそんな域まで到達しているとは・・・ は、初めてなのにそんな、その・・・ 「だ、だめっ!む、無理だぜっ!?」 「ど、どうしたいきなり・・・?」 「え?あ・・・・・・・なななななななんでもないぜーHAHAHA」 まだ二月だと言うのに、わたしの頭はすっかり春だった 魔理沙の様子が凄くおかしい 赤くなって俯いたかと思うと身体をくねくねさせたり、いきなりニヤニヤしたり、独り言も多い 一言で言うと不気味だ なんか変なきのこでも食べたんではなかろうか? まぁとりあえず放っておいて、俺は俺の仕事をしようではないか 風呂敷を広げて、パチュリー様に頂いた金属探知機のような棒を取り出す この棒をかざすとパチュリー様の本かそれ以外かが判るらしい、らしい とりあえずくねくねしている魔理沙を放置して本棚をあさり始める ええと、これと、これと、これも・・・・・・・・・・・ 「あっ、でも・・・そんなの・・・・・・・ん?○○、何やってるんだ?」 「お前が借りたままで返さない本を強制回収してるんだ」 「なっ!何の権利があって!?」 「いやいや、貸主の要望でな、と言うか借りたらちゃんと返しなさい」 「も、もしかして今夜来たのは・・・」 「ん?だから本を返してもらいに来たんだ、俺は日光駄目だし、だから夜」 なんだかパキンと言う何かが割れる効果音がした 魔理沙は一時固まっていたが、凄い勢いで寝室に飛び込んでいった 「な、なんだ?」 「ぎゃぁぁぁぁあああ!?恥ずかしい!恥ずかしい! さっきまでの春な頭を黒歴史にしてしまいたいぜ!ぜっ! 何を一人で勝手に盛り上がって、盛ってる訳でもあるまいし!うあぁぁぁぁああ」 ベットにダイヴしてごろごろと転がって、身悶えた 勝手に花咲かせてた自分の頭、思考回路を燃やしてしまいたいぐらいだぜ 思春期でもあるまいし・・・ああ、チクショウ 馬鹿だな、私は 「おい魔理沙、本の選別が終わった」 嗚呼そうかい、ならさっさと帰ればいいだろ?こんな妄想過多な春娘はほっといてさ 「おい、入るぞ」 「ちょ、ちょっとまっ」 問答無用、待ったなしでドアが開けられた、鍵した意味が無いじゃ無いか 「・・・なんか変だと思ったら、顔が真っ赤じゃ無いか・・・熱があるなら寝てろ」 「ち、違」 おでこに触れた○○の手は、ひんやりと冷たかった 「熱はないか・・・ほんとに大丈夫か?」 「大丈夫だから、離れてくれ」 「あ、ああ悪かった」 これ以上そんな近づかれたら熱暴走して液体窒素で冷却しなきゃならないぜ 「あー・・・その、今まで悪かったな、今度からは、その・・・」 違う、私が言いたいのはそんなことじゃ無い 私がお前を嫌悪する分けないじゃ無いか 「○○っ!お前に言っとかなきゃならない事があるんだっ」 「な、んだ?」 さぁ問題だ ここで私の想いをぶちまけるのか 拒絶を恐れて何も言わず、誤解させたままにするのか 告白とは、とても怖い まず言葉にするだけでも大変だ そして相手の反応が怖い 最悪の状況まで考えてしまう、拒絶されるのではないか、彼には他に意中の人が居るのではないか しないなら想いは想いのまま、壊れず、怖い思いもしなくて済む さぁ問題だ 私らしいのは、どれだ? 「○○、私は・・・私はお前が好きだ、好きでたまらないんだ」 「・・・は?ちょ、ちょっとまて、ええと・・・あ、うん、俺も好きだ・・・」 嫌われてるんだと思った、それが凄く寂しいと思った 魔理沙の事は好きだ 紅魔館によく侵入してきて、それで話すようになって お茶したり、探している本を一緒になって探したり いろんな事は出来ないが、それでもコイツが、凄くいいやつで、可愛い奴だというのは知っていた 「待ってくれ・・・魔理沙、お前の事が好きだ・・・こんな俺でよかったら、恋人になって欲しい」 かなわないならそれでもいいと思っていた 恋なんていつかは消えてしまうと でも、それでも、コイツなら、恋色の魔法使いなら 「私のほうこそ、その・・・よろしく、だぜっ」 そういえば、今日始めてこいつの笑顔を見れた気がした 「なんか綺麗にまとまったと思ったのに・・・」 「どうした○○?」 「日が昇って外に出れない、屋敷に帰れない」 「そんなに落ち込むなよ、一日私と過ごせると思えば」 「嗚呼、それもそうだな」 「で、でもまだそういうのは早いぜっ!もうちょっと順序を追ってその、いや別にしたいとかそういうのじゃなくて、したくないと言えば嘘になるかもしれないけどry」 「魔理沙ー?おーい」 だめだ、何処か遠くの世界へ旅立ってるみたいだ、目の前で手を振っても気付かない 遠くから窓を見ると、上った朝日が辺りを照らしている 「まぁ・・・今日は久しい休暇と言う事でいいかな」 いまだクネクネ身をよじりながら独り言を言っている魔理沙 キスでもして驚かせようかとも考えたが、面倒なのでとりあえず放置して紅茶を入れることにした end 12スレ目 771 うpろだ874 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「あれ、魔理沙もう寝るのか?」 「おう、○○おやすみ」 軽く挨拶して魔理沙が俺の前を通り過ぎた。 手には一升瓶をぶら下げて―― 「って待てや。なんだその酒瓶は」 魔理沙は手にした一升瓶を持ち上げて 「なにって飲む以外になにがある? 消毒にも使うけど今ケガしてるようにはみえないだろ?」 「いや、飲むのは構わないんだがそれ丸々一本飲むつもりか?」 「おう。これだけ寝酒として飲めばぐっすりと眠れるぜ」 「いやいや、それ位飲まないと眠れないって方が問題あると思うが」 「冗談だ。せいぜい3杯くらいしか飲まないよ。○○にだってあるだろ? こう眠れないときに一杯やりたいって時が」 「ない。眠れないときは読みかけの本とか読んだりするし、そもそも眠れないって事のほうが少ない」 「むぅ。お前そういうところドライだよな。もっと飲めるようになれよー」 「お前らがザルなだけだ。俺だってそれなりには飲めるんだから」 といっても精々ウイスキーのシングル水割りを2杯くらいで程よく酔っ払うので決して強いわけではない。 なので宴会をやっているときには端の方でなるべく静かにしているのだ。下手に飲まされてぶっ倒れてゲロ吐くなんて醜態は晒したくない。 「でもその分きっちり片付けしていってくれるのがすごく助かるって霊夢が喜んでたぜ」 「騒げないぶんそういう後始末くらいはしておかないとな。で、話は戻るがやっぱり瓶ごとはやめておけよ」 「ふっ、私はちゃんと自分の限度はわきまえているからな。心配はいらないぜ」 「あれ~? この間度数見間違えて飲んでひっくりかえって一日俺に二日酔いの看病させたのはどこの誰ですか?」 「そっそんな前の話もちだすなよっ!」 「というわけでこの酒瓶はぼっしゅう~」 そういって俺は魔理沙の手から一升瓶を取り上げる。 「あっ、なにすんだよー。かえせよー」 身長差があるためいくら魔理沙がはねても高く上げた俺の手には届かない。 「だ~め。眠れないんだったら眠れるまで俺が話し相手になってやるからそれでいいだろ?」 「えっ?」 急に飛び跳ねるのをやめ、顔を赤らめて上目遣いで俺を見つめてきた。 「あ、あのさ、それはいいんだけれどできれば一緒のベットに入って話してくれるといいんだけど……」 こいつめ。その表情に俺が弱いこと知っててやってるな。 「まぁいいけどさ。そうすると俺そのまま寝ちまうかもしれないぜ?」 「かまわないぜ。むしろ願ったり叶ったりだ」 「よし。じゃ決まりだな。酒瓶置いたら部屋にいくよ」 「ああ、じゃ先に部屋いって待ってるからな」 さていったい何を話すとしますかな―― 12スレ目 776 うpろだ878 ─────────────────────────────────────────────────────────── 魔「あー、飲みすぎたー」 調子の悪そうな顔をして魔理沙が部屋から出てきた ○「まったく昨日あんなに飲むからだ。少しは自重しろ」 魔「へいへい。なぁ腹へったから何か食べるものないか?」 ○「バナナでいいか?」 ――ゴンッ 魔「あのなー、病人相手にそれはないだろー?」 ○「冗談だ。しかし二日酔いは病気じゃない。ほれおじや作っておいてやったから」 魔「おっ、○○の作ったおじや出汁がきいててうまいんだよなー」 しばらく魔理沙のおじやをすする音しかしなくなる―― 魔「なぁ、○○」 ○「なんだよ」 魔「好きだぜ」 ○「そいつはどうも」 二日酔いにやさしいようにすっきりじたてにしてみました 12スレ目 600 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「○○は……まだ来てないな。 おーい、香霖」 魔理沙は香霖堂のカウンター前にいた。 手には何か薄い紙の束らしきものを持っている。 奥から出てきた店主の霖之助が何か言う前に、 魔理沙は口を開いた。 「香霖、チョコをくれ」 「いきなりだね魔理沙。 バレンタインは明日だし、僕は男なんだが」 「そんなことはわかってるぜ。 ほら、これだこれ」 持っていた紙を広げる。 どうやらそれは外の世界の雑誌だったらしい。 開いたページには市販の菓子の写真が載っている。 柄がビスケット、傘がチョコレートでできた、 きのこの形をした菓子だ。 「幻想郷で、きのこと言えば私、霧雨魔理沙だぜ。 香霖、入荷してないのか?」 「さて、どうだったかな…… 倉庫で見たような気がするんだが」 「―おはようございます」 ドアを開け、○○が入ってきた。 外の世界から来て、今は香霖堂を手伝っている彼は、 魔理沙の恋人だった。 「ああ、ちょうどいい。彼に聞いてみよう」 「あっバカ、せっかく内緒に……」 「○○、ちょっとこれを見てくれ。 在庫の中にあったかな?」 「おっ、懐かしいですね。 でも俺は『きのこ』より『たけのこ』の方が……」 「……たけのこ?」 「ん、どうしたんだい、魔理沙?」 「……蓬莱月人か!?私を捨てて蓬莱月人に走るのかあー!!!」 「うわ!?落ち着くんだ魔理沙!店を壊さないでくれ!」 「おい魔理沙、スペルカードは、スペルカードはやめt」 ~恋符「マスタースパーク」~ 結局、在庫調査は霖之助が行い、○○は壁に開いた穴の応急処置をすることになった。 「す、すまない○○……ちょっと取り乱したぜ」 「あのな魔理沙……あんまり⑨なこと言わないでくれよ? 俺が魔理沙を捨てて他の誰かを好きになることなんかありえないだろ?」 魔理沙の頭を撫でながら、○○は臆面もなく言ってのけた。 「……うん」 良い雰囲気だったが、ちょうどそこへ霖之助が戻ってくる。 「似たような感じだが、これは違うかな? しばらく前に幻想郷に入ってきたんだが」 そう言って霖之助が差し出したのは 「……『すぎのこ』?○○知ってるか?」 「いや……あまり聞かないな」 その時、轟音が響いて地面が大きく揺れた。 「何だ!?」 「外だぜ!」 店の外に出ると、そこには空から降ってきたと思われる 巨大な柱が突き刺さっていた。 「これはいったい……」 「待つんだ○○、何か書いてある。 何々……」 『杉と聞いて、古き縁を結びにオンバシラ』 「……神か!?私を捨てて神に走るのかあー!!!」 「おい魔理沙、俺は何も言ってな…… ちょ、ラストスペルは、ラストスペルはやめt」 ~魔砲「ファイナルスパーク」~ ―バレンタイン当日。 魔理沙は倉庫に一箱だけあった目的の品を手に入れていた。 代金は払っていない。 ちなみに、香霖堂は吹き飛んだ店の一角の修理に入ったため、 ○○の仕事は休みになっており、魔理沙の家に来ていた。 「そういうわけで○○、私からのチョコをやるよ」 「これ一箱にずいぶん大きな犠牲を払った気がする……」 箱を受け取ろうとする○○の手を、 魔理沙は押しとどめた。 「なんだよ。くれるんじゃないのか?」 「チョコをやるとは言ったが、これを全部やるとは言ってないぜ」 そう言って魔理沙は箱の中身を一個取り出すと、 柄の部分を口にくわえた。 「ほふぁ、ふぁへふぉよ(ほら、食べろよ)」 チョコでできた傘の部分だけを、この状態から食べろということらしい。 「……じゃ、お言葉に甘えて」 ○○は、チョコの部分だけをかじり取ろうとするが、なかなかうまくいかない。 時々、唇や舌が魔理沙の唇に触れる。 結局、ビスケット部分を少し一緒に食べてしまった。 「あー、失pむぐっ!?」 一瞬の隙を突いて、魔理沙の舌が唇を割って入ってくる。 それはしばらく○○の口の中で暴れ回り、 やがてカメレオンのような器用さでビスケットだけを絡め取って離れていった。 「チョコだけと言ったはずだぜ?」 頬を赤く染めながら、魔理沙はニヤリと笑った。 だが○○も、負けてはいない。 「待て魔理沙。……今のは少しチョコが残っていた気がする」 結局、二人は一箱分これを繰り返すのだった。 12スレ目 968 うpろだ922 ─────────────────────────────────────────────────────────── 「○○、いるか?」 「あぁ、いるぞ。それと呼び鈴くらい押してから入れ」 「そんなことはどうでもいい、今日は何の日だか知ってるよな?」 「あー・・・・・・、バレンタインだっけ?」 「そう!だから私がチョコを作ってきたやったぜ、喜べ」 「そうか。で、チョコは?」 「これだぜ。」 「開けていいか?」 「おう」 箱を開けると、4×4の大きさの升目に一つづつチョコが入っていた。 「○○! その中に一つだけ凄く甘いチョコがある。それを当てられたなら私がご褒美として・・・その、キ、キスをしてやろう!」 「は?」 「う、うるさい! 早く選べ!」 OK、頭を一度整理するんだ。魔理沙がくれたチョコの中から凄く甘いチョコを当てられたらキスをしてもらえるだと? こういう恋愛事には恥ずかしがって中々してくれない魔理沙からのキスだ。必ず当てねば! かといって、どれが凄く甘いチョコなのだろう。確立は16分の1だし、適当に選んで当たるとは思えない。 あれこれ思考を続けていると、魔理沙が言った。 「は、早くしろ! え、えーと、後10秒だ!」 「ちょ、それは理不尽だろ!」 「9・・・・・・8・・・・・・7・・・・・・」 カウントは進む。もう考えている暇などないので一番右上のチョコをとって言った。 「じゃあこれにするよ、これが甘いチョコだったらキスしてもらうからな?」 「お・・・・・・おう」 「それじゃ、食べるぞ」 チョコを口に含む。 これは・・・。 とてつもなく甘い。砂糖を直接食べている気分だ。 「魔理沙・・・・・・これ、甘いぞ?」 「そ、そうか。あ、当てられたんなら仕方ないな」 魔理沙が俺に近づいてくる。そしてそのまま、唇に軽く触れる程度のキスをした。 「そ、それじゃあ私は帰るからな!」 「待てよ、残りのチョコくらい一緒に食べてこうぜ」 「い、いや、私は遠慮しとくぜ!」 走って逃げ出したので、手首を掴んで聞く。 「・・・・・・さては何かあるだろ?」 「な、何も無いぞ!」 チョコに何かあると思い1つ食べてみる。 ・・・・・・あれ?甘いぞ? もしや、と思いもう1つ食べてみる。 ・・・・・・甘い。 なるほど・・・そういうことか。大方バレンタインを口実にしてキスがしたかったのだろう。 「魔理沙、チョコ全部甘くしただろ?」 「う・・・・・・、その・・・・・・」 もじもじしながら場を切り抜ける為の言葉を考えている魔理沙が可愛かったので、悪戯心からこんな事をいってみた。 「魔理沙、今2個食べて2個とも当たったよな。2回キスしてくれるんだろう?」 「え!?ちょ、それは・・・」 「最初の1回だけとは言ってないよな。あぁ、そういえばチョコが後13個も余ってるな。」 「う・・・○○の意地悪! 腹黒! 鬼!」 「はっはっは。なんともでも言え。だがルールは守ってもらおう!」 終わり。 12スレ目 974 うpろだ929 ─────────────────────────────────────────────────────────── ここは魔法の森にある古道具屋、香霖堂。店主の霖之助さんは奥で新聞を読んでおり俺は魔理沙に呼び出され今に至っている 「……で、俺を呼び出して何のようだ?」 「まず落ち着いてくれ、このキノコはサービスだ」 何のつもりか知らないが赤い傘に水玉の斑点が入ったキノコを魔理沙は手渡した。 「○○、お前の全てを私にくれ」 「いきなりだな。何か欲しいもの、俺が持ってたっけ?」 「わからない奴だな、お前が…、あ~その、好きなんだよ……。こんな事何度も言わせるんじゃないぜ」 「魔理沙……」 俺はこれまでの魔理沙との思い出を思い出した初めて出逢って、そして今の関係になるまで…… 正直魔理沙の事は俺も好きだった、明るく気まぐれでそれで負けず嫌いの、笑顔が可愛い子だ。 でも人気者の彼女が俺にはふさわしくないとも思ってた、だから傷つかないようにしてた、今の関係を保っていた 「魔理沙……」 でも 許される なら 「○○……」 俺が魔理沙を好きで魔理沙も好きなら…… 「好きだよ、魔理沙」 その時香霖堂の扉が吹っ飛び、破片が粉々に飛び散ったが店主は気にも留めず天狗の新聞を読みふけった。 吹き飛ばした入り口からはアリスとパチュリーが現れる。 「アンタに魔理沙は渡さないわ!」 「待ちなさい、アリス。今消極的にあの男を消し飛ばす方法を考えているから……」 「「アンタは今ッ!『魔理沙を遠くから愛でる会』の会長を怒らせたッ!」」 「……会長は私よ?」 「あなたに譲った覚えは無いわ、それより……」 「「魔理沙独占禁止法を無視した報いッ!とくと知るといい」」 「お前らキモい」 魔理沙は異質なものをみるような目でそう言い放った 「むきゅんッ!」 「大丈夫ッ!?パチュリー!しっかり! 魔理沙あんまりよ、この子のハートは体と同じくらい脆いんだから!」 「いや、私は女だし……」 「そういう問題じゃないわ!」 すると魔理沙はこちらをチラリと見てから高らかに言い放った 「面倒くさい……、よぉし、わかった!お前たちがそこまで言うなら私も女だ! 勝った奴の嫁になるぜ!」 すると今まで虫の息だったパチュリーが何ともないように起き上がる 「愛は貧血すら凌駕すると知りなさい……」 「パチュリー、ちょうど良かったわ。これで心置きなくアンタを消し飛ばせるわね」 既に辺りには恐ろしい程の魔力が渦巻いており、霖之助さんは溜め息をつき奥へ引っ込んでいった。 「さぁ、○○!愛は勝ち取るものだぜ。私をさらってくれよ」 とウインクした魔理沙には特に考えがなさそうだ 「おい、ちょっと待t……」 「ねぇ、パチュリー。まずは邪魔な○○を片づけておかない?」 「奇遇ね、アリス……。私も同じ事を提案しようと思ったのよ……」 「俺はただの人間だぁ~ッ!」 俺の叫び声は魔法の森に大きく響き渡っていった。 ~終~ 13スレ目 59 ───────────────────────────────────────────────────────────
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VIP東方キャラスレ魔理沙厨 【魔理沙「お~い!レイプー遊びに来たぜ!」】[消滅] 霊夢以外の幻想郷の住民皆が霊夢の事を「レイプ」と呼ぶのが当たり前の世界を下地とし、 半端な台本SSレスとスレ建てを行う。なぜ半端なのか、意図は後述。 魔理沙「お~い!レイプー遊びに来たぜ!」 1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/09/12(日) 15 29 33.56 ID 288ZskBY0 [1/6回発言] 霊夢「は?」 魔理沙「だから遊びに来たんだぜ」 霊夢「いや、そうじゃなくて」 魔理沙「???」 霊夢「私の名前を言ってみろ」 魔理沙「は?・・・博麗レイプだろ?」 霊夢「霊夢だよ!れ・い・む!」 魔理沙「おいっ///バカかッ///昼真から何言い出すだ!」 霊夢「は?」 魔理沙「霊夢なんていきなり言い出すなんて暑さでおかしくなったのか?」 霊夢「ふざけんのも大概にしろよ」 萃香「ふぁ~ぁ 何を騒いでるんだい」 霊夢「魔理沙が変なものでも食べたみたいよ」 魔理沙「まさか!レイプじゃあるまいし!」 萃香「まあまあ レイプも魔理沙も一旦落ち着きなって」 SS部分はここだけ。ある意味定型で、10年のしばらく長い期間、このネタだけを引っ張り続けた。 なぜ中途半端なまま終わらせるのか? 曰く、"嫌東方厨用の釣りだから続きなんかないし"とのことである。 【ゴミクズ魔理沙】[稀] 魔理沙のことをクズ扱いし、『ゴミクズ魔理沙』と罵る。 しかし、魔理沙自体、VIP以外の場所――東方板やふたばなどでもゴミクズ呼ばわりされている事が少なくないので、 あまり罵倒している感じはしない。由来は知らないのだが、そうした場所では、gmkzの四文字は往々にして魔理沙の事を指す。 『ゴミクズ魔理沙』とだけ書き残す場合もあれば、いくらかスレタイから派生した状況が付与されたレスを残す場合もあり 殴る蹴るの暴行を加えたり嫌がらせをすることもある。 いずれの場合も長文とまではならないが、継続的に同じような内容のレスを書き込み続ける姿勢は見上げたものがある。 といっても、魔理沙をゴミクズ呼ばわりするものは過去何人もおり、共通して目立ったところがなかったので、 この厨がいつから、いつまで活動していたかまでは定かでない。 一応、今も魔理沙をゴミクズ呼ばわりするものはキャラスレにもたまーに現れるが、魔理沙=ゴミクズの公式は 東方のちょっと捻くれた板を見ているものなら誰もが知っているようなネタなので、誰にでもマネ出来てしまうという 背景が、判別を困難にさせている。 最近はにわかで名高い博麗霊太までもが魔理沙をゴミクズ呼ばわりするようになったので「まさに」である。 2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/05/16(日) 00 11 28.85 ID cfiPP0aV0 [1/1回発言] 魔理沙はゴミクズだからゴミ捨て場に捨てるよ! カラスに抓まれるゴミクズかわいい 同じタイプに「魔理沙を精液風呂に沈めたい」と書き込むものがいる。 こちらは、グリフィス(※)の激励に反応していたので、元ネタを知る住民である可能性が微粒子レベルで存在している? 同一人物なら最早疑いようがない。 ※三浦建太郎作の漫画『ベルセルク』の登場人物。精液風呂云々の元ネタに関係がある 【謎スペース】 11年後半から現れた、本当の真っ当な意味で魔理沙を愛する東方厨。 魔理沙はいわゆる乙女魔理沙という設定。いぢめネタを一切ふるわない、綺麗な純愛派である。 23 忍法帖【Lv=8,xxxP】 2012/03/30(金) 11 15 55.46 ID 47VxsGvM0 [1/1回発言] うわっ 魔理沙痛い!痛い!そんな強く抱きつくな! んっ?まだ寝てる?呻き声? 何か怖い夢でも見てるのか?ちょっと涙目だし もう、かわいいやつだなあ// 上にあるように、変なところで変なスペースを入れる。意味や規則性は不明。 【魔理沙と一緒にお空の散歩したい】[消滅] 「ほうきに乗って魔理沙と一緒にお空の散歩したい」らしい。たまに若干の変化がつくが、基本この定型。 【コピペ】[消滅] 魔理沙が可愛い、何が可愛いって全てが可愛い。顔、髪、体、スペカ全てが可愛い。 しかも魔法使いとかすげぇさすが俺の嫁、いやむしろ俺の嫁ならそれくらいでないといけない。 可愛い、可愛い魔理沙。お前等には嫁宣言もさせたくない、いやするなよ、魔理沙は俺のなんだから。 はあぁ魔理沙のことを思い出すだけでニヤニヤが止まらないよぉ。 他人から変な目で見られてもなんとも思わない、だって頭の中が魔理沙で一杯なんだもん 魔理沙の頭なでなでしたいよ。 一緒に魔術の実験もしたいし、博麗神社に一緒に遊びにも行きたいよ。 魔理沙ちゃんは和食派だから俺今から和食作るよ、魔理沙ちゃんのために作るからね、出来たら一緒に食べようね、 えっ?魔術の実験が忙しい? 分かったよ、 じゃあ魔理沙ちゃんが魔術の実験終るまで見てるね、実験してる魔理沙ちゃんも可愛いよ。 あれ?魔理沙ちゃん顔赤くない? もしかして風邪?魔理沙ちゃん無理しちゃダメだよほらこっちにきてよ熱計るから、早く来て、風邪が悪化したら困るよ、そしたら一緒に出掛けられないじゃん。 あれ?平熱だ・・・もしかして照れてるの?俺に見られて照れてるの?うああぁぁぁぁ照れてる魔理沙ちゃん可愛いよおぉぉぉぉ!!すごく可愛いよおぁぉぉぉぉ!! 俺萌え死んじゃうよ、魔理沙ちゃんで萌え死んじゃうよおぉぉぉぉ!! でも俺が死んじゃったら魔理沙ちゃんが悲しむよ、嫌だよ、嫌、魔理沙ちゃんが悲しむ姿なんて見たくないよ、魔理沙ちゃん悲しまないでよぉぉぉぉ!!俺まで悲しいよおぉぉ!!嫌daぁぁァァ!こんな魔理沙ちゃん嫌だよぉぉ! 泣かないでよ魔理沙ちゃん!俺は居るから、魔理沙ちゃんの為にちゃんと居るから、これからも魔理沙ちゃんのために生きるよ!! だから魔理沙ちゃんに俺の思い届けぇぇぇぇ!!! 魔理沙ちゃんと一緒に放つよぉぉ!! 魔理沙&俺「マスタァァァァァスパァァァァァァクウゥゥゥゥ!!!」 名前 コメント
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魔理沙1 1スレ目 4 魔理沙へ 「俺に毎朝味噌汁を作らせてくれ!」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 12 魔理沙へ 「俺の為に毎朝、味噌汁を作ってくれ!」 返答は当然「断る」 理由を400字以内で尋ねたら「めんどい」 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 53-54 53 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/08/05(金) 04 13 29 [ xjW.N./2 ] なんだか「プロポーズの反応を予想するスレ」になってるが、それはそれで面白いな。 明らかに未満なのも混ざってるけどw 魔理沙へ 「魔理沙!お前が好きだ!!お前が欲しい!!!」 魔理沙 「え!?あ、その、ちょっと、そんな、いきなり、私にも心の準備ってものが、その、あるでしょ!?」 直球ど真ん中を投げられ、男言葉も忘れてアタフタする魔理沙に萌え。 54 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/08/05(金) 18 01 48 [ vwrCXCmk ] 53 視線があっちいったりこっちいったり、 おさげをクルクルいじったり帽子をいじったりしながら 頬を赤く染めつつ上目遣いでこっちを見て 魔理沙「……………………うん。……いいよ」 とか言ってる魔理沙が脳内に浮かんで萌え死んだ ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 318 不思議な森に迷い込んでからもう丸一日たとうとしていた。 どうしてこんな場所を歩いているのかよく覚えていない。 草木は故郷のそれに似ていてまったく異質、昼なのに薄暗く静か 生き物の声は聞こえないが森中に強い意志のような不思議な気配を感じる。 ここはきっと御伽噺の魔法の森。 迷い込んだ僕は魔法使いでも英雄でもないけれど、 僕はこの白と黒の影に包まれた異界の森の中心で ひときわ大きな木にもたれかかる金色の姫を見つけた。 その美しさに吸い寄せられるように、僕は彼女の前に立った。 彼女は大きな瞳で僕を見ると眉を悩ませて言った。 「珍しい、私を迎えに来た死神か? 最近の死神は間抜けな顔なんだな・・・ッ!!」 彼女は小さくうめき声をもらし手でわき腹を押さえている。 よく見ると黒いドレスに染みができている。 「怪我、してるのか?」 「ちょっとしくじっちまったぜ、でも、問題ない」 衣服の染みは広がっていく、とても平気にはみえない。 このままでは危ない、僕はそう直感した。 「失礼します、お姫様」 僕は彼女の服をめくりあげわき腹の怪我を見る。ひどい・・・ 「姫?っておい、何するんだよ」 彼女は抵抗するが弱々しい。 「大丈夫です、医者ですから」 本当は嘘だけど、簡単な応急処置なら僕にだってできるはず。 消毒できるようなものは持っていない、とりあえずは止血しなくちゃ。 僕は上着を脱ぐと破って丁度いい長さにし、包帯代わりに彼女の傷をふさぐ。 てきぱきと動く僕を見て彼女は抵抗をやめた。 「この辺に、家とかありませんか?」 「ん、私の家ならもう少し先に」 僕は彼女を背負って歩き出した。 すこしして森が少し開けた場所に家が見える。 「あれですか?」 …返事がない、気絶してしまったらしい。迷ってる暇はない。 「失礼します!」 大声をだし返事を待たずに家に入る、 ベットがすぐに見つかったのでそこに彼女を寝かし僕は部屋を見回す。 散らかっている・・・机の上にある液体の入ったビンの匂いをかいで見る。 多分、アルコールだ。 僕はそれで彼女の傷を消毒し、再び傷口を縛った。 それから一晩、して、苦しそうだった彼女の表情も安らいだ寝顔に変わっている。 もう大丈夫だろう。 急に疲れが押し寄せてくる、僕は彼女のベットの横でそのまま寝てしまった。 鳥の声、朝の光、窓から差し込む光が僕の目の前で金色にキラキラ反射している。 「お、起きた」 彼女の顔が目の前にある。キラキラは彼女の美しい髪。 御伽噺のようなその美しさに惑わされて、僕はおどけて言った。 「お姫様、お加減はもうよろしいのですか?」 「ん、まぁな。助かったぜ」 彼女は少し顔を赤くして、髪の毛をかきむしりながら言った。 「それと私は姫じゃないぜ、普通の魔法使いの魔理沙だ、おまえは医者?」 「いえ、実は僕は普通の・・・迷子です(泣」 「おいおい、泣くなよどういうことだ?」 僕は、この森に迷い込んだこと、元の世界に返れなくて困っていたことを話した。 彼女、魔理沙にはここが幻想郷と呼ばれる場所であること、 稀に僕のような外の人間が迷い込み、帰るのは難しいことを教わった。 「はぁ、僕どうしよう・・・」 僕がこの先のことを考えて暗くなっていると、 魔理沙は髪をいじりながら少しぶっきらぼうに言った。 「行くとこないなら、しばらくここにいるか?」 「え、でも」 「私は独り暮らしだし、まだ怪我が全部治るまではあまり動き回れないし、 その間誰かいてくれると助かる」 「独り暮らしの女性のところに世話になるわけには・・・」 「ぁぁ、もうめんどくさい。お前は行く場所がない。そうだろ?」 強く言われて頷く。 「じゃぁ決まりだな。私はもう少し寝るから、その辺の掃除を頼むぜ」 彼女はそう言ってすぐに寝てしまった。まだまだ本調子ではないようだ。 それから数日僕は魔理沙の家でガラクタの掃除をしたり、 食事の用意をしたりしてすごした。 怪我のほうはもうほとんど治っていた。 よく考えると、助けたのは僕なのに、体よく家事手伝いをやらされている気がする。 けれど、無邪気な表情でベッドで寝ている このぶっきらぼうで口の悪い姫を見ていると、こういう暮らしも悪くないと思い始めた。 その日、僕が倉庫のガラクタ整理をしていると、ぼろぼろの縄を見つけた。 長さ1メートルともう少しくらいの赤い縄。 ゴミなら少しでも減らしたいのだが、しかしここにあるのは魔法の品ばかり、 魔理沙に確認とるために見せて見た。 「・・・わすれた、ちょっとかしてみてよ」 魔理沙に縄を渡す、丁度、縄の両端を僕と魔理沙で持つ形になった。 とたんに縄が勝手に動き始めた。ぐるぐると僕と魔理沙の腰に巻きつき 手錠のように互いを縛ってしまう。 「なんだこれ・・・とれねぇ」 僕と魔理沙をつなぐ部分は30センチほどしかない。 縄は苦しくはないがぴったり腰に巻きついて解けない。 「あーーー、切るか」 刃物を取りに魔理沙が台所へ向かう、けれどつながれた僕は引っ張られ バランスを崩し転んでしまう、結果魔理沙もバランスを崩すわけで・・・ 僕たちは廊下で重なり合って転んでしまう。 魔理沙の顔が至近距離に・・・大きな瞳、白い肌が赤く染まる。 やば、つい見つめてしまった。 あわてて起き上がるが、つながれてるため体が持ち上がらずしりもちをつく。 「あぁぁ、ごめんなさいごめんなさい」 「はぁ、いいからまず落ち着こうぜ。ゆっくり、タイミング合わせて立ち上がる」 魔理沙は帽子で顔を隠しながら言った。 もしかして嫌われたかな・・・などと考えてしまい、余計に僕も赤くなった。 結局、はさみでもナイフでも縄は切れなかった。 強い魔力を秘めたものらしい。 よく縄を観察すると、つながれた中央に平らな部分があって、数字が浮かんでいる。 「20」 「なんでしょうね・・・?」 「さぁな・・・」 二人でため息をつく。 お互い離れられず、向かい合うと至近距離なため僕たちは背中合わせになってベッドに座っていた。 「魔理沙、いるー?」 誰か尋ねてきた、この声はアリスさんだろう。 時々遊びに来るので何度かあっている。 「いるぜ」 「おじゃましまっす・・・って魔理沙たち、変わった事してるのね」 「はい、魔法の縄っぽくてどうしてもほどけなくて困ってるんです」 「切れないしさぁ、アリス、この縄何か知らない?」 アリスさんは僕たちをつなぐ縄を見ておかしそうに笑った。 「へ~、魔理沙と君がねぇ。アハハ」 「おいおい、そんな風に笑うと不気味だぜ、何か知ってるなら教えろよ」 「はいはい、その縄はね、恋人同士の遊び道具よ、真ん中に数字があるでしょう? つながれた二人が、お互いに相手の気持ちを言い当てると数字が減るのよ、ただし 気持ちを教えたりヒントを出したりしてはダメよ、それに、つながれてから半日以内に 解かないと、取れなくなるわ」 「ええええ、そんなの難しいって」 「大丈夫よ、恋人同士なら見詰め合ってるだけで勝手に解けるわよ」 アリスさんはクスクスと笑い続けている。 「ででででも、僕と魔理沙はそんな関係じゃないし・・・」 「そ、そうだぜ」 「あら、そうなの、それは困ったわねー。でもためしに見詰め合ってみたら?」 ぜんぜん困ってない口調でアリスさんは言った。 「さぁって、今日は取り込み中みたいだから私は帰るわね。ふたりともがんばってね~」 アリスさんは終始笑いが止まらない様子で帰っていった。 取り残された僕と魔理沙。 「あはは、どうしよう」 「とりあえず、何か言ってみたらいいんじゃないか?」 「んーーー、魔理沙は今お腹すいてる」 「あたりだぜ」 中央の数字が19になっている。 「お前もお腹すいてる」 18になった。それもそうだ、もういつもの夜ご飯の時間は過ぎている。 「なんだ、これなら簡単だぜ」 「そうだね」 「先に食事にしようぜ、腹が減ったら戦はできぬ、それじゃ頼んだぜ」 やっぱり僕が作るのね。でも、このままだと。 「このままだと、魔理沙と一緒じゃないと作れないよ」 「大丈夫だ、私は横で見ている、ときどきつまみ食いする」 「それ、ぜんぜん大丈夫じゃないよ」 「そういうなよ、本当は嬉しいんだろ? ちゃんと味に文句もつけるから」 「ぜんぜん嬉しくな、い、」 結局魔理沙は言葉どおり、横にいてつまみ食いして文句をつけた。 最低だ。味付けも間違えたし、 ずっと横にいて僕を見ている魔理沙を意識して手元が狂ったのだ。 ときどき魔理沙を見るとにこっと笑う。意外に楽しそうだ。 「楽しいの?」 魔理沙は答えなかった 食器を運ぶとき、歩調が合わなくて一回転んだことを除けば食事は普通に終わった。 洗いものは後でもいいだろう、先に縄を解かなくては。 数字が16になっていた。 なんとなく気恥ずかしくてそのことには触れなかった。 魔理沙も触れてこなかった。 再びベッドに背中合わせに座る。 困った、いざ考えようとすると魔理沙の気持ちなんて思いつかない。 僕が黙っていると、魔理沙はいろいろ言ってきた。 「蕎麦が食べたい?」 「食事したばかりです」 「弾幕ごっこしてみたい?」 「死ぬから嫌です」 「前に話した大きな図書館、面白い本が結構あるんだけど、行って見たい?」 「吸血鬼がいるからいやです」 「難しいなぁ・・・ヒント教えろよぉ」 「それじゃ、数字減らないってアリスさんが言ってたでしょう。 あ、もしかしたら今言ったの全部魔理沙がしたいことだ」 15 「何で分かったの?」 答えずに僕はため息をついた。 それから10分ほど無言が続いた。 「んー」 魔理沙が何か言いかけてやめる。 「何?」 言いにくいことなのだろうか? 「あのさ、やっぱりもといた世界に帰りたいって、そう思ってるだろ?」 「え、それは・・・」 答えに詰まる。 15 数字は減らなかった。 「あれ?」 魔理沙が不思議そうな複雑な顔をする。 「えっと、ほら、僕こういうのんびりした暮らしにあこがれてたから、それで、えっと」 「そ、そうか。私も今みたいな暮らしは嫌いじゃないぜ。お前がきてから楽しいし・・・」 「・・・」 「・・・」 「そういう意味じゃないよね?」 「ああ、別に変なことは言ってないぜ」 ・・・ 「こんなことになって、魔理沙は迷惑してる?」 「自由にお茶が飲めないのは迷惑だぜ」 15 「たまには悪くないぜ」 再び沈黙。先ほどとは少し雰囲気がちがった。 「初めて会ったとき、姫っていったよな? あれ、なんで?」 「金髪がきれいだったし、服装も、おとぎの国みたいで」 「ふぅん・・・」 会話が続かない。 「そ、そういえば、そのあと魔法使いって言ってたけど、 初めて空飛ぶの見るまでは信じられなかったよ」 「ん、そうか? こっちじゃ飛べないほうが珍しいぜ。飛んでみたい?」 「飛んでみたいなぁ。魔理沙と一緒に自由に飛び回れたら楽しいだろうな」 14 「じゃぁ、今度教えてやるよ。大丈夫、飛ぶくらいならきっとすぐだぜ」 「やった、あ、でも僕が箒に乗っても似合わないかな」 「そんなことないと思うけど、別に箒じゃなくてもいいんだぜ。そこのちゃぶ台とか」 「それはもっとかっこ悪いって」 「そうだな、そんなのと一緒には飛びたくないぜ」 魔理沙は肩をすくめて首を振る。 僕はつられて笑った。 いつの間にか、背中合わせじゃなくて正面を向いて話していた。 そのことに気がついても、わざわざ背中向きなおすのが不自然な気がして そのままタイミングを逃した。 「14、かぁ」 「先は長いなぁ」 「アリスのやつ、見詰め合ってればすぐだとか言ってたけど・・・」 「本当かな?」 「…試してみるか?」 「え」 「何か簡単に解けるヒントがあるのかもしれないだろ?」 「う、うん」 「大丈夫、私は負けないぜ」 「にらめっこじゃないんだから…」 魔理沙に促されるまま僕たちは見詰め合った。 綺麗な金色の髪、大きくて意志の強そうな瞳も金色で、 白い頬には朱がさしていく。 そして、花のつぼみのような唇…、吸い込まれそうになる。 その距離30センチ弱。 ふいに、魔理沙が目を閉じた。 心なしか距離が近づいているように感じる。 これって、もしかして…でも、どうして… ほんの少しの時間がひどく長く感じる。 魔理沙は少しだけあごを上げ首を傾けた。 僕がほんの少し顔を近づければそれできっと唇が触れ合うだろう。 けれど、触れるか触れないかの直前に魔理沙は目を開けた。 僕はあわてて顔を離す。 「魔理沙、いったいどういうつもりで」 「どうもこうもないぜ、それよりお前、今私にキスしたかっただろ?」 なるほど、そういうことか…卑怯だよ魔理沙、 だってそんなに頬を赤くして、瞳を潤ませて…だから言い返してやった。 「違うよ! キスしたかったのは、魔理沙のほうでしょ」 「そ、そんなことはないぜ…たぶん…絶対」 あからさまに動揺している魔理沙。 縄の数字は12だった。 さっきは14。 「二つ、減ってる…」 「ははは…参ったなぁ…」 どうやら、そういうことのようだ。 僕は魔理沙の肩を抱き寄せ、顔を近づけた。 魔理沙は抵抗せずに瞳を閉じた。 初めての魔理沙とのキス。 、、、、 永遠にも思えたキスを終えて僕は魔理沙を抱き寄せたまま聞いた。 「こんな、勢いみたいな形で、もしかして後悔してたりしない?」 魔理沙は優しい笑顔を浮かべ言った。 「バカだなぁ、そんな言い方じゃ意味がないぜ。 お前は、私とキスして後悔なんてしていない」 11 そっか、そういうことか。分かったよ魔理沙。 言わなきゃいけない、でもちょっと変則的。 普通に言うよりものすごく恥ずかしい気がする。 ドキドキがとまらない。でも言わなきゃ。 「魔理沙は…僕に言いたいことがあるよね?」 「奇遇だな、お前も私に言いたいことがあるんだろう?」 9 僕と魔理沙は頷きあって笑った。 そして想いを伝える。 「魔理沙は、僕のことが好きだ」 「お前も、私のこと愛してるだろ?」 7 ちょっと負けた気分。 でもいいや、これからなら何度だって言えるんだから。 ゼロ距離で見詰め合う。 「魔理沙はまた僕にキスしたい」 「それは自分の気持ちだろ?」 僕たちはずっとお互いにキスしあった。 ……、0 次の朝、縄は解けていた。 それでも離れたくなくて、僕はまた魔理沙にキスをする。 そんな現場をアリスさんに見られてしまった。 「やっぱりね~」 「アリス、勝手に家に入ってくるのは泥棒だぜ?」 「あらぁ、何度も声かけたわよ? それよりも、二人ともおめでとう、かしら」 「アリスさん、やっぱりって。こうなること知ってたんですか?」 もしかして、こういうことになったのは魔法の縄のせいかなと疑問がよぎった。 それくらい信じられないくらい幸せだった。 「あら、だってその縄の魔法は、 初めからお互いのこと好きじゃないと発動しないのよ? ね、魔、理、沙?」 「偶然だぜ…」 魔理沙は帽子で顔を隠してしまった。 疑問が解けた。 僕は、この可愛くて少し意地っ張りな魔法使いのお姫様を一生守ることを心に誓った。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 633 「…何じゃこりゃぁぁぁぁああ!?」 とある俺の一日は、そんな叫び声から始まった。 ここは魔法の森、大声を出して迷惑する奴なんてさっぱりといない。 しかし、今の俺は叫ばずにはいられなかった。 魔法の森では、様々なものが取れる。 そう、例えば怪しいキノコとか、怪しい薬草とか、怪しい花だとか。 もしかしたら、俺はそんなやばい物を食ってしまったのかもしれない。 今の状況を説明するなら、まずベッドには俺がいる。 目の前には鏡がある。その鏡には一人の子供が写っている。 俺が手を上げれば、鏡の中の子供も手をあげて、俺が頬を抓れば その子供も、抓って痛みに顔を歪める。 そう。 朝、起きたら俺は縮んでいたのだ。 高校生探偵が薬を服用させられ眼鏡をかけて無茶苦茶な偽名を 名乗ったどこかの漫画の様に。 「…どうなってんだ、こりゃ?」 服のサイズはぶかぶかだ、そもそも俺の今の身長はせいぜい 小学校に通う人間のサイズ――普段の俺に合うはずがない。 「ちくしょう…頭も痛ぇし…こりゃ、やばいか?」 体が縮んだ上に風邪のような症状、俺は少年探偵じゃないんだけどな… こんな時に頼みの綱は…… ガチャ 「邪魔するぜー」 来た。 それはもう、ありがたいくらいに普通に来た。 霧雨魔理沙だ。 彼女ならこの状況を打開してくれるかもしれない! 「魔理沙ー!助けてー!」 恥も外聞もあったもんじゃない。 この姿になってから、そんな物は捨てた。今は一刻も早く元に戻りたい。 「どうしたんだ…って、何だお前もか」 俺は目の前に呆れ気味に呟く少女に対して、目を疑った。 少女――霧雨魔理沙は心なしか、昨日会った時よりも背が縮んでいた。 …それが意味するところは、つまり。 「…魔理沙も縮んだって事か」 「あぁ、ちょっと色々あってな」 「風邪も引いた。助けてくれ」 何度も言うが、既にプライドなんてない。 プライドって美味しいのか? 「まぁ、助けるのは構わないんだが…どうせ私が原因だし」 「…おい、何か重要な事を言わなかったか?」 「あー、別に何でも無いぜ?」 …間違いない。俺をこんな風にしたのは魔理沙だ。 原因は昨日、多分夕飯にそれとなくあった、あのキノコか… 困ったな。 まさか魔理沙も縮んでいるとは思わなかった。 「…とりあえず、風邪薬くらいは頼みたい。どこぞの薬剤師でも 兎でもいいから、クスリー」 自分で言ってなんだが、どこかのジャンキーのようだ。 だが、それだけ風邪が辛い。 縮んだ事と、風邪による二重の苦輪だ。 「仕方ないな、少し待ってろよ。すぐに元に戻りそうなのと、クスリを調達してくるぜ」 クスリの部分を強調して言われた。 …このままだと本気でやばい薬を持ってきかねないな。 「待て、やばそうな薬は持ってこなくていい。とりあえず元に戻る方が先だ」 十中八九、また元に戻るためにはキノコを食べるだろう。 「それじゃ、行ってくるぜ」 魔理沙は子供が被るには大きい帽子を押さえて出て行った。 「…大丈夫か?」 そんな一抹の不安が過ぎったが、俺はひとまず彼女に色々任せる事として 眠る事にした。 『よっ、遊びに来たぜ』 あぁ、これは昨夜の出来事か。 「遊びに来たじゃなくて、俺のところの、魔導書を取りに着たんだろ?」 『ちゃんと色々払うって。そうだな、夕飯で手を打たないか?』 「…じゃ、それでいいや」 そうして振舞われた、いくつもの料理。 彼女は楽しそうに料理を作っていた。 『ほら、これでいいか?』 「あぁ、ありがとう魔理沙。本を借りるなら勝手に持っていけ」 あぁ、俺はこんな彼女に惚れていたのかもしれない。 『まったく、栄養くらいちゃんと考えて摂るべきだぜ』 「…心に深く刻んどくよ」 もっとも、彼女の顔を見ていて、あまり話は聞いていないが。 「それじゃ、お前も食うだろ?」 『あ、あぁ、いただくぜ』 挙動不審だったのは、縮む恐れがあったからか? …ちょっとだけ抜けているかもしれない。 「よっ、起きたか?」 目の前にはちっちゃくなった魔理沙がいた。 「…何とか病状は持ち直した」 というほど、重症ではないけど。 彼女は手にお盆を持っていた。 …キノコだった。 お盆の上の皿、それに乗っているのは、まるでどこかの配管工兄弟が 好んで食べるような、そんなキノコ。 「単なる巨大化狙いか?魔理沙」 「1UPはしないぜ?」 会話がかなりずれている。 ともかくそのキノコは半分に切られているため、恐らく、半分は 彼女が食べるのだろう。 そのキノコ、味は普通だった。 普段食べているキノコと何ら味は変わらない。 無論、生で食うわけもなく、焼いて食べた。どこかの配管工兄弟は 生で食っているらしいが。 「ほら、薬」 永遠亭まで行って、わざわざ薬を貰ってきたらしい。 それにしても、小さくなった魔理沙に違和感を持たなかったのだろうか? 俺なら多分、持つけど。 薬は普通の錠剤だった。 苦い。苦しい。喉が痛い。 さっきのキノコとは大違いだった。 「さ、寝るぜ」 「は?」 「このキノコの効果が現れるまで時間がかかるんだ。だから寝て待つ」 そう言いながら、魔理沙は俺のベッドに入り込んできた。 「…おい。何考えてるんだ?」 「はぁ、お前もうるさいなぁ。第一、お前は病人だろ?病人は寝るもんだぜ」 「風邪がうつるぞ」 「その時はその時だぜ」 帽子を取ってわきに置く。そして俺の枕を取ると、勝手に横になった。 添い寝という奴か。 「…俺が襲うとか考えてないのか?」 「お前なら襲わないぜ。それに、この姿で襲ってもしょうがないだろ?」 それもそうだ。 そんな背徳的すぎる事、チキンな俺には出来そうもない。 「それに、お前じゃなかったら、私もこんな事しないぜ」 「はいはい…お休みなさい」 最後の一言はかなり嬉しかったが、あえて顔に出さないようにして 俺は目を閉じる。 「ん…」 最後に魔理沙は俺にキスをした。 こんなことなら、たまには風邪や、変なキノコも悪くないかもしれない。 後書きと言う名の遺書。 とりあえず、リクエストにお答えして書いたものです。 587の方が、ひらがなでまりさと書かれたので、 敢えて身体を縮ませました。 …別に他意はありませんよ? そして、巷の看護ブーム(?)によって看護ネタです。 587の方、期待していたら申し訳ありません。 自分の力量ではこのくらいが精一杯でした。 それでは次は霊夢を書こうと思います。 多分、今度は看護ネタじゃないと思いますけど…看護ネタで見たい人っているんですかね? 是非に看護ネタでという人はどうぞ。 いざとなったら、今暖めているネタと同時に書きますから。 ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 637 642-643 645 637 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/10/25(火) 13 09 25 [ 6tVzlnh6 ] 魔 理 沙 と で き ち ゃ っ た 結 婚 し た い 642 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/10/25(火) 21 01 24 [ JZA.osNU ] 637 魔理沙「あー、なんだその、責任は取るぜ?」 643 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/10/25(火) 21 20 37 [ 6tVzlnh6 ] チガウチガウ!俺が責任をとるんです 645 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2005/10/26(水) 02 03 20 [ 2pdjPE8U ] 「魔理沙、あなたおめでたよ。」 「「は?」」 数時間前、魔理沙が気分が悪いというので永琳さんを呼んで診てもらった結果がこれだった。 思わず魔理沙とハモってしまった。 確かに俺と魔理沙は付き合っている。付き合っているからそのゴニョゴニョなこともあるわけだが・・・。 まさか妊娠しているなんて・・・。 「そっか・・・、子供か・・・。へへへ・・・」 魔理沙はいとおしそうにお腹を撫でている。 こんな姿みたら覚悟決めないとだめだよなぁ。 「なぁ、魔理沙。えーと・・・その・・・け・・・結婚しない・・か?」 言ってやった言ってやった。 「何言ってるんだ?」 え、なにその反応。 「こっちははあの時からずっと一蓮托生のつもりだったんだがな。」 そういって屈託なく微笑む。 「そうだな、そうだよな。これからもよろしく頼むよ、魔理沙。」 「それはこっちのセリフだぜ、紅魔館だけじゃなく、たまには家も片付けに来てくれよ?」 「それは勘弁こうむるぜ。」 魔理沙をやさしく抱きしめる。 逃げて流れてこんなとこまで来てしまったけれど、大丈夫。魔理沙がいるならもうくじけることはない。 随分短いけどこれでよかったか? 637 最後の一文は締めたかっただけで、あまり意味はないでs(マスタースパーク ─────────────────────────────────────────────────────────── 1スレ目 781 魔理沙妄想。 「よぅ、遊びにきたぞ」 「……毎度毎度毎度毎度言ってるんだけどな、魔理沙? 家壊すな突っ込んでくるな一言くらい詫びろっ!!」 「私の魔砲で壊れる家がヤワなんだ。お邪魔ー……しようにも家が無いな」 「…………また立て直すのかよ……」 * * * * * 「いやー。悪いな晩御飯までご馳走になっちゃって」 「確信犯だろお前。しかも勝手にご飯よそうな! 普通お代わりって自分でやる!? ってか大盛りだし!! 三杯目だろ!!」 「うるさいなー。育ち盛りなんだよ。ほら、お前も食べな」 「……いやそれ俺の米なんだけど。ついでに言えば焼き魚も」 「これは私の勝ち分だ。いやー、弾幕ごっこっていいな♪」 「二度とやんねぇぞ。このクソ餓鬼……」 「マスタースパー……」 「ごめん悪かったからソレはやめてソレだけはやめて」 * * * * * 「おー、ぬくぬくだぜー」 「……毎度にして最大の疑問なんだが。どうして俺の寝床に入ってくるんだ?」 「私は冷え性なんだよ」 「俺もそうなんだけど……って、擦り寄るな!!」 「へへん、照れるな照れるな。うりうりー」 「っこのっ!! こしょこしょこしょこしょ!!」 「だ!? あはっははははは苦しい苦しいやめれー!!」 「弾幕ごっこの負け、ここで晴らす!」 「なにをー!!」 * * * * * 「…………なぁ、もう寝たか?」 「どした」 「あのさ」 「なんだよ」 「好きだって言ったら……どうする?」 「……とっとと寝ろマセガキ」 「私は餓鬼じゃない」 「…………」 「餓鬼じゃ……ない。私だって……女、だぜ」 「……あー、そうかそうか」 「分かればいいんだ。で、答えは?」 「…………俺も好きだ」 「両想い成立だぜ♪」 「いいから寝ろ」 * * * * * 「むにゃ……すきだぜー」 「ぐー……おれもだ……」 目指したのはぜんぜん恋愛してない恋愛。 …… 766氏には遠く及ばないことを実感した。 ───────────────────────────────────────────────────────────